ワイマラナーについて

 

「グレー・ゴースト」の異名をもつ神秘的で美しい犬

 

ワイマラナーのスタンダード
ワイマラナー犬種

原産国:ドイツ
用途:多目的の狩猟犬およびポインティング・ドッグ

サイズ:

体高:

オス:59~70cm(理想体高62~67cm)
メス:57~65cm(理想体高59~63cm)

体重

オス:約30~40kg

メス:約25~35kg

被毛

短毛と長毛の2種類です。短毛は短く厚い丈夫な毛が密に生えていて、スムースの上毛のみ、あるいはわずかな下毛があります。長毛は全体的に長く柔らかい毛が生えていて、わずかにウェーブがかかっていることも。耳の付け根、胸、首、腹ひばら(腹部の下方)、尾の部分には長めの飾り毛があります。密な上毛と厚い下毛からなるダブルコートのような被毛です。

毛色

シルバー、ノロジカ色、マウス・グレーと、これらの色のシェード(陰影や濃淡)です。頭部や耳は一般的にわずかに淡い色みです。胸や指にあるごく小さいホワイトの斑のみ許容されます。背に沿ってトレース(すじ)が見られることもあります。マーキングの色が明瞭な赤っぽいイエローであれば高い評価につながらず、ブラウンであれば重大な欠点になります。

 

 

ワイマラナーの犬種の歴史

貴族に愛されたドイツ最古の猟犬

ドイツ最古のポインティング(獲物のいる場所を探し出すこと)・ドッグで、起源にはさまざまな説があります。明らかになっている歴史は、リアム・ハウンド(昔のブラッドハウンド)の血統を受け継いでいて、1830年代にはワイマールの宮廷で貴族に飼われていたこと。19世紀半ばにはワイマールやチューリンゲン(ドイツ中部)周辺でハンターによって、短毛のワイマラナーが繁殖されていましたが、別犬種のリアム・ハウンドやポインターとの交配もありました。

ワイマラナー単独での繁殖が始まったのは1890年ごろからです。20世紀に入ってから長毛が生み出され、犬種としても登録されました。

一般外貌

筋肉質でしなやかなボディの持ち主

筋肉質な引き締まったボディとしなやかな体つきを両立した美しさがあります。機能的なワーキングタイプの犬種で、オスとメスの違いが明確であることも特徴。つややかな被毛とアンバー(琥珀色)の瞳が神秘的な雰囲気を醸し出し、「グレー・ゴースト」とも呼ばれています。短毛の犬が多く、長毛は少なめです。

ワイマラナーの性格

多彩な才能を秘めている

学習能力の高さで知られているハンティング・ドッグです。もちろん家庭犬としてもしつけやトレーニングがしやすく、家族に一途で落ち着いた性格の持ち主ですが、まれに警戒心が強いタイプもいます。好奇心旺盛で根気強く、多彩な才能を秘めている魅力的な犬種です。

毎日のくらし

学習能力や好奇心、運動量を満たそう

昔からハンティングのパートナーとして活躍してきたワイマラナーは、体力があります。ロングリードに替えて遊んだり、安全な公園やドッグランで走らせたりする運動が必要不可欠。夏には水遊びをする機会を設けるのも良い方法です。好奇心を満たすには散歩中のにおい嗅ぎがおすすめです。飼い主さんへの思いが強いので、おもちゃの引っ張りっこなどで一緒に遊ぶ機会もつくりましょう。

落ち着いた性格とはいえ、体が大きい分、飼い主がコントロールすることが重要です。子犬を迎えたら早めに社会化トレーニングを始めましょう。大型犬に慣れているドッグトレーナーに、暮らしのしつけとトレーニングの両方を学ぶことも一案です。

優れた能力の持ち主なので、やることがない退屈な日々はストレスになりかねません。ワイマラナーがやりがいをもてるような暮らしを工夫しましょう。

短毛の場合、美しさを保つケアはそれほど難しくありません。定期的にウェットティッシュやマイクロファイバータオルなどで拭き、余分な皮脂や抜け毛を取り除きます。ブラッシングにはラバーブラシや獣毛ブラシがおすすめ。ドッグランや水遊びなどで汚れたときにはシャンプーで洗い流しましょう。

長毛は飾り毛がからまりやすいので、コームを使って毎日丁寧にブラッシングをするお手入れも必要です。

胸部が深い(縦に大きい)ワイマラナーは、胃捻転に注意が必要です。食べすぎ、早食い、がぶ飲みに加えて、食後の運動が発症の原因になります。急に腹部がふくらんだり、よだれが大量に出たりする症状が見られたら、すぐ動物病院で対処しなければ命に関わります。

また、大型犬に見られる股関節形成不全にも要注意。関節と軟骨に配慮したドッグフードを選び、歩き方などで気になることがあれば早めに動物病院を受診しましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

Contributor Bio

金子 志緒

金子 志緒

ライター・編集者
初めて迎えた子犬がきっかけでペット雑誌の出版社に勤務。現在はフリーランス。愛玩動物飼養管理士1級と防災士の資格を生かして、動物や防災に関する記事、雑誌、書籍の制作に携わる。パートナーの甲斐犬は初代ジュウザ、2代目サウザー。 しましまブログ:www.shimashimaoffice.work

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