ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアについて

 

やんちゃで媚びない甘えん坊。 愛らしい見た目にツンデレな態度が何とも言えない魅力

 

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのスタンダード
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのスタンダード

原産国:

イギリス

用途:

テリア

サイズ:

体高は約28cm

被毛はダブルコートで、見た目よりも触るとゴワゴワしています。上毛は針金のように粗く堅い直毛で、下毛は短く柔毛です。

毛色:ホワイト

 

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの犬種の歴史

ブリーダーの努力によって完成した、美しさとテリアの気質を併せ持つ人気犬種

その名の通り、イギリス、スコットランドのウエストハイランド地方で作出されました。スコットランドではケアーン・テリアをはじめとしたテリアたちが飼われてきました。以前から有色の子犬に交じってしばしば白色の犬が生まれていましたが、それまでは好ましく思われず淘汰されていました。一方、狩猟の際に、獲物のキツネと間違えて猟犬のテリアを誤射してしまうということもあったことから、ボルタロッチに住むマルコルムスはこの白いケアーン・テリアに興味を持ち、他の白い犬種を利用して選択的に繁殖し、白いテリアを増やしていったのです。この白いテリアがウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの出現に大きな影響を与えました。健全な犬の作出のために、長い間この犬種とケアーン・テリアの交配が認められていましたが、AKCが1917年両犬種の間から生まれた子犬の登録を認めないこととしました。その結果、両犬種は完全に分離されるようになったのです。

一般外貌

愛玩犬のようなキュートな容姿に頑丈でマッチョな体格

全体として力強く、コンパクトな体格をしています。深い胸に平らな背、短めの四肢は筋肉質で、力強さと活動力を併せ持ったコンビネーションが最大の特徴です。真っ白な被毛にピンと直立した耳、同じく適度に立ち上がった尾、そしてくりっとしたつぶらな瞳が、体格の力強さに加えて美しさや可愛らしさを共存させた魅力たっぷりな容姿を作っています。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格

猟犬時代のテリア気質は健在

活動的で、やんちゃ。陽気で明るく、遊ぶのも好きですし、いたずらするのも好きです。テリアの中では社交的でフレンドリーですが、独立心が強く一人で過ごしたいと思うこともあるようです。自尊心が高く自分なりのこだわりがあり、それにそぐわないと従わないというような頑固な一面もあります。ひるまずに獲物と戦う猟犬の勇敢な気質も残しているため、知らないものにも近づいていく勇気があります。そのため、他の犬との距離の取り方には注意が必要です。

毎日の暮らし

しつけの第一歩は、信頼関係を作ること

利発で陽気な犬種ですが、その一方で、自分で納得をしないとコマンドに従ってくれないというような、非常に頑固なところもあります。信頼関係を結ぶためには、常に一貫性を持って接することはもちろん、良い行動を褒め、時には毅然とした態度を示すことが必要になることもあります。犬が理解してくれるまで根気強く行うことが必要です。見知らぬ人や動物に対する警戒心が強いので、小さいうちからいろいろな経験をさせ、警戒しないでも大丈夫な状況もあることを分かってもらいましょう。難易度高めといわれるしつけですが、信頼した飼い主には、忠実で甘えん坊なところがこの犬種の魅力です。自立心があり、自分で考えて行動できるので、お留守番も問題なくできますし、番犬にも向いています。

活発で遊ぶことも好きなので、退屈しないように、そして筋肉質で力強い骨格をしているので、そのプロポーションを維持するためにも、最低でも1日、1時間程度の散歩を心がけるようにしなければなりません。定期的にドッグランで全速力で走らせてあげることも、よいストレス解消になります。

ウエスティを含むテリア種のショーに出すような本来のスタイルは、堅い毛質を維持し、全体の形を作るために、ストリッピングやプラッキングといった技法を用いて作っていきます。これは専用のナイフを用いて古い毛を抜いていく技法のことで、太く堅い新しい毛を生えやすくし、毛穴を活性化させることで毛艶を良くするといった理由があります。日本ではバリカンやハサミを使ってのトリミングが一般的かもしれませんが、興味があれば、トリミングサロンに問い合わせてみてください。日常的なお手入れとして、ブラッシングは怠らないようにしましょう。

ウェスティが注意をしなければならない病気としては、アトピー性皮膚炎、脂漏症、外耳炎などの皮膚疾患があります。こまめなお手入れによって、異常を早期に発見し動物病院を受診すること、そして、適切な治療とスキンケアによって、できるだけ悪化しないようにすることが大切です。また、関節系の疾患として膝蓋骨脱臼や、ドライアイといった眼の疾患も見られることがあります。愛犬に気になる症状が見られたら、獣医師に相談するようにしましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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