意外な組み合わせのデザイナーズドッグ。ポンスキーとは、ポメラニアンとシベリアンハスキーを交配して誕生したミックス犬のことをいいます。
ポンスキーの特徴
体重
個体差はありますが、ポンスキーの体重はおおよそ中型犬以下(9~14 kg程度)にとどまることが多いようです。
体高
ポンスキーは、ポメラニアンとシベリアン・ハスキーのミックス犬です。大きなポメラニアン、あるいは小さなシベリアン・ハスキーといったサイズ感で、体高は約25~38 cm程度です。ポンスキーとポメラニアンを親犬として交配した場合はさらに小柄になります。
毛色
ポンスキーの毛色には、グレー&ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブルー&ホワイト、ピュアホワイト、ブラウン、タンなどさまざまなバリエーションがあります。ハスキーに特徴的な顔の隈取は、ある場合とない場合の両方があります。
被毛
ポンスキーの被毛は、短毛から長毛までさまざま。ポメラニアンとシベリアン・ハスキーから、オーバーコートとアンダーコートがあるダブルコートの被毛を受け継いでいます。寒さには強いですが、季節の変わり目の換毛期には特に抜け毛が増えます。
ポンスキーの歴史
ポンスキーは、2011年のインターネットの情報がきっかけで誕生しました。フィニッシュ・ラップ・ドッグ(フィンランド原産の犬種)の子犬の画像が「ポメラニアンとシベリアン・ハスキーのミックス犬」としてSNSに投稿され、その愛らしい容姿に魅力を感じた多くの人によって急速に拡散されたのです。それまで存在しなかったポンスキーという犬種を求める声が高まり、熱心なブリーダーがポメラニアンとシベリアン・ハスキーの特徴を受け継ぐデザイナーズドッグの実現に乗り出しました。とはいえ、サイズが違う犬同士の自然交配は危険なので、人工授精によって誕生させることになります。現在はブリーダーをはじめ愛好家が国際ポンスキー協会を設立し、犬種標準を定めて健康な犬を生み出す努力を続けています。
ポンスキーは、大きなポメラニアン、あるいは小さなハスキー
小さくてモフモフしたポンスキーは、フォトジェニックな容姿がSNSで注目されやすく、人気が高まりつつあります。多くのポンスキーはポメラニアンのフワフワの被毛に、シベリアン・ハスキーの毛色と模様が組み合わさった特徴を持っています。小型化を目指してポンスキーとポメラニアンを交配することもあります。日本の犬種登録団体のジャパンケネルクラブでは、ポメラニアンとシベリアン・ハスキーが同じ「スピッツ&プリミティブタイプ」に分類されていますが、サイズや性格に大きな違いがあり、遺伝的にも離れた犬種です。一方の親犬の特徴を強く受け継ぐこともあるため、大きなポメラニアンと小さなシベリアン・ハスキーのどちらになるかは予測できません。その個性も含めてミックス犬の魅力と考えましょう。
ポンスキーの性格
ポンスキーは、活発で愛情深く忠誠心が強い
ポンスキーは遊び好きで活発な一方、家族に優しく愛情深い性格の持ち主です。忠誠心が強く、特定の一人を主人とみなすこともありますが、家族全員と良好な関係を築けるでしょう。しかし、小さな子どもがポンスキーと接するときには、保護者が付き添うことも大切です。
ポンスキーは、頑固で意地っ張りかも
ポメラニアンもシベリアン・ハスキーも頑固で意地っ張りなところがあるため、それらのミックスであるポンスキーもしつけやトレーニングに手こずるかもしれません。犬の飼育経験があり、リーダーシップを発揮できる人に向いている犬種です。
ポンスキーを飼う上でのポイント
ポンスキーの運動
小さくてもエネルギッシュなポンスキーには、毎日の散歩とは別に1時間程度の運動や遊びが必要です。たとえば定期的に貸し切りドッグランに行って家族で遊べば、体力の発散に加えて関係づくりにも役立ちます。室内では知育玩具を取り入れるのも良い方法です。知力と集中力を使って食べ物を得るためのオモチャで、犬の本能を満たす工夫が施されています。
ポンスキーのしつけ
キャンキャン鳴くポメラニアンと、おしゃべりなシベリアン・ハスキーの特徴を併せ持ち、ポンスキーも比較的吠えやすい傾向があります。吠えるたびにかまっていると要求吠えがエスカレートしていき、ご近所トラブルに発展する可能性もあります。子犬のころから落ち着かせるしつけを心がけましょう。ポンスキーは独特の頑固さがあるため、これまでしつけをしたことがない方は、ドッグトレーナーに相談することをおすすめします。
ポンスキーの手入れ
ポメラニアン寄りのポンスキーはやや長毛になり、シベリアン・ハスキー寄りのタイプはやや短毛になります。どちらも一年を通して抜け毛が多い傾向にあり、毎日のブラッシングはポンスキーに必須です。特に春から初夏にかけての換毛期に増えるため、被毛の健康を保つために抜け毛をしっかり取り除くことが重要です。
ポンスキーの健康管理
被毛に加え、ポンスキーの歯の健康管理はとても重要です。ポンスキーは、歯のトラブルが起きやすいため、歯磨きも欠かさず行いましょう。関節疾患や呼吸器疾患のリスクを抱えていることもあるので、日頃からポンスキーの健康チェックを心がけるようにしてください。
ポンスキーとの出会い方(飼う方法)
ポンスキーは、ペットショップで見つけるのが一般的です。もし血統書付きが欲しいという場合はブリーダーから飼うという選択肢もあります。血統書付きの犬同士で繁殖しているので少し値段も高いことが多いです。また、里親になるという選択肢もあります。犬自体の料金はかかりませんが、ワクチンなどの諸経費を支払うこともあります。
ポンスキーが気になる方へ
ポンスキーは、しつけの難しさや毎日のブラッシングが必要になるなど、はじめて犬を飼う人にとっては難しい犬種かもしれません。しかし、ポメラニアンとシベリアン・ハスキーのミックスだからこその魅力的な容姿は唯一無二です。愛情深く、家族と良好な関係を築くことができますので、しつけ、ブラッシングなどの大変な側面も受け入れられるという場合は、新たな家族の一員として検討してみてはいかがでしょうか。
Contributor Bio
金子 志緒
ライター・編集者
初めて迎えた子犬がきっかけでペット雑誌の出版社に勤務。現在はフリーランス。愛玩動物飼養管理士1級と防災士の資格を生かして、動物や防災に関する記事、雑誌、書籍の制作に携わる。パートナーの甲斐犬は初代ジュウザ、2代目サウザー。 しましまブログ:www.shimashimaoffice.work