チャウ・チャウについて

 

フサフサの被毛に困り顔 ドライでクールな中国の代表犬種

 

チャウ・チャウのスタンダード
The Chow Chow Dog Breed

原産国:

中国

用途:

ガード・ドッグ、コンパニオン・ドッグ

サイズ:

体高

オス:48~56cm

メス:46~51cm

被毛は、長毛のラフコートと短毛のスムースコートの2種類があります。ラフコートは長すぎない被毛が豊富で密生しており、ダブルコートの上毛は堅い粗毛で、アンダーコートは柔らかいウーリーなコートです。スムースコートもダブルコートの短毛で、密生しており手触りが滑らかです。

毛色

全体がブラック、レッド、ブルー、フォーン、クリームもしくはホワイトで、しばしばシェードが入っているが、斑(パッチ)やパーティ・カラーは許容されません。(尾の下や大腿の裏は明るい色であることが多い)

 

チャウ・チャウの犬種の歴史

2000年以上の歴史を持つ、中国の犬たちの基礎

中国では2000年以上前から知られていた狩猟犬、および家庭犬です。オオカミたちとDNAが近い犬種のスタートとも言われていますが、チベタンマスティフのように、多少マスティフも含まれていると思われています。

1800年頃まで他国では見られることはなく、18世紀後半にはじめてイギリスに輸入されました。イギリスでは犬好きのビクトリア女王に愛され、家庭犬として、世界中に認知されるようになります。1925年に英国のクラフト展でショーに出陳されるようになると、鼻はよりペチャンコに、毛並みはさらにゴージャスにと、さらなる改良が行われました。

一般外貌

実際よりも大きく感じるのは、気品ある外貌のせい

一見大きく感じますが、実はコンパクトで、カップリング(肋骨から寛骨までの距離)が短いのか特徴です。しかし短いながらもバランスはよく取れています。しっかりした体軀構成をしており、尾が背負われていて立姿が美しく、外貌の印象は、気高く、威厳があります。さらに、自由に動けなければならないため、活動の妨げになったり、暑い気候の中で苦痛を感じたりするほどの量の被毛があってはなりません。青みがかった黒い舌をもつことも特徴の1つです。

チャウ・チャウの性格

気高く、物静かな行動の合間に見せるキュートな行動

基本的にはもの静かで、独立心の強いマイペースな性格です。仏頂面の顔立ちからも、誰にでも愛想をふりまくというタイプでは確かにありませんが、成長する過程できちんとしつけられ飼い主との信頼関係が築ければ、愛情深く接してくれるようになります。

さらに、ライオンの高貴さ、パンダのようなキュートな動き、猫の優雅さと独立性、そして犬の忠誠心と献身さを持っていると言われています。ただし、かつて中国の宮廷で飼われていた品種にふさわしく、威厳があり、ちょっとよそよそしいところもあります。

毎日の暮らし

根気強い訓練で信頼関係を築き、積極的に社会性を身につけさせて。

チャウ・チャウは抱きしめられたりなどの触れあいを好まず、また近くで大騒ぎされたりすることも好みません。飼い主にさえも積極的に愛嬌を振りまくようなことはなく、ドライな性格です。彼らが静かな環境が好きなのは、愛する人たちの気配を感じていたいからかもしれませんが、おとなしくもマイペースで頑固なため、しつけ等のトレーニングには根気強さが必要で、上級者向けの犬種です。しつこくかまわれたり、乱暴な行動に耐える性格ではないので、小さな子供さん等には注意が必要です。ですが、子犬時代に多くの犬や人に出会う機会があれば、その人たちと親しく接することができる犬たちです。動物病院やトリミングサロン等も子犬の時から慣れるように習慣的に通う練習をするとよいでしょう。

舌が青色をしていますが、これは犬種特性です。チャウチャウだけでなく、同様のアジア原産の犬種では青舌の犬たちが、ときおり産まれてきます。また、赤ちゃん時はピンク色をしていても、成長すると青黒くなる犬もいます。いずれも病気ではないので、心配はいりません。

元々、素早く動く犬種ではないので、激しい運動の必要はあまりないのですが、体重管理と健康維持のために、毎日最低でも、朝晩2回程度の散歩はしてください。厚い被毛のために肥満を見落としがちになってしまいますが、重すぎる体重は関節や呼吸器系等へ負担がかかってしまうため要注意です。

気をつけたい病気には、大型犬に発症の多い、股関節形成不全がチャウ・チャウにもみられます。成長期の体重管理には特に注意し、床材なども滑らないように配慮しましょう。

また被毛が厚く、暑さに強くないため夏場の熱中症には注意が必要です。散歩の時間にも配慮し、日中は涼しい室内での飼育が向いているでしょう。

そのほか、皮膚炎にもなりやすいといわれています。被毛が厚く気づきにくいこともあるかもしれませんが、こまめに体をチェックするようにしましょう。さらに、顔の特徴的なシワの構造から、瞼の淵が眼の中に入り込んで眼を傷つけてしまう眼瞼内反等の眼のトラブルも起きやすいとされています。眼の周囲は常に清潔に保ち、異常を感じたら早めに受診しましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

千葉 路子

『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。
ads@ka3.so-net.ne.jp

関連するペットケア情報

ペットケアセンター