パピヨンの特徴、歴史、性格やお手入れについて

 

たくさんの能力を持つ、魅力的な小型犬

 

パピヨンのスタンダード
The Papillon Dog Breed

原産国 : フランス、ベルギー
用途 : 愛玩犬

一般外貌

優美で、豪奢な小型のトイ・スパニエルで、調和の取れたバランスのよい体型をしている。被毛は長く、マズルは適度な長さがあり、頭部よりも短い。性格は活発で、優雅ながらもたくましく気品があり、軽快でエレガントな歩様をする。体長は体高よりも若干長い。

サイズ

体高 28cm以下でなければならない

毛色

白地に茶色や黒が入るのが一般的だが、白地であれば全ての色がスタンダードとして認められる。ボディや脚はホワイトの割合が多いことが好まれる。頭部にはいくぶん幅の広いブレーズ(両目の間から鼻先まで中央を通る白い線のこと)が広がっていることが好ましいとされている。頭部の下部にホワイトのマーキングがあることは許容されるが、ホワイトが大半を占めるのは欠点となる。唇、眼瞼、特に鼻は、全て色素が濃くなければならない。

パピヨンの犬種の歴史

ルネサンス時代のスペインのスパニエル種が起源

多くの犬種の歴史は絵画の中にその起源を見つけることができます。パピヨンも同様にルネサンス期の絵画の中にパピヨンによく似た犬たちが描かれているのを見つけることができます。それらの絵画の背景を調べると、おそらく、原産地はスペイン、イタリア、ベルギーなのではないかと言われています。これらのヨーロッパ諸国の中で、もっとも人気が高まったのはフランスで、宮廷の王侯貴族たちは、競ってパピヨンを求めました。それはパピヨンの持つゴージャスで優雅な雰囲気から、彼らの地位の象徴として、愛されたからでした。ことに有名なのは、フランス国王の王妃マリー・アントワネットで、彼女が処刑された後も、パピヨンたちは、宮殿で暮らし続けていました。

パピヨンの性格

可愛がられるために生まれてきた犬種

長きにわたって貴族たちに愛されてきた歴史と、優雅な顔立ちから、外見だけが目立ってしまいがちですが、明るく賢い能力の持ち主でもあります。持ち前の天真爛漫な明るさと、全身を使っての愛情表現も、飼い主にとってたまらない魅力となっています。さらに、飼い主の心理をみすかす能力にも長けていて、うっかりすると、飼い主がコントロールされることもしばしば。そんなパピヨンだからこそ、小さい頃からのしつけが重要です。利発な犬種ですので、いけないことはしっかりと教え込むことが重要です。それらがしっかりとできれば、ドッグランなどでも問題なく遊ぶことができるでしょう。

また、パピヨンは小さな子どもから高齢者まで、飼い主を選びません。すべての人に対してフレンドリーに接することができる犬種です。

パピヨンとの日常生活

お手入れは、意外と手間いらず。怪我には注意して

シルクのような光沢のある美しい毛並みは、一見、お手入れが大変そうに見えますが、基本的にはシングルコートなので、一般的に抜け毛が少なく、汚れにくく、体臭もほとんどないのが特徴です。また、口元、四肢先の毛が短いので、特別な手入れの必要もありません。さらに基本は立ち耳なので、耳の中が過剰に汚れてしまうこともあまりありません。パッドの裏の毛以外のトリミングの必要もないため、手順さえ覚えれば、飼い主でも簡単にお手入れができます。

愛玩犬としての小型犬が多い中、パピヨンは運動能力でも素晴らしい才能を持っています。最近ではドッグスポーツを楽しむパピヨンも増えていて、優秀な成績をおさめている犬も多くいます。

遺伝的な疾患が少なく丈夫な犬種といわれていますが、その活発な性格と華奢な体つきから骨折や脱臼等の怪我には注意が必要です。無理なジャンプや床ですべらないように工夫したり、体格が違い過ぎる犬達と遊ぶ時等は注意するようにしましょう。

※ 犬種名表記はJKC犬種スタンダードに準じています。

※参考資料

一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ

 

執筆者のプロフィール
千葉 路子

『月刊WAN』編集長、『DOG
FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。

ads@ka3.so-net.ne.jp

関連するペットケア情報

ペットケアセンター