ダルメシアンについて

 

ひときわ目立つ、おしゃれ度ナンバーワンなアスリート犬!

 

ダルメシアンのスタンダード
ダルメシアンのスタンダード

原産国 :

クロアチア・ダルメシア地方

用途 :

伴侶犬、番犬、馬車犬等、様々な目的のための訓練ができます。

サイズ :

全体のバランスが最重要点。

体高 牡 :56~61cm 牝:54~59cm

体重 牡:約27~32kg 牝:約24~29kg

被毛は、短く、堅く、密生しており、艶と光沢があります。

毛色

地色はピュア・ホワイトで、スポット(斑点)の色にはブラック・スポット・バラエティーと呼ばれるブラックのスポット、レバー・スポット・バラエティーと呼ばれるブラウンのスポットがあります。ただし、同一の犬で、ブラックとブラウンが混合されてはなりません。スポットは、丸く、非常に明瞭で、出来るだけまんべんなく分布していることとされています。スポットの直径は2-3㎝です。頭部や尾、四肢のスポットはボディのスポットより小さいのが理想です。

ダルメシアンの犬種の歴史

馬車と並走していた、スタイリッシュな犬たち

ダルメシアンの起源ははっきりとしていません。一般的にジプシーと呼ばれる遊牧民と一緒に旅をしていた、と伝えられていますが、やはり最初に現れた場所は不明です。犬名については、現在のクロアチア、アドリア海の東岸にある州、ダルマシア地方に長く滞在していたことから命名されたといわれています。

ダルメシアンは長い歴史の中でさまざまな仕事で活躍してきましたが、1つの分野に特化することはありませんでした。彼らは、牧羊犬、レトリーブ、サーカス犬、そして乗り合い馬車の番犬としても使用されました。この犬種を題材にした初期の絵としては、1710年頃に描かれたと思われるZaostrog(ダルメシア地方)を描いたフレスコ画があります。この絵画の中にダルメシアンが登場しています。さらに1792年に出版されたトーマス・ベヴィックの書物には、『ダルメシアン、はたまた馬車犬』というタイトルの絵画が描かれています。 最初のダルメシアンのスタンダードは1882年にヴェロ・ショーというイギリス人によって書かれました。このスタンダードは1890年に正式なスタンダードとして認められています。

一般的な外貌

犬では珍しいスポット柄と、ひときわ美しいボディライン

黒または茶色の美しい、人目を引くスポット(斑柄)は、動物界で最も特徴的なコートの1つです。さらにコートの下には、しっかりとしながらも粗野ではない筋肉がつき、優雅でエレガントなボディラインをつくっています。彼らは筋肉質で、馬車と並走していた歴史が物語っているように、長距離走行が可能なバランスのよい体型をしています。とくに強力な後肢によって、他の犬種には見られないスムーズな走行を見せてくれます。

ダルメシアンの性格

ランナーやハイカーにとって、とくに素晴らしいパートナー

元々は馬や馬車を守るために飼育されており、非常に活発で走ることや遊ぶことが大好きです。一方、保護本能も残しており、見知らぬ人や動物には警戒し神経質な一面を見せることがあります。彼らは飼い主や家族には忠実で、明るく、愛情がありますが、控えめで威厳のあるその性格のために、家族と離れて生活をすることもできます。しかし離れていても、決して飼い主を忘れない、信頼できる番犬です。さらに、強力でアクティブなアスリートであり、優れたスタミナを備えています。ランナーやハイカーにとっては素晴らしいパートナーになります。

毎日の暮らし

ディズニーのアニメで世界的に有名になった伴侶犬

ダルメシアンといえば、ディズニーのアニメ『101』で世界的に有名になり、アメリカでは一気に登録頭数が増えて社会問題にもなりました。日本ではそこまでの人気にはならなかったのですが、やはり独特の美しさは街中でも目を魅きます。

アメリカでは1800年代、馬が消防馬車を引いていたときに人々の注目を集めたために、全米各地の消防署では現在も多くのダルメシアンがマスコット犬として活躍しています。

明るく陽気な性格なのですが、家族以外には気を許さないところがありますので、社会性を身につけるトレーニングを幼犬時代からスタートするようにします。 元々が運動量の多い犬種ですので、運動不足が問題行動の引き金になってしまうことがあります。日常的に運動することを心がけてあげましょう。

ダルメシアンは犬で唯一尿酸をうまく代謝することができない体質をもっています。そのため尿石症になりやすいとされています。排尿の様子は常に注意し、尿が濃くならないようにできるだけ飲水量を増やすように工夫しましょう。定期的に尿検査を受けることもよいでしょう。 また、先天的に視覚や聴覚が失われてしまう、難聴あるいは青い目をもつ個体が一定数存在することがわかっています。残念ながら治療することはできませんが、繁殖に用いない等、このような個体を増やさないようにすることが大切です。 そのほか、遺伝性の疾患が挙げられています。前記の高尿酸尿症(HUU)や、変性性脊髄症(DM)といった疾患については検査ができますので、獣医師とよく相談し病気について充分に理解をした上で検査を受けるのもいいかもしれません。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

千葉 路子 『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。 ads@ka3.so-net.ne.jp

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