1. ボクサーの特徴
■体高:
オス: 57~63cm
メス: 53~59cm
■体重
オス: 30kg以上(体高約60cmに対して)
メス: 約25kg(体高約56cmに対して)
■繁殖目的
猟犬(獲物を捕らえて、猟師が来るまでにしっかりと確保する役割)、警備犬
■寿命
10〜12歳
■クラブ認証
JKC(ジャパン ケネルクラブ)分類:コンパニオン、警備犬及び作業犬
■被毛
長さ:短毛
特性:堅く光沢があり、体に密着している
毛色:フォーンまたはブリンドル。白い模様がはいることもある。ブラックマスク(前顔部又は吻部分の黒いもの)が必須
被毛のお手入れ:しやすい
■その他の特徴
よだれ:多い
いびきや呼吸音:個体による
吠えやすさ:吠えにくいとされる(警戒時には吠える)
穴掘り:しにくい
社会的/愛情欲求:高い
認知度、飼育率など:日本では珍しい種類でしょう
運動量:活動性が非常に高く、運動が大好きです。少なくとも40分以上の散歩や運動時間を確保する必要があります。運動要求が満たされないと、ストレスによって指示に従ってくれなくなることもあります。
たくましい風貌ながらも、可愛らしく愛嬌のある顔立ちのボクサー。海外では以前から人気のある犬種でしたが、その穏やかで落ち着いた性格や、飼い主に従順なところからも、日本でも近頃はよく知られるようになってきているのではないでしょうか。とはいっても、なかなか実際に触れ合う機会は少ないかもしれませんね。そんなボクサーという犬種についてご紹介します。
・一般外貌
ボクサーは成犬で、オスは体高が57~63cm、体重30kg以上、メスでも53〜59cmで体重が約25kgにまでなりますので、日本では大型の犬種に入ります。
ボクサーという名前の由来は諸説あって、いわゆるボクシングのボクサーから来ているとは限らないようですが、名前から印象を受ける"強そう"なイメージに近い体格と言えるでしょう。
ボクサーの頭部はできるだけほっそりとし、角張っていることが求められます。また、頭部と胴体とのバランスが適切であることが重要視されます。下顎が出ているアンダーショットがスタンダードであり、マズルはできるだけ幅広いことが求められ、マズルの長さと、頭蓋骨(スカル)の長さの割合も細かく定められています。頭蓋骨に対して鼻の長さが短い、いわゆる短頭種に分類されます。マズル(口吻)が幅広く上向きの鼻をもつのが特徴です。
胸部は広くて深い半面、腰背部は比較的短く、筋肉質でがっしりしています。引き締まった体格が、頼りがいのある風格を感じさせてくれます。
ボクサーの耳は元来垂れ耳ですが、断耳されるケースもあります。断耳している場合にはピンと立っています。足は小さく、爪先はアーチ状です。
ボクサーの被毛は短毛なので、お手入れは比較的しやすいですが、かといって抜け毛の量が少ないわけではありません。短毛種に合ったブラシを使って、定期的なブラッシングは怠らないようにしましょう。毛色はフォーン(やや明るいブラウン)またはブリンドル(虎の縞模様のようなパターン)が基本で、顔面や口周りに黒い部分のあるブラックマスクであることが定められています。顔面や胸、足先などに白が入っているボクサーが多いようです。
2. ボクサーの性格
ボクサーの祖先となる犬たちは、指示があるまで獲物を捕らえてしっかりと確保する役割を求められました。そのため、飼い主に忠実で、指示をよく理解する賢さや、穏やかで安定した気質を持ちながらも、運動能力が高く作業に適した個体が代々繁殖に用いられてきました。このような気質や能力が、今日のボクサーの基本的な性格を形成しているのでしょう。飼い主と一緒にいることを好み、家族に対しては無邪気で遊び好きですが、見知らぬ人やものに対しては警戒を怠らず、家族を守るための勇敢さを持っています。
オスとメスでも性格に違いがあり、オスは比較的やんちゃでいつまでも子供っぽい性格が比較的多いと言われているので、犬とアクティブに過ごしたい方にはオススメです。一方メスは大人っぽくマイペースな子が多いとされています。よって犬を飼うのが初めての方や犬とのんびり過ごしたい方には適していると言えます。
普段、ボクサーが吠えることはあまりありません。ただし、防衛本能から何か怪しいと感じたりしたときには、吠えることもあります。ボクサーが吠えるときには、それなりの理由があるはずだと思って、接してあげてください。
3. ボクサーと暮らす
ボクサーにはしっかり遊びの相手をしてあげて、十分に運動させることが必要です。こうした欲求が満たされないと、留守番のときに破壊的な行動をとるなど、人間と暮らす上で望ましくない行動をとることがあります。飼い主と一緒にいることが好きなので、いつも一緒に過ごしてくれる犬が欲しい人や、いつも誰かが家にいる、あるいは賑やかな大家族にとっては、ボクサーは理想的です。穏やかな性格ですが、それでも力は強いので、しっかりとしつけを行うこと、そして犬をコントロールできる体力と技術が必要です。
ボクサーはほかの短頭種と同様、暑さに弱いので温度管理には十分注意しましょう。熱中症に注意する必要があります。さらに、短毛のため、寒さにも強くありません。季節による温度管理に注意しましょう。一方で、被毛の手入れは他の犬種に比べるととても簡単です。月に1-2回程度のシャンプーに、定期的なグルーミングミトンやゴムブラシでブラッシングしてあげましょう。また、ボクサーは皮膚炎にかかりやすい犬種と言われています。もしも、体を掻いたり、なめたり、皮膚に赤みや脱毛がある場合は皮膚炎を疑う必要があります。日頃からチェックしてあげましょう。
顔のシワや口周りは汚れがたまりやすいのでこまめにケアしてあげるとよいでしょう。顔にあるしわとしわの間というのは、通気が良くなく、細菌が繁殖しやすいことから、これも皮膚炎になりやすい原因となります。
ボクサーの中には、よだれが多かったり、鼻を鳴らしたり、いびきをかく個体もいます。もともとの体の構造によるものの場合が多いですが、これらが急に目立つようになったりした場合には、獣医師に状態を確認してもらいましょう。寿命については、その他の大型犬と同様に10~12歳程度といわれています。
4. ボクサーの歴史
ボクサーは、ブレンバイサー(牛噛み犬)と呼ばれる小型の猟犬に、マスティフやブルドッグを掛け合わせた犬が祖先といわれ、その後グレート・デンやテリアとも交配して作出されたものと推測されています。ブレインバイサーは、別のハウンド系の猟犬が追い詰めた獲物を、猟師が来るまでしっかりと押さえつけて確保しておく役割を担い、力もさることながら顎の力が強く発達したマズルを持ち、くわえたままでも呼吸ができるような鼻を持つような特徴を持つ犬が好まれたようです。その後、狩猟文化が衰退すると、このような犬たちは食肉処理場で牛を管理する家畜商の家畜を監視する役割を与えられるようになります。そして、19世紀以降さらに改良がなされ、ボクサーの起源となる犬がドイツで作出されました。ボクサーという名前について、ドイツ語で食肉処理場を意味するboxlから名付けられたとする犬種史の研究者もいますし、その前肢を使う特徴的な遊び方が人のボクサーのスパーリングにそっくりであることに由来する、と主張する愛好家もいます。米国には、20世紀初頭に輸入され、第二次世界大戦でも軍用犬として活躍したようです。終戦後の1940年以降、これらの軍用犬が家庭でペットとして飼育されたり、ショードッグ、あるいは警護犬として活躍するようになり、ボクサーはアメリカでもっとも人気のある犬種の一つとなりました。
いかがでしたか?ボクサーは海外ではいわゆるワーキングドッグで、警察犬のほか、盲導犬としても活躍しています。日本でもボクサーは警察犬として認められている犬種です。日本ではなかなか実際にみかけることは少ない犬種かもしれませんが、その力強くもエレガントなたたずまいと、愛嬌のある顔立ちに穏やかで信頼できる性格は、愛好家にはたまらない魅力となっています。
5. ボクサーにおすすめのペットフードは?
皮膚炎になりやすいボクサー。ビタミンEとオメガ6脂肪酸が配合され、健康な皮膚と美しい被毛をサポートするこちらがおすすめです。
ヒルズ サイエンス・ダイエット アダルト1~6歳 中粒 成犬用 チキン
また、私たちを取り巻く環境には、ノミ、花粉、更には家のほこりなど、アレルゲンとなるものが様々存在しています。ポリフェノール(ローズマリー、クローブ油、ウコン抽出物等に含まれる)と卵等を含有し、健やかな皮膚を保つことにより環境アレルゲンによる反応に配慮した療法食のこちらのも合わせてお試しください。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 ダーム ディフェンス ドライ
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高橋智司
編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター、獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社