ボーダー・コリーについて

 

とにかく賢く、運動神経も抜群!

 

ボーダー・コリーのスタンダード
ボーダー・コリーのスタンダード

原産国:

イギリス

用途:

牧羊犬

サイズ:

牡:53cm 

牝:53cmより僅かに低い。

被毛は、長毛とスムースの2つのバラエティーがあります。どちらもダブルコートで、トップコートは密で手触りが滑らかです。

毛色

様々な毛色が認められています。ただしホワイトが優勢であるのは好ましくありません。

 

ボーダー・コリーの犬種の歴史

作業能力の高さが、犬種の発見に

イギリス原産の牧羊犬の中で、もっとも作業能力が高いといわれるボーダー・コリーですが、近縁のラフ・コリーほど優雅なスタイルや秀でた顔貌を持ち合わせていなかったため、純粋種としての認定が遅く、近年までイギリスでも公認されていませんでした。FCI(国際畜犬連盟)で公認されたのも1987年のことでした。

祖先といわれる犬たちは、8世紀後半から11世紀にかけてスカンジナビア半島を中心に活躍していたバイキングが、英国に持ち込んだトナカイ用の牧畜犬といわれています。その後、土着の牧羊犬やラフ・コリーの祖先犬と交雑し、19世紀末頃にはほぼ現在のタイプとなっていきました。ラフ・コリーなどが ショー・ドッグの道を選択したのに対し、ボーダー・コリーは作業能力のみが重視されたため、牧場で実働犬として活躍していました。都市での生活や国外に知られる機会が少なかったのです。

ショーでは、従来はそのいわゆるスタイル、見た目が重要視され評価されていましたが、作業能力を見るワーキング・トライアルや、犬がいかに協力的に制御可能な行動を起こすことができるかを見るオビディエンス・トライアルが実施されるようになって、ボーダー・コリーが見直され、晴れて公認犬種となりました。

ボーダーとは、国境、県境という意味ですが、イングランドから見るとスコットランドは辺境であり、辺境の牧羊犬という意味がその名前にこめられています。

一般外貌

作業犬としてバランスの取れた完璧ボディ。個性の違いも魅力の1つ

均整のとれた滑らかなスタイルで、スマートでバランスがとれています。体つきはしっかりしており作業をこなすための耐久力を備えている印象を与えます。作業能力が優先されるので、粗野な性格、痩せていると評価が低くなります。流れるように走るその姿はしなやかで力強く、爽快な美しさに目を奪われます。
被毛のパターンや色、長さに様々な組み合わせがあるので、1頭1頭の個性があり同じ犬種でも雰囲気が違って見えることがあります。

ボーダー・コリーの性格

明るく賢い、根っからのお仕事好き。

牧羊犬としての能力である、外敵から守るための鋭敏な感覚と注意深い警戒心をもっていますが、穏やかな性格で神経質だったり、攻撃的なところはありません。非常に賢く聡明で、自ら考えて行動する判断力があり責任感もあります。作業に対する意欲が高く、それに耐えうる高い運動能力とタフさを兼ね備えています。家族や飼い主には従順ですが、その賢さゆえか他人やほかの犬(とくにボーダー・コリー以外)にはあまり興味を示さないというようなところがあります。

毎日の暮らし

愛犬と一緒に、楽しみながらトレーニング!!

『もっとも頭が良い犬』といわれるボーダー・コリー。動物行動学者や多くの訓練士たちが、その利発さを証明しています。頭がいいから誰にでも簡単にトレーニングができそうな気がしてしまいますが、実はまったく逆です。飼い主は犬以上に賢い行動をしなければなりません。何もトレーニングしないでいると、「従わなくてもいい人」と思われてしまったり、一貫性のない指示をすると犬が混乱し、かえって言うことを聞かなくなるということもあります。、そのために、この犬種の飼い主はドッグ・スポーツや訓練競技会などにチャレンジして、愛犬の能力を伸ばすとともに、飼い主自身もトレーニングスキルを日夜磨いているという方が多くいらっしゃいます。

この犬種には遺伝的な疾患がいくつか見つかっています。遺伝性疾患として有名なのは、神経疾患と考えられているCL症(セロイドリポフスチン症)ですが、発症犬を繁殖ラインから外すことによって、発症例は少なくなってきています。そのほかにもコリー犬種でみられる眼病、コリー眼異常、進行性網膜萎縮なども代表的な病気として挙げられています。

ほかに、股関節の形成不全症や肘関節異形成のような関節疾患が挙げられます。これらは先天的なものではありますが、外傷や肥満によって悪化することもあります。いずれにしても普段から犬をよく観察し、異常を感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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