グレート・ピレニーズについて

 

思わず目を奪われる!モフモフ&超ビッグな圧倒的存在感

 

グレート・ピレニーズのスタンダード
グレート・ピレニーズのスタンダード

原産国 :

フランス

用途 :

山地での家畜の群れの警護

サイズ :

牡 :70~80cm

牝:65~75cm

サイズは2cmまでのオーバーは許容されます。

被毛は、豊富で厚く、密集した下毛と長い上毛のダブルコートです。

毛色

白がよく知られていますが、グレー(アナグマの毛色)、薄いイエロー、ウルフカラー、オレンジ色の斑が頭部、耳、尾の付け根にある白などのバリエーションが認められています。アナグマ色のパッチはたいへん好ましい、とされています。ボディにいくつかの斑が見られる場合もあります。

グレート・ピレニーズの犬種の歴史

マリー・アントワネットも守った由緒ある護衛犬

遥か昔からフランスとスペインの国境にあるピレネー山地に棲息し、家畜や家族を守っていたといわれる歴史の長い犬種です。中世には宮廷の番犬の番犬として活躍していたと、14世紀の書籍に記されています。17世紀には伴侶犬として、さまざまな貴族に愛され、ルイ14世も飼育していました。ルイ16世の妃であるマリー・アントワネットは護衛犬として、この犬種をそばに置いていました。

1897年には早くも詳細が記され、さらにその10年後には最初のブリード・クラブがフランスで設立されています。その後1923年にフランス中央畜犬協会に対して公式スタンダードが登録申請され、それが現在のスタンダードの基礎になっています。

一般外貌

貴族に愛された優雅な動きと外貌

巨大で、堂々として、頑丈な体躯をしています。しかし、外貌、行動ともに、粗野ではなく、優雅なところが特徴です。

グレート・ピレニーズの性格

家族を守るために、あふれる忠誠心

穏やかで優しい性格をしている犬種です。ただし、本来の役割である護衛犬としての能力を重要視され、繁殖されてきた背景から、警護犬の気質ももっています。護衛するものに対する意識が強く、周囲で起こっていることのすべてを観察しています。彼らは自分の家族のメンバーには優しくて愛情深いのですが、見知らぬ人や他の動物にはそれほど寛容ではありません。慣れない人や動物に対しても恐れを見せることのないように、子犬時代から様々な経験を多くさせることを心がけましょう。彼らは家族と信じる人々を保護するための努力は惜しみません。この忠誠心こそが、重要な特徴なのです。 なお、独立心が強く自分で考えて行動するところもあり、頑固な性格だといわれることもあります。

毎日の暮らし

健全な心身を養うためには、適度な運動が必要

健全な体調を維持するためには、重量犬といえども、毎日の運動が欠かせません。元々、ピレネー山脈の急な斜面を歩いていましたので、強さと機敏性を兼ね備えた運動が必要です。とはいっても、日本ではそのような運動ができる場所は限られています。日常的の散歩コースにできるだけ似たような場所を加えてみましょう。犬種の歴史的には、寒い日や雪の中でハイキングが好みですが、高温多湿の日本ではうまくいきません。気温の高い日は、エアコンを効かせた室内で過ごさせた方がいいかもしれません。

耐候性のあるダブルコートは、密度の高いアンダーコートと長くて平らな粗いトップコートで構成されています。そのため換毛期の抜け毛はかなりの量になります。抜け毛が室内に飛び散らないようにするためには、毎日のブラッシングは欠かさず行わなければなりません。また、この犬種には後ろ足に「狼爪」があります。月に1〜2回程度、忘れずに爪切りをしましょう。

気をつけたい病気としては、重量犬、大型犬に見られることの多い股関節形成不全、肘関節形成不全、胃捻転や熱中症がグレート・ピレニーズにも挙げられます。いずれにしても早期発見に努め、肥満に注意をする、床を滑らないようにする、室温を快適に保つ、食後の運動を避けるといった環境を整えることが大切です。また、骨肉腫や心臓疾患等の病気もあるため、定期的な健康診断を欠かさずに行うようにしましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

千葉 路子 『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。 ads@ka3.so-net.ne.jp

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