フラットコーテッド・レトリーバーについて

 

しっぽフリフリ!いつまでも陽気で無邪気なハイテンション

 

フラットコーテッド・レトリーバーのスタンダード
ダルメシアンのスタンダード

原産国 :

イギリス

用途 :

ガン・ドッグ

サイズ :

理想体高 牡 :59~61.5cm 牝:56.5~59cm

理想体高 牡:27~36kg 牝:25~32kg

被毛は、ダブルコートで中位の長さで光沢があって豊富です。フラット(直毛)で寝ているのが理想ですが、わずかにウェーブがかかっていても許されます。脚と尾には豊富な飾り毛があります。

毛色

ブラックまたはレバーに限られます。

フラットコーテッド・レトリーバーの犬種の歴史

まっすぐな直毛が犬種名になった、比較的新しい犬種

犬種としての歴史がスタートしたのは、1800年代の半ばで、それほど古くはありません。しかし展覧会に出陳されたのは早く、1860年にはバーミンガム・ショーに参加しています。当時はウェービー・コーテッドと呼ばれ、ウェーブがかった毛(波状毛)をしていて、体形的にもラブラドールとの差があまりありませんでした。しかし、その後改良が進められ、徐々に波状の毛が平滑毛(フラット、直毛)に変わったことによって、フラット・コーテッドと呼ばれるようになったのです。 祖先となった犬たちは、かつてニューファンドランド島にいた、絶滅した小型のニューファンドランド、セント・ジョンズ犬といわれていますが、ラブラドールとカーリーコーテッドが基礎になった、という説もあります。

当初は番犬として考えられていましたが、嗅覚がすぐれていたことから猟犬としての繁殖がスタートしました。その際、重すぎる体重やバランスの改良がはかられ、犬種的な完成度が高められたのです。1864年の展覧会からは他のレトリーバーたちと区別されるようになっています。 セント・ジョンズ犬は優れたウォータードッグで、その血筋を引いているせいか、彼らも水中における鴨の運搬の能力が優れています。さらに陸上でも獲物の回収犬として高い能力を発揮しています。

一般外貌

筋肉質な体躯とコンパクトなボディがベストマッチ

ボディは、他のレトリーバーより細身ですが、胸は深く、背は短めです。尾は短くまっすぐで、やや垂れて優雅に保持しており、背上にかかげることはありません。前肢はまっすぐで長く、後肢は筋肉に富んでいます。さらに頭部は長めで、平らな頭頂部を持っており、他のレトリーバーに比べて独特の顔貌をしています。

フラットコーテッド・レトリーバーの性格

作業が大好き、芯からのワーキングドッグ

非常に陽気で優しく友好的であり、子供や他の犬と遊ぶことを好みます。作業意欲が高く、協調性も高いため、家庭犬やドッグスポーツに向いています。運動量が多く、しかも無邪気でハイテンションになりやすいところがあるので、そのような性格を楽しめるタイプの方にはぴったりな犬種でしょう。

毎日の暮らし

賢い犬種だからこそ、高度なトレーニングがおすすめ

とにかく陽気でフレンドリーな性格です。むしろ相手を選ばず悪気なくテンション高めで近づいたりすることがあるので、他の犬や小さな子供、お年寄りには注意が必要です。しつけの飲み込みもとても早く賢い犬たちですが、3歳になるくらいまでは特にやんちゃで、犬の初心者のみなさんには、しつけはちょっと大変かもしれません。

その血統から泳ぐ事が得意で、さらにセター種の血も引いているので、嗅覚も優れています。また柔らかく咬むソフトマウスを習得することもできますので、欧米で猟犬としての評価が高いのは、このスキルのおかげといえるでしょう。この技術は遊びながら身に付けていくもので、飼い主と川や野原でキャッチボールをしながら習得していきます。ソフトマウスのスキルは、猟だけなく、水難救助や物品捜索などでも役立ちます。いつもの散歩に加えて、このような遊びや水遊びできる機会を設けてあげるとよいでしょう。

人間とのかかわりが大好きで、いつも飼い主や家族のそばにいたいタイプのため、留守番が苦手な傾向があります。子犬のときから、少しずつひとり遊びや短い時間のお留守番を練習するようにします。

ダブルコートで抜け毛は多少ありますが、直毛で絡みにくいのでそこまでお手入れは大変ではありません。定期的なブラッシングとシャンプーで皮膚の健康状態を確認しましょう。

気をつけたい病気としては、股関節形成不全や遺伝性の眼の疾患が認められています。いずれの病気もブリーダーによっては、遺伝子検査を行い、クリアランスの証明書を発行しています。また、レトリーバー種は悪性腫瘍の発生が他犬種よりも多いとされています。定期的な健康診断を受けるようにしましょう。 さらに一般的な疾病として挙げられているのは、胃拡張捻転症候群です。この病気はこの犬種に限られたわけではありませんが、胸が深いため、他犬種より多く発症するようです。

また病気ではないですが、この犬種は好奇心旺盛で興味のあるものはなんでも飛びついてしまうところがあり、異物誤飲の事故が多いとも言われています。飲み込めるような小さいものは犬の届かないところに片付け、おもちゃなどがなくなっていないか、常に確認するようにしましょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

千葉 路子 『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。 ads@ka3.so-net.ne.jp

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