ボルゾイについて

 

優美で高貴!ロシアの皇帝や文豪に愛された犬

 

ボルゾイのスタンダード
The Borzoi Dog Breed

原産国:

ロシア

用途:

ハンティング・サイトハウンド、レーシング・ハウンド、コーシング・ハウンド

サイズ:体高

オス:75~85cm

メス:68~78cm

体高は尻の最高点から地面までの長さと等しい。オスはわずかに高いこともある。上限を越えている場合もよいタイプであれば許容される。

被毛 

柔らかくしなやかなシルキーの被毛が特徴です。ボディの毛は特に長くウェーブがかかっています。肩や尻がカールになり、胸の横や太ももが短く、前足の後ろや尾の飾り毛が長く伸びています。頭部、耳、足の毛は短くてサテンのようなつやがあります。

毛色

ブルーとブラウン(チョコレート)を除いたあらゆる毛色や色調の組み合わせが許容されています。飾り毛は地の色よりもかなり明るい毛色です。

 

ボルゾイの犬種の歴史

ロシアの文化と歴史に重要な役割を担ってきた

祖先は昔から現在のロシアの周辺にいた猟犬です。記録に残っている11世紀のフランスの年代記によると、キエフ大公の娘がフランス国王に嫁ぐ際、3頭の犬を連れ来たと記録されています。当初はウサギ狩りの猟犬でしたが、中世からオオカミ狩りに用いられていられるようになり、大型化していったと考えられています。

昔からロシアの文化と歴史に深く関わってきて、中世にはイワン雷帝やピョートル大帝に、近代では文豪のトルストイに愛されたことで知られています。かつて「ロシアン・ウルフハウンド」と呼ばれていましたが、1936年に「素早い」を意味するボルゾイと改名されました。

一般外貌

高貴な体格と美しい動きが調和している

皇帝や詩人を惹きつけるほど美しく高貴な容姿が特長です。引き締まった筋肉質なボディと丈夫な骨格を備えていますが、重量感があるわけではありません。名前のとおり素早く、躍動感のある走りを見せてくれます。体格と動きが調和していることが重視される犬種です。

ボルゾイの性格

温厚だが、視界に入るものに興奮することもある

穏やかでやさしく、家庭犬として日常生活を送れるバランスのとれた性格です。サイト(視覚)ハウンドに属するボルゾイはかなり遠くまで見渡すことができるうえ、獲物のような存在を見つけると突然興奮することも。観察力が鋭く、繊細な一面をもっていることを理解してあげましょう。

毎日のくらし

全力で走れる機会をつくり、やさしい性格を伸ばしすしつけを

流線型の体つきからわかるように、獲物を追って走るために生み出された犬種です。走るスピードは大型犬屈指で、時速50kmを超えるともいわれるほど。走りたい欲求をもっているので、毎日の散歩に加えて、庭やドッグランなどで走る機会を頻繁につくることが大切でしょう。ドッグスポーツにチャレンジするのも良い方法です。美しくダイナミックな走りに魅力を感じる飼い主さんに向いている犬種です。

狩猟本能が強い傾向があるので、狩りの動作を取り入れたボール投げや引っ張りっこ遊びを楽しむのも良い方法です。室内で遊ぶときには滑りにくい床材を敷きましょう。

温厚な性格をほめて伸ばすようなしつけを心がけましょう。動くものに対して急に興奮しやすいため、マテの号令とクールダウンの習慣をしっかり教えることが重要です。叱ってやめさせるのではなく、ボルゾイの性格を理解したうえで根気強く教えます。とっさに走り出したときに備えて、飼い主さんがコントロールできる技術も身につけておくと安心です。

物音や気配を気にしてしまう繊細さをもっているので、社会化トレーニングで慣れさせると共に、落ち着いて休める環境を整えましょう。

シルキーな被毛を美しく保つためには、毎日のブラッシングが有効です。飾り毛に汚れがつきやすいのでこまめに拭き取りましょう。月1回程度のシャンプーも必要です。もし自宅で洗う場合、風呂場で滑って関節を痛めないように気をつけること。十分に洗ったり乾かしたりするのが難しい場合は、トリミングサロンに頼みましょう。

大型犬の中でも胸部が深い(縦に大きい)ボルゾイは、胃捻転に注意が必要です。食事や飲水の後は、少なくとも1時間程度運動を避けたほうが無難。知育玩具(食べ物を中に入れられるおもちゃ)を使えば早食いを防ぐことができ、頭を使いながら食事を長く楽しめるので一石二鳥です。

ボルゾイは外耳炎や皮膚炎の心配もあるため、皮膚トラブルのケアを目的としたドッグフードを検討してもよいでしょう。

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より

Contributor Bio

金子 志緒

金子 志緒

ライター・編集者
初めて迎えた子犬がきっかけでペット雑誌の出版社に勤務。現在はフリーランス。愛玩動物飼養管理士1級と防災士の資格を生かして、動物や防災に関する記事、雑誌、書籍の制作に携わる。パートナーの甲斐犬は初代ジュウザ、2代目サウザー。 しましまブログ:www.shimashimaoffice.work

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