日本スピッツについて

 

努力を重ねた品種改良で、皆に愛される家庭犬に

 

日本スピッツのスタンダード
The Finnish Spitz Dog Breed

 

原産国:

日本

用途:

家庭犬

サイズ:

体高 牡: 30~38cm 牝は牡よりやや小さい。

毛色:

純白

日本スピッツの犬種の歴史

ホワイトのジャーマン・スピッツ?

日本での起源は1920年頃にシベリア大陸を経由し、中国東北地方から日本に渡来した中型の白いジャーマン・スピッツであると言われています。ジャーマン・スピッツは大きさによってバラエティがあり、その中型スピッツが日本スピッツの基礎といわれています。 1921年頃、東京で開催された展覧会に初めて出陳されています。その後1925年にカナダから2組の白いスピッツが輸入され、さらに1936年頃までカナダ、アメリカ、オーストラリア、中国の各大陸から輸入された、犬たちの子孫によって改良繁殖が行われました。 第2次世界大戦後、1948年にジャパン・ケネル・クラブにより統一されたスタンダードが確立され、今日に至っています。
 

一般外貌

スピッツのスタイルを引き継ぐ、上品なボディバランス

豊富な純白の被毛に覆われ、尖ったマズル、三角形の立ち耳、ふさふさとした尾を背負っています。体質は強固で全体的なバランスがよく、その調和美はこの犬種独特な気迫と品位となって優美さを表現しています。
 

日本スピッツの性格

ブリーダーの努力が実って、素晴らしい家庭犬に

明朗かつ利口で、感覚は鋭い。喧騒であってはなりません。 熱心なブリーダーの努力により、かつての警戒心が強く吠えやすい性質から、現在では温和で飼いやすい性格の犬が増えています。
 

毎日のくらし

美しい純白のダブルコートは、日本人の憧れ

犬種名から、純然たる日本犬と思いがちですが、ドイツ原産のジャーマン・スピッツを起源としています。また、サモエドが起源、という説もありますが、サモエドも北方スピッツの仲間ですので、ルーツは一緒といえるでしょう。

日本ではその愛くるしさから戦後間もなく大ブームとなりました。当時の日本は治安が悪く、犬を飼う=番犬として愛されたのです。当時は室外飼育が主流ですし、飼い主の犬に対する知識や理解は今とは比較にならないほど不足していたため、"鳴き声がうるさい"ということで、一瞬でそのブームも終わってしまいました。今でもよく吠える、というイメージを持った人がいますが、その後はブリーダーの努力によって丁寧な繁殖が行われ、神経質な部分や警戒心が強く吠えやすい性質等の欠点がカバーされて、現代のスピッツたちは吠えることなく、とても穏やかな性格をしています。 飼い主や家族への愛着が強く従順な一方で、家族以外の人にはそっけなく人見知りしたり、神経質な一面を見せることもあります。子犬時代からさまざまな場所に連れていき、いろいろな経験をさせることは、社会性のある成犬に育つために大切なことです。

日本人が大好きな、同じジャーマン・スピッツの仲間であるポメラニアンと同じ披毛は、美しい毛並みの維持のためにこまめで丁寧なブラッシングが必須です。ブラッシングが嫌にならないように、ごほうびを上手につかって習慣にできるようにしましょう。

健康的な犬種ですが、皮膚が敏感な子や他の小型犬にも多い膝蓋骨脱臼が見られることがあります。いずれの病気も早く発見することで対処しやすかったり悪化しないように対策を立てたりすることができますから、日々の体調のチェックはもちろん、気になることがあれば獣医師に相談するようにしましょう。
 

※参考資料 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 犬種標準より
 

千葉 路子 『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長など、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は老犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究しています。ads@ka3.so-net.ne.jp

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