ロシアン・ブルー – 特徴と性格

知的で愛情深いペットを探しているのなら、ロシアン・ブルーが最高の家族になるでしょう。

ロシアン・ブルー 早わかりガイド
Gray cat with green eyes on a cat bed

眼の色:

子猫はイエローにグリーンの縁取り、成長するにつれ鮮やかなグリーンになります。

 

知っておくこと:

毛質:

長さ: ショート
特徴: 直毛、ダブルコートで、ビロードのように滑らか
毛色: 上毛はダークグレーにシルバーのティッピング(毛先に色がついている)
模様: なし。子猫にはうっすらとゴースト・タビーとよばれる縞模様が見られることがありますが、成長するとなくなります。

 

クラブ認定:

猫協会認定:

CFA(キャット・ファンシアーズ・アソシエーション)、TICA(国際猫協会)

 


Russian Blue cat in a white room lying on a shelf

ロシアン・ブルーはとても厚く柔らかいダブルコートをしているため、実際よりも大きく見えます。抜け毛が他の猫に比べて少なく、さらにアレルゲンとして知られる糖タンパク質Fel d1の産生量も他の品種と比べて少ないため、アレルギーの人には比較的飼育しやすい猫といえます。

ロシアン・ブルーは三角形の頭を持ち、長くスレンダーな体型をしています。骨は細く、大きな耳を持ち、広い額とまっすぐに通った鼻筋は威風堂々とした風情を与えています。「ロシアンスマイル」と呼ばれる、微笑んだような表情でも知られています。豪華なシルバーのような被毛はもちろんのこと、鮮やかなグリーンの瞳が何にもまして特徴的です。

ロシアン・ブルーはスリムながら非常に丈夫です。筋肉質の体型で、首や肩を覆う分厚い被毛が体格をさらに頑丈そうに見せています。長い脚で非常に早く走ることができます。

 

性格:

ロシアン・ブルーは、愛情深い性格で、飼い主のあとをどこでも付いて回る忠実な猫です。帰宅した時に玄関で出迎えてくれることさえあります。家族のうちとくに一人だけを選んで愛着を示す傾向があります。とはいえ、愛情は家族全員に示してくれます。ただし見返りを期待します。

飼い主と一緒に遊ぶことも好きですが、独りで過ごすことも好みます。寝床には静かで誰にも邪魔されない隠れた場所を選びます。飼い主が仕事で1日中いなくてもあまり気にすることはありませんが、家にいるときはたくさん遊んであげる必要があります。用心深い性格から来客は苦手で、大勢の人が集まっているときは隠れてしまうこともあります。

飼育上の注意:

ロシアン・ブルーは非常に知的な動物で、心身両面の刺激を必要とします。そのため、常におもちゃ等を準備しておくことが望ましいです。狩りの習性も強く残っており、羽のついた猫じゃらしは最高のおもちゃになります。おもちゃは猫の手の届かないところにしまいましょう。そうしないと、おもちゃをズタズタに引き裂いたり、羽や糸を飲み込んで、消化管や健康を害することがあります。

衛生管理に気をつけてさえいれば、ロシアン・ブルーは特別な被毛のケアや管理をほとんど必要としません。家に迎えたら、歯をきれいで清潔な状態に保つための猫用の歯ブラシや歯磨き粉、なめらかで美しいダブルコートを維持する中くらいの目のコームなど、いくつかの道具を揃えて猫が快適に暮らせるようにする必要があります。この品種に大切なもう一つの情報は、食べることが大好きなため、食べ過ぎに気をつける必要があるということです。1日に何度か食事のおねだりをすることがありますが、決められた時間にきちんと計量した食事を与えるようにし、おやつはほどほどにしましょう。

ロシアン・ブルーは物静かであまり鳴かないことで知られています。飼い主と遊びたい時、食事が欲しい時、甘えたい時等なんらかの要求があるときに鳴いてコミュニケーションを取ろうとします。観察力があり、粘り強いため、自分の要求に応えてくれるまで諦めません。食事時間の変更や見知らぬ人の来訪など、環境の変化には弱く、必ず文句をいってくるでしょう。日常的に会話を交わしてあげると前向きな反応を示します。つまり、ロシアン・ブルーと暮らすということは、飼い主が本当の意味で一人になる時間はないということになります。

Russian Blue cat with big green eyes in profile

歴史:

このたぐいまれな品種についての情報はあまり多くはありません。一般的にはロシア北部のアルハンゲル島が原産と考えられています。キャット・ファンシアーズ・アソシエーション(CFA)によると、ロシアン・ブルーはロシア皇帝が飼っていた猫の子孫だという噂もあるそうです。ロシア北部原産説が正しいとすると、おそらく1860年代中頃に海路でイギリスや北欧に伝わったのではないかと考えられます。ただし、ロシアン・ブルーの正式な記録は19世紀になるまでありません。

CFAによると、ロシアン・ブルーが最初に歴史に登場したのは1875年で、ロンドンのクリスタル・パレスで行われたキャットショーにおいて「アークエンジェルキャット」として堂々たる出場をしたときでした。クリスタル・パレスはビクトリア女王の夫であったアルバート公の指揮のもと、1851年第一回万国博覧会の会場として建築されました。万博以降は、生物、物品を問わずさまざまな展示品をビクトリア朝時代のロンドンの人々に公開する催事場として利用され、国際的な注目も集めていました。19世紀中頃までには、キャットショーは人気の催し物として定期的に開催されるようになりました。

風格があり、優雅で洗練された物腰のロシアン・ブルーが皇室とこのように深い関わりを持っていたとしても不思議ではありません。ロシアン・ブルーは当初は他のブルー系の猫と一緒に展示されていましたが、1900年代初めに米国に伝えられたのち、1912年には独立して分類されるようになりました。しかしながら、CFAによると現代のロシアン・ブルーの歴史の始まりは第二次世界大戦後のことで、1960年代以降は常に一定して高い人気を博しています。

Contributor Bio

高橋智司

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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