ヨーロピアン・ショートヘアを初めて知った方もいるかもしれませんが、数千年前に猫が人に飼われるようになって以来の「家猫」の元祖と広く考えられています。アスリートのような活発さと犬のような忠誠心を備えていますが、この猫種は他にも多くの魅力を持っています。

ヨーロピアン・ショートヘアの特徴

様々な被毛パターンがあり、鮮やかな緑色の目とワイルド模様(キジトラ柄)のグレーの被毛がいわゆる昔ながらの姿です。


Gray cat with bright green eyes and wild hair looks back over its shoulder.
体重

オス:大型:約6.8 kg
メス:中~大型:約5.5 kg

目の色:

ブルー、アンバー、グリーン、オッドアイ(片目がそれぞれブルーとアンバーが典型的)

寿命:15~20年
社会性/コミュニケーションの必要性:中程度
抜け毛の多さ:中程度

被毛:

長さ:短毛

特性:ストレート、密

色:多様

パターン:ソリッド、タビー、トーティシェル(まだら模様、サビ)

全体的なグルーミングの必要性:

公認:

猫種登録団体:
FIFe

ヨーロピアン・ショートヘアは被毛の色とパターンが非常に多様なところが他の猫種と違うところです。体高と体重は平均的な中型のカテゴリーに入ると考えられていますが、一般にオスのほうが大きくなることもあります。

また、大きな頭部と中くらいの耳(ときには内側にかわいい房状の毛がある)は、ともにわずかに丸みを帯びていて、鼻筋はまっすぐで、顎と頬はしっかりと引き締まっています。

ボディは引き締まって丸みを帯びていますが、お腹は「ぽっこり」になる傾向があります。被毛は非常になめらかで光沢があり、定期的にブラッシングすると毛づやがさらによくなります。その外見からは意外に思えるかもしれませんが、昔はヨーロッパの納屋や農場でネズミを捕る熱心なハンターとして活躍していました。当時はブラッシングの習慣がありませんでしたが、この猫種の入念に毛づくろいする習性のおかげで被毛はきれいな状態を保っていたようです。

猫の目は昔から人々をくぎ付けにしてきましたが、ヨーロピアン・ショートヘアの目の色も例外ではありません。このことについて、猫種公認団体の愛猫協会(CFA)は「猫の目の色は実に多様です」、そして「猫の目の主な色は、オレンジ、コッパー、イエロー、ヘーゼル、グリーン、ブルーグリーン、ブルーですが、瞳孔は常にブラックです。猫の目の色は被毛の色と関連していたり、影響を受けたりすることがありますが、かといって常にそうというわけでもありません」と説明しています。ヨーロピアン・ショートヘアの目のアンバーの色合いはこの上なく美しく、オッドアイの特徴はアンバーとブルーがペアになったものが純血猫のスタンダードとして許容されています。

性格:

ヨーロピアン・ショートヘアの最も好まれる性質の一つは、新しい環境にすぐになじめる適応能力です。この性質により、小さな子どもや高齢者がいる家庭だけでなく、猫、犬、その他のさまざまな先住ペットがいる家庭にとっても理想的なペットになります。ただし、そうはいってもモルモットやハムスターのような小動物は、必ず猫の手の届かないところに避難させておいてください。かつてネズミ捕りに活躍していたように、猫本来の狩猟本能は健在だからです。同様に、飼い主に愛着を持ち、家族を喜ばせようと努力する好ましい性質も受け継がれています。

すべての猫がそうであるように、ヨーロピアン・ショートヘアも遊ぶことが大好きで、お気に入りの楽しい猫用おもちゃがたくさんあればとても喜びます。賢くて働き者のこの猫種は、精神的にも身体的にも常に夢中になれるものが必要です。たとえば、知育玩具(キャットフードパズル)などはちょうどいい刺激になるうえ、猫本来の捕食本能などのニーズを満たすために役立ちます。

ヨーロピアン・ショートヘアとの暮らし:

Tabby cat with yellow eyes lying down looking forward.

前述のとおりヨーロピアン・ショートヘアはよく毛づくろいをする猫ですが、それでも少なくとも週に一度は飼い主さんによるコーミングが必要です。爪切り、歯磨き、そしてできればシャンプーも定期的に行いましょう。また、アスリートのように優れた身体能力をベストの状態に維持するためには、最適な栄養素を兼ね備え、かつ猫が好むキャットフードを選ぶ必要があります。

ヨーロピアン・ショートヘアは家族とうまく付き合っていける猫ですが、もともとの性格は内気で用心深く、特に見知らぬ人がいると警戒心をあらわにすることもあります。神経質な猫を手助けするには、身を隠せる安全な場所を用意してあげるといいでしょう。猫は安心感を得られるうえ、隠れ家から来客を見ることで家族以外の人に対する社会化にもなります。

ヨーロピアン・ショートヘアは外に出たがることもありますが、安全面を考えると交通事故などのリスクはどうしても避けられないので、おすすめできません。猫が好む環境を整えれば、完全室内飼育でも十分に満たされた生活を送ることができます。たとえば窓の近くに背の高いキャットタワー(ハウス付きのものもある)を設置すれば、外の刺激を得られて猫も満足するでしょう。

歴史:

「家猫」といえば、居心地のいいお昼寝場所で丸まって寝ることが大好き。家族の愛情をたっぷり受け、リラックスして過ごすイメージが思い浮かびますよね。実際にそのとおりですが、実はどんな小さな猫でも縄張り意識を持ち、天性のハンターの素質を秘めています。

初期のヨーロピアン・ショートヘアは古代ローマで人気者になり、ローマ軍のヨーロッパ遠征にも連れられて各地を渡り歩きました。この猫は、兵士の生活を脅かすネズミや他の害虫から食糧を守る達人だったからです。その鋭い知性と活動的なハンターとしての武勇が、大陸を横断するローマ軍に珍重されました。初期のローマ植民地時代から中世になり、ヨーロッパの生活が農耕社会に移行した後も、ヨーロピアン・ショートヘアはその狩猟能力がもてはやされていました。

現代のヨーロピアン・ショートヘアは、猫にはベストとされる形質(人なつっこい、遊び好き、活発)をすべて備えた猫として、ヨーロッパの中でもスウェーデンに定住して土着の猫になりました。以来この猫種はスカンジナビアで人気を集め続けています。特にフィンランドでは国家の猫にもなっています。

ヨーロピアンは同じショートヘアのブリティッシュ、セルティック、バール、エキゾチック とは異なる特徴をもつように育種されてきた事実があります。ところが、ヨーロピアン・ショートヘアとブリティッシュ・ショートヘアの名称は区別なく使われていたため、猫の血統登録団体の間で猫種名について混乱が生じていました。ペルシャ さえもが一部のヨーロピアンの猫種に入ってきていたのです。

興味深いことに、Genomics に発表された論文によると、世界中のさまざまな猫に対して遺伝子検査を行った研究者たちが「北米の猫はヨーロッパの猫と密接に関係している」ことを発見しています。これはヨーロッパの家猫が初期の北米入植者とともに大西洋を渡ったことを裏付けています。

ブリーダーたちはヨーロピアン・ショートヘアの「ローマらしさ」を保存する活動を行いました。1992年にはルクセンブルグに本部を置く国際猫種公認団体のFédération Internationale Féline(FIFe)が、他のショートヘアとは別の正式猫種としてヨーロピアン・ショートヘアを公認し、一連の猫種スタンダードを定めました。

アニマルプラネット によると、ヨーロピアン・ショートヘアは「ヨーロッパの普通の家猫に血統書が付いたもの」とされていますが、なめらかな被毛、密やかなハンターとしての資質、やさしい気性を持つこの猫種は、「普通」の枠に収まらないほどの魅力を兼ね備えています。

Contributor Bio

高橋智司

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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