美しい被毛の柄と艶、がっしりとした体格かつしなやかな動き、並外れた運動能力の持ち主です。ワイルドでありながらも気品高い独特な雰囲気を持っています。
ベンガルの特徴
体のサイズと筋肉の質や量は、野生の猫の姿そのものです。
体重範囲:
雄:5〜8 kg
雌:4〜6 kg
目の色:
ブルー、ゴールド、カッパー(銅色)
寿命の範囲:13~15年
社会性:高い
抜け毛:少ない
被毛:
長さ:短毛
特性:光沢があって滑らか
色:ブラウン、シール(アシカ色に近いチョコレート)
パターン:タビー、ティッキング、スポット
グルーミングの必要性:中程度
公認:
猫種登録団体:
ACFA、FIFe、TICA
ベンガルというと、まさに"野生の猫"をイメージさせる容姿が特徴的です。猫としては大柄で、身体の各部は筋肉がよく発達してがっしりしていますが、その割には全体的にスレンダーに見えます。
ベンガルは、くさび型の頭部に太い首をもち、筋肉がよく発達したしなやかな体つきをしています。被毛の柄は、当初交配時にタビー遺伝子が導入されたことにより一般にパターンが限定されており、これがベンガルの魅力である特徴的な模様となっています。ブラウン-スポッテッドというベンガルの模様は、野生の猫に似ています。被毛のスポット(斑点)はきれいに整列していてはならず、不規則に配置されているべきとされています。
ベンガルの被毛は短く厚く密集して生えています。触り心地は滑らかで、何ともいえない心地よさです。お手入れは簡単で、もつれることはありません。ただし、季節性の換毛期には抜け毛が多くなりますので、必要なケアは怠らないようにしましょう。
性格:
野性的な見た目から、野生の猫のように気性が荒く、懐きにくい種類だと思われがちですが、実際は本当に愛らしく愛情深い猫種です。社交的で人によく懐き、家族のことが大好きな甘えん坊です。とにかく活動的で並外れた高い運動能力をもつベンガルには、満足するまで走ったりジャンプしたり跳ね回ったりして遊ばせることが必要です。好奇心も旺盛で遊ぶのも大好きです。
ベンガルと暮らす:
運動能力が極めて高い活発な猫なので、自由に走ったり運動したりできる環境が絶対に必要です。適正体重を維持するために、十分な運動量を確保するようにしましょう。人と接することが好きなので、お手入れも喜んで受け入れてくれます。
歴史:
自然の作り出す美しさは、いつの時代も人々の普遍的な憧れです。猫に関しても同様で、野生猫のもつ独特の美しさは常に人々を魅了してきました。そのため、野生の外見を持ちながら気性は穏やかな飼い猫を作り出そうと、野生猫と家猫をかけ合わせる育種努力が重ねられました。1960年代初頭、アジア産山猫とタビー模様の家猫をかけ合わせる最初の交配が、米国で行われました。この育種計画は一旦停止されましたが、1981年にジーン・ミル女史とウィラード・センターウォール博士によって再開されました。
この混血種の作出には障害も多くありましたが、最終的に野生の見た目を持った家庭生活になじむ猫が出来上がったのです。この品種の創出に用いられた野生猫の学名がFelis Bengalensis(ベンガルヤマネコ)であったことから、品種名はベンガルとされました。
その結果物議を醸す猫種となり、今も異論は残っています。さらに多くの野生猫が家猫化育種に利用されるようになるのではないかとか、ベンガルの野生部分を家猫との交配で完全に排除することはできないのではないかという懸念が一部であります。しかし、現実には家猫との異系交配が自由に行われています。また猫種登録団体が野生の先祖との近縁度の高いベンガルをショーに出陳することを禁止していることから、これらは大きな懸念事項には当たらない傾向になってきています。
執筆者のプロフィール
千葉 路子
『月刊WAN』編集長、『DOG FAN』編集長、愛犬雑誌の編集に約30年携わってきました。現在は犬2匹と暮らしながら、ペットのためのフィットネスを研究されています。