犬とクリスマス:注意したいクリスマスのお菓子とは?

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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クリスマスシーズンがやってきました。お祝い用のさまざまなお菓子に囲まれる季節です。甘い物好きな方には一年の中で楽しみな季節かもしれませんね。でも、好奇心が旺盛で食いしん坊なワンちゃんがいるお家では、いつも以上に注意が必要な期間になります。ペパーミントやマシュマロは犬が口にしても大丈夫か?など、祝日のさまざまなお菓子の犬に対するリスクについて解説します。

クリスマスのお菓子の犬へのリスク

原則として、お菓子を含め人間の食べるものは愛犬が届かないところに保管しましょう。アメリカ動物虐待防止協会 (ASPCA)*¹ によると、犬が糖分の多いキャンディーを食べてしまうと、嘔吐や下痢を起こすことがあるそうです。糖分にはエンプティカロリー(カロリーが高いだけで健康によい栄養素が入っていない)が含まれていて、余分なカロリーで肥満などの体重にまつわる健康トラブルを引き起こす可能性があります。そうかといって、シュガーレスのお菓子も厳禁です。シュガーレスのキャンディには、甘味料のキシリトールが使われていることが多く、犬が摂取すると低血糖や肝疾患を起こすことがあります。犬に与えるものは、与える前に犬に有害なものが入っていないか原材料の表示をしっかり確認しましょう。

キャンディーのほか、クリスマスに定番で犬に与えてはいけないお菓子について、ご紹介します。

Dog with tongue out

チョコレート

チョコレートは、犬にとって非常に危険なことでよく知られています。もしかしてチョコレートを食べてしまったかも・・・、と思ったら、嘔吐、下痢、飲水量の増加、過活動、落ち着きなく歩き回る、震えるといったサインがないか注意して観察するようにASPCA*² ではアドバイスしています。これらの症状がみられたら、すぐに動物病院に連れて行ってください。

特に異常な様子が認められない場合でも、ASPCAは食べた可能性があるチョコレートの種類と原材料を確認し(例:ダークチョコレート、製菓用チョコレート、ミルクチョコレートなど)、どうすればよいか動物病院に相談することを推奨しています。

ペパーミント

キャンディケーン(ステッキ状の飴)やミントキャンディ、ペパーミント入りチョコレートなどなど、ペパーミントは冬が近づくとあらゆる所で目にします。ペパーミントは犬にとって安全なのでしょうか。残念ながらそうではなく、ASPCA*³ によると、犬にとってペパーミントは有毒で、摂取すると嘔吐や下痢などの症状が現れると紹介しています。

ペパーミントに限らずですが、キャンディーはその包み紙にも注意が必要です。こういった食品の包装紙は非常に丈夫で、消化されずに腸に詰まってしまい、命に係わる腸閉塞を起こす可能性があります。

愛犬がペパーミントを含むお菓子やキャンディーを食べてしまった可能性がある場合には、すぐに動物病院に連絡しましょう。

マシュマロ

ふわふわ、もちもちのマシュマロは見た目もかわいくて人気のお菓子ですね。材料も砂糖、卵白、ゼラチンとシンプルで、一見犬に与えても問題なさそうに感じるかもしれません。が、与えるのは避けるべきお菓子です。キャンディー同様に糖分が犬にとっては多すぎることもそうですし、そのほかのお菓子同様に、シュガレースのものには犬に有毒なキシリトールが使われていることがあります。アメリカン・ケネル・クラブ (AKC)*⁴ では、愛犬がキシリトールを含む食品を口にしてしまったときには、すぐに適切な治療を受ける必要がある、と紹介しています。また、マシュマロは弾力性があるため、犬が十分に噛まずに飲み込んでしまい、喉や消化管に詰まらせてしまうリスクもあります。

そのほかのクリスマスのお菓子

どの文化圏でもどんな家庭でも、クリスマスをお菓子で祝うとなるとそれぞれの伝統があることでしょう。どのような食品でも、好奇心旺盛な愛犬のことを常に考えて、保管する場所を検討するようにしてください。

キャンディケーンやポップコーンでクリスマスツリーを飾るのはよくある伝統行事の1つですが、犬がいる家庭では避けた方がいいでしょう。今までご紹介してきたような成分そのものの犬に対するリスクや、喉や消化管に詰まってしまうかもしれないという閉塞のリスク、加えて、1日に必要なカロリーの8〜10%を超えてドッグフード以外の食べ物を与えることは、体重の増加につながり、ひいては肥満に関連するそのほかの健康トラブルを起こすリスクがあるからです。

クッキーなどのお菓子を手作りする際にも、犬がキッチンに入らないようにする方が良いでしょう。それは、糖分が多いことだけではなく、調理に使う他の材料の犬への影響も考慮する必要があるからです(ナツメッグ、シナモンなど、大量に摂取すると犬に有毒な調味料*⁵ など)。熱いオーブンの危険性は言うまでもありません。さらに、サンタクロース用に牛乳やクッキーを置いておく場合は、必ず愛犬が届かないところに置くようにしましょう。

また、甘い香りのするキャンドルも犬が届かないところに置くようにしましょう。犬の嗅覚は、味蕾(味を感じる細胞)よりも味の知覚に重要な役割を果たしています。エッセンシャルオイル(精油)についても同様です。ペットの中毒相談センター (Pet Poison Helpline)*⁶ によると、ディフューザーやスプレーに使用されるウィンターグリーン、パイン(松)、ペパーミントなどの精油は、犬にとって有毒な場合があります。

おいしいお菓子を楽しめる年末年始は一年の中でも最も楽しい時期かもしれませんが、犬にとっては、飼い主さんが注意していなければ危険な季節にもなり得るのです。人用のお菓子は、愛犬が届かないところに保管して、代わりに安全な犬用のビスケットやおもちゃを使って休日の楽しみを分かち合いましょう。

参照先:
*1 https://www.aspcapro.org/resource/why-sugary-candy-dangerous-dogs
*2 https://www.aspca.org/news/chocolate-covered-hazard-what-do-if-your-pet-eats-valentines-day-treat
*3 https://www.aspca.org/pet-care/animal-poison-control/toxic-and-non-toxic-plants/mint
*4 https://www.akc.org/expert-advice/nutrition/can-dogs-eat-marshmallows/
*5 https://www.petpoisonhelpline.com/pet-safety-tips/nutmeg-cinnamon-toxicity/
*6 https://www.petpoisonhelpline.com/pet-safety-tips/essential-oils-dogs/

執筆者 プロフィール

エリン・オリラ

エリン・オリラ

メッセージが持つ言葉の力は受け手に伝わり、時に大きな変化をもたらしうると信じるライター。インターネット、出版物と活動の場は広く、執筆内容はインタビュー、代筆、ブログ、独創的なノンフィクションなど、多岐にわたる。SEO(検索エンジン最適化)、ソーシャルメディア全般にも詳しい。フェアフィールド大学でクリエイティブ・ライティングのMFA(美術学修士)を取得。ツイッターは@ReinventingErin。さらに詳しい情報はホームページのhttp://erinollila.comで入手可能。

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