ナチュラルペットフードの「ナチュラル」とは?

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「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、化学的な合成物や着色料を使用していないものに限り「ナチュラル」や「ネーチャー」と記載してよいと定めています(日本語の「天然」や「自然」という表記は認められていません)。栄養バランスに優れた総合栄養食を作る際には、食材からだけでは摂取しにくいミネラル、ビタミン、アミノ酸などを添加することが一般的なのですが、これらの成分を全てナチュラルな成分で揃えるのは難しいことです。そのため規約では、これらの栄養補給に必要な添加物に限って、ナチュラルではない場合でも、その旨がわかるように併記すれば使用することが許用されています。

 

ペットフード安全法では、化学的な合成物に属する添加物等について、仮に一生食べ続けたとしても大丈夫なように使用量の上限が定められていますので、「ナチュラル」な製品の方がそうでないものよりも安全であったり健康維持に役立ったりするという訳ではありません。人が食べる食品を選ぶときと同様、製法や素材にこだわりたいときの参考情報の1つと考えればいいでしょう。

 

「オーガニック」や「有機」という表現は、一般的に特定の農薬や薬剤を使用していない原材料で作られていることを示すものです。日本では、人の食品で「有機JASマーク」の基準を設けられていますが、ペットフードのパッケージではこれらを表記することは基本的に認められていません。アメリカやオランダのように基準が定められ、認定がある国もありますので、農薬を使用していないフードを与えたいというこだわりがある場合にはそのような認定を参考にして選ぶと良いでしょう。ただし、これは原材料の特長に対する説明なのであって、製品の栄養バランスや安全性の高さを保証しているということではありません。

 

近年では、フードの機能性や味のバリエーションだけでなく、厳選された原材料で作られた食事を食べさせたいというこだわりに応えるものまで、さまざまな商品が販売されています。しかし大切なのは、健康状態やライフステージに合った、栄養バランスが適切なフードを与えることです。健康状態や食事に関して迷う場合には獣医師に相談し、適切なフードを選ぶようにしましょう。

 

執筆者のプロフィール

Mature dog

徳本 一義

ヘリックス株式会社代表取締役社長、獣医師、ペット栄養学会理事、ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長 小動物臨床に従事され、ペットフードメーカーで小動物臨床栄養学に関する研究や情報発信を中心とした活動を行いました。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で非常勤講師を務めています。

Email: tokumoto@hlx.co.jp

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