
小型犬の体重管理について
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
その小さくコンパクトな背丈や形、ちょこちょことした可愛らしい動きにその愛らしい笑顔・・・。小型犬の魅力は数えればきりがありません。このかわいい子におやつをねだられたら、なかなか断るのも難しいでしょう。でも、小型犬ももちろん他の中型や大型の犬種と同様に食事やおやつを与え過ぎれば、過体重や肥満になる可能性があります。
肥満は、世界のペットに共通する問題の一つとして以前から言われているものですが、現在も引き続き大きな問題になり続けています。犬の肥満は以下のような健康問題の大きな寄与因子になるので、獣医師も以前にも増してこの問題に積極的に取り組もうとしています。
- 関節炎
- 糖尿病
- 膵炎
- 呼吸障害
- 寿命短縮
一部の小型犬種(特にパグのような鼻が短い短頭種)は、もともと呼吸器のトラブルを起こしやすい傾向があるため、わずかな体重過多でも、この引き金になってしまうことがあります。
そのような深刻な健康リスクがあることを思えば、ペットを適正な体重に維持するための管理を行うべきであるのは明らかなのですが、その前に太ってしまうそもそもの原因について改めて考えてみましょう。
犬種のせい?
太りやすいことで知られている小型犬種もいます。
- ケアーン・テリア
- ダックスフンド
- スコティッシュ・テリア
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- コッカー・スパニエル
これらの犬種、不妊処置、とにかく食いしん坊、またはその他の要因で太りやすい小型犬種を飼っている場合は、より積極的に体重管理に取り組む必要があります。
体は食べたものでできています・・・
消費量に見合わないほどの高いカロリーを摂取していれば、犬だって徐々にぽっちゃりしてきます。それは見かけだけの変化ではなく、犬の健康に深刻で長期的な影響を及ぼす可能性もあります。体型と健康を維持するためには、適切にカロリーが調整されたドッグフードを適切な量摂取することと、運動を習慣化することが非常に重要です。
食事量の管理
小型犬の食事について、その量の管理が大きな問題になることがあります。このためには、あらかじめフードとおやつの一日分の量をそれぞれきちんと量って別々の容器に入れ、その容器の中のもの以外何も与えないようにすることを家族みんなが徹底することが重要です。また、もしご自身のダイエットのためにカロリー計算の経験があれば、愛犬のためにも計算してみて、実際にどのくらいのカロリーを摂取しているのか確認してみるのも良い方法です。
いずれにしても、愛犬の食事量を管理して、必要以上に多くなり過ぎないようにしなければなりません。食事量の決定の目安は、ドッグフードのラベルが参考になりますが、減量したい場合には、その見方が変わる場合もあります。愛犬に与えるべき量を決めて、獣医師に確認してもらうと安心です。
間食(おやつ)について
繰り返しになりますが、ペットは(そして人も)、消費するよりも多くのカロリーを摂取していると太り始めます。主食に関しては食事量の管理が体重増加を防ぐ鍵になりますが、間食(おやつ)の要素も無視することはできません。小型犬に必要な間食の量は、体が小さいだけに当然少なくなります。低カロリーの小型犬用のおやつか、大きいおやつを割って小さくすることで、摂取カロリーを抑えて、且つ犬が満足するように工夫します。犬はおやつのもらえる量よりも、もらえる回数が多い方が満足します。
フードやおやつのラベルを確認する
体重管理を徹底するには、与えるフードやおやつのことをよく理解することも大切です。ラベルには適切な給与量に関する指示が詳しく記載されています。必ず愛犬の今の体重ではなく理想体重に基づいて給与量を決めることが大切です。一日のカロリー摂取量には、おやつを含めて愛犬が口にするものすべてを計上することを忘れてはいけません。
ボディ・コンディション・スコアとは?
ボディ・コンディション・スコア(BCS) は除脂肪体重と体脂肪量の比率の指標です。除脂肪体重はいわゆる脂肪を除いた骨や筋肉などの重量を指します。体脂肪量すなわち脂肪組織量は文字どおり脂肪の重量を指します。BCSが高いほど愛犬が減らさなければならない体重は多くなります。理想的なBCSは5段階のうちの3番目です。愛犬のBCSが3を上回っているときは、健康的な減量プランについて獣医師に相談するべきでしょう。家庭で愛犬のBCSを簡単に知ることができる図があるので、参考にしてください。
ボディ・コンディション・スコア

理想体重-3 | |
---|---|
肋骨 | 薄い脂肪に覆われていて、容易に触ることができる。 |
腰部 | 薄い脂肪に覆われていて、なだらかな輪郭をしており、骨格は触ることができる。 |
横から見た体型 | 腹部にへこみがある。 |
上から見た体型 | 腰に適度なくびれがある。 |

体重過剰-4 | |
---|---|
肋骨 | 脂肪に覆われていて、触るのが難しい。 |
腰部 | やや厚みがあり、骨格はかろうじて触ることができる。 |
横から見た体型 | 腹部のへこみはほとんどない。 |
上から見た体型 | 腰のくびれはほとんどなく、背面はわずかに横に広がっている。 |

肥満-5 | |
---|---|
肋骨 | 厚い脂肪に覆われていて、触ることが非常に難しい。 |
腰部 | 厚みがあり、骨格に触ることは非常に難しい。 |
横から見た体型 | 腹部は張り出して垂れ下がっている。 |
上から見た体型 | 腰のくびれはなく、背面が顕著に広がっている。 |
ダイエットを成功させるコツ
- 焦らず、できることから始める:達成できそうな目標を掲げましょう。地道にマイペースで着実に減量することを目指していきます。無理して頑張らせ過ぎないように、ゆったりとしたペースから始めていきましょう。獣医師と相談しながら、愛犬の理想体重を決めて運動計画を立てましょう。愛犬のダイエットが成功するまでには数か月を要することもありますが、くじけずに頑張ってください!
- 既成概念にとらわれず、もっと気楽に:「痩せさせるために食事を減らして、いっぱい走らせないといけない・・・」なんていう風に思うのではなく、犬と一緒に行けるような施設や公園など、とにかく外に出てみてはいかがでしょうか。犬と一緒に試せる何か新しい発見があるかもしれません。泳ぐことが好きなワンちゃんなら、水泳は関節に負担が少なくダイエットにはとても役立ちます。泳げるような海や川に行ってみるのも良いですし、お家の浴槽に水を張り、お家プールで犬かきしてもらうのも良い運動になります。(見守ることは忘れずにしましょう。)
- 飼い主と犬の両方が楽しめることをやってみる:痩せる=ランニングのようなイメージがあるかもしれませんが、必ずしもただ単純に走るということだけが習慣にできる運動というわけではありません。ボールを投げて取って来い遊びをする、長めの散歩に出かける、障害物コースに挑戦してみるなど、ジョギングの代わりになる運動方法はたくさんあります。犬用のボールなどのおもちゃにもいろいろあり、素材や噛み心地、形、などによって犬の好みも様々です。愛犬の好みそうなおもちゃを探してみたり、愛犬とともに楽しめる何か新しいアクティビティがないか調べてみるのもよいでしょう。
- そのつぶらな瞳の誘惑に耐える!:じっと見上げて、物欲しげな、うるうるとした瞳で見つめられる・・・想像しただけでもなかなかの耐え難い状況ですが、どうか強い気持ちを持ってください!そして、犬が太ってしまう大きな原因一つに、人間の食べ物を与えてしまうことがあります。ほんの少しのつもりでも、犬にとっては結構な量(カロリー)であることがほとんどです。また、人間の食べ物を与えることは、体重管理の面だけではなく、塩分や糖分の摂りすぎにもなります。人間の食べ物は与えないようにする事、犬用のおやつやフードでも、決まった量以上与えないようするのは大原則です。
ペットのダイエットをするときに大事なのは、決めたことをきちんと守る一貫性です。これには愛犬と過ごすことがある家族全員にも協力してもらうという意味でもあります。ありがちな失敗例として、こどもたちやおじいちゃん、おばあちゃんなどがこっそりおやつをあげてしまうという"抜け駆け"があるので、家族でしっかり話し合うことが大切です。体重が徐々に落ちていくと、動きもよくなり表情も生き生きとしてきます。長く一緒に元気にいられるために、お互いスタイルをキープしたいものですね!
Contributor Bio

高橋智司
編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター 獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社