チワワの病気

チワワは小さくても、決して虚弱ではありません。きちんと健康管理をすれば、丈夫で健康な生活を送れます。

しかし、チワワのかかりやすい病気はいくつかあります。

膝蓋骨脱臼（しつがいこつだっきゅう）

後ろ脚の膝蓋骨、つまり膝のお皿が、正しい位置からずれてしまったたり、外れてしまうのが主な症状です。チワワのような小型犬に広く見られる病気で、もともと骨格に形成異常がある先天性の場合が多いですが、打撲や落下などが原因でお皿がはずれてしまう後天性の場合もあります。

スキップのような歩き方、3本脚で歩く、つま先立ちする、膝が腫れる、脚の痛みを訴える、立ち上がるのに時間がかかる、といった症状をすばやく見抜き、動物病院に相談しましょう。早期発見・早期治療によって、外科手術をせずに管理できることもあります。

家の床をカーペットにして滑らないようにする、昇降やジャンプなど後ろ脚に負担のかかる行動をさせない、肥満を解消して膝に負担をかけない、などの予防策もあります。

水頭症

チワワの水頭症は、脳内の奇形による先天性が大半です。症状はいろいろありますが、行動の異常や、外貌がちょっと違うことによって気がつきます。行動異常、けいれん発作、不全麻痺、斜視などが見られることもあります。 先天性の水頭症の場合、頭のてっぺんの泉門（モレラ）と呼ばれるくぼみ部分の骨が薄く、触ると穴が開いていることもあります。

尿石症

膀胱や尿道、腎臓といった部位に結石ができ、痛みを感じたり、尿が出にくくなったりします。たびたびトイレに行く、排尿時に力んで時間がかかる、尿に血が混じる、といった症状が見られたら、早めに動物病院に受診しましょう。

尿石の成分は多種多様です。尿石の種類に関わらず、ウエットフードを使用するなどの十分な水分補給が尿石症の予防策として効果的です。また、動物病院での診療では、尿石症の管理に役立つヒルズのプリスクリプション・ダイエットc/d、u/dなども特別療法食として用いられます。

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低血糖症

体の小さなチワワは、低血糖症を起こしやすいです。低血糖症になると、血液中の糖分の濃度がぐっと下がってしまいます。

とくに生後3カ月ぐらいまでのチワワの子犬は低血糖症に十分に気をつけましょう。ぐったりする、痙攣するといった様子が見られたら、すぐに獣医師の診療を受けなければなりません。

気管虚脱

気管が押しつぶされたように変形し、呼吸困難や体温調整が困難になる病気です。チワワは、気管虚脱を起こしやすい犬種です。頭部をのけぞらせてよく吠える習性も、気管虚脱を引き起こす要因になると考えられるので要注意です。

僧帽弁閉鎖不全症

俗に心臓弁膜症と呼ばれる、小型犬に多く見られる心臓病です。僧帽弁の変形により、心臓内で血液が一部逆流する病気ですが、発症時はその逆流音として心内雑音が聴かれるのみで、大きな症状はみられないことが多いです。定期的に獣医師に聴診してもらうことにより、早期発見できます。

食事療法、運動制限、薬物療法など、この病気の管理方法はさまざまです。進行すると、咳やゼーゼーと苦しい息づかいをするようになります。さらに進行すると、肺に水が溜まる肺水腫を伴う呼吸困難となり、不整脈などにより突然死する場合もあります。

肛門囊炎（こうもんのうえん）

犬は肛門の両脇にニオイを放つ分泌線、肛門囊（肛門線）があります。通常は、排便時に分泌液も出ますが、チワワのような小型犬はおしりの筋力が足りず、分泌液を押し出しきれなくてためてしまい、化膿・炎症を起こすことがあります。

おしりを気にしたり床にこすりつけたりする様子が見られたら、不快感やかゆみ、痛みがある証拠です。肛門線絞りをして、分泌液を出してあげましょう。シャンプー時など定期的に肛門線を絞る習慣をつけると、肛門囊炎の予防になります。

角膜炎

目がくりっと大きく突出しているため、外傷による角膜炎に気をつけなければなりません。目を気にする、まぶしがる、涙や目やにが多い、まぶたの痙攣、目の充血あるいは混濁、といった症状に日頃から注意しましょう。

もし何か異常を感じたときは、すぐに動物病院での受診をお勧めします。