犬の腎臓病と食事管理の重要性について【獣医師監修】
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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腎臓は忘れられがちな臓器ですが、生命維持には欠かせない大切な内臓です。血液中の老廃物を取り除き、体液の調節を行なっています。腎臓がうまく働かなくなると、愛犬の命取りになりかねません。
犬の腎臓病とは?
腎臓は、血液から老廃物を取り除き、体液とミネラルの正常なバランスの維持を行っている非常に重要な器官です。腎臓がダメージを受けた状態を腎臓病と呼びます。腎臓病では体に水分を十分吸収できない。尿で老廃物を排出できないといった状態に陥ります。早くから腎臓病のサインを示す犬もいますが、多くは腎臓の機能の75%以上が失われて初めて明らかな病気のサインを示すようになります。特に7歳以上の犬で早期発見が非常に重要になってくるのは、これが理由です。腎臓病の診断に必要なのは、簡単な血液検査と尿検査だけです。
犬の腎臓病の原因は?
腎臓は、外傷、感染、毒素、がんなど、さまざまな原因によってダメージを受けます。通常、ダメージは不可逆的です。犬の腎臓病はよくある病気ですが、早期に発見と治療を行えば、進行を抑えて何年も幸せに生きていくことができます。次のような要因が腎臓病を起こしやすくすると考えられています。
年齢要因による腎臓病発症
犬では7歳を過ぎると腎臓病になる確率が高くなります。
食事要因による腎臓病発症
リン含量の高いドッグフードやタンパク質の多いドッグフードは、腎臓病の進行を早めることがあります。
犬種要因による腎臓病発症
イングリッシュ・コッカー・スパニエル、ブル・テリア、ジャーマン・シェパード・ドッグなど、一部の犬種ではある種の腎臓病が発症しやすくなっています。腎不全と診断されたバディくんという特別なジャーマン・シェパードの話については、こちらから読むことができます。
環境要因による腎臓病発症
ある種の消毒剤を含む化学物質、凍結防止剤、鉛塗料、人用の医薬品には、腎毒性を示すものがあります。
うちの犬の腎臓は大丈夫?
犬の腎臓病の症状は気づきにくく、次のようなサインが現れたら腎臓病かもしれません。気づいたら獣医師に相談しましょう。腎臓病の治療では水分摂取も大切になります。いつでも水分補給ができる環境を整えることやドッグフードをお湯でふやかすなど愛犬がこまめに水をとれる環境を整えましょう。
犬の腎臓病の症状
- 飲水量と尿量が多くなった
- 食欲が低下してきている
- 体重が減っている
- 口臭がある
- 嘔吐または下痢することがある
- 口内炎がある
- 力が入らない
- 活力が低下し、眠ってばかりいる
- 被毛につやがなくなった
- 元気がない
腎臓病と診断された場合、獣医師は急性か慢性かを判断します。
急性腎臓病の原因
急性的または突然起こる腎臓の障害で、次のような原因が考えられます。
- 大量出血
- ショック
- 手術のストレス
- 外傷
- 重度の脱水
- 中毒
- 薬物
- 排尿障害
- 感染
慢性腎臓病の原因
慢性的または長期の時間をかけて生じる腎臓の病気で、上述の原因に加えて、犬種や遺伝的素因に栄養因子、免疫系の障害が合わさって生じることがあります。慢性腎臓病は、進行性で不可逆的な疾患です。
困ったことに、犬の腎臓病の症状の多くは、腎機能の75%以上が失われて初めて現れるようになります。一度慢性腎臓病になると、元の健康な状態に戻すことはできません。
重要:腎臓病の早期は、サインや症状が現れることがありません。犬が水をよく飲むというのが腎臓病で一番早く現れる症状のときがあります。このサインまたは上記の症状のいずれかに気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
食事による犬の腎臓ケア
愛犬が食べる食事は、健康や幸福度に大切な役割を果たしています。愛犬が腎臓病と診断された場合の食事の基本は、腎臓への負担を軽減しながらも、必要な栄養を摂取できるようにすることです。例えば、以下のような点に気をつけることで食事面から腎臓病の犬のケアが期待できます。
腎臓ケアに求められる食事のポイント
良質なたんぱく質の適切な摂取
腎臓への負担軽減、酸塩基平衡の回復に役立つこともありますので、摂取するたんぱく質の量を制限します。しかし、過度な制限は健康に影響が出る可能性があるため、少なくとも良質なたんぱく質を摂取するようにしましょう。
リンの摂取制限
腎臓病を患った犬は、リンの排泄が困難になりますので、摂取制限が推奨されています。これは、臨床症状の重症度と腎損傷の進行の緩和に大切です。
オメガ-3脂肪酸の摂取
オメガ‐3脂肪酸は血圧を下げたり、酸化ストレスを軽減させたりなどの健康に良い影響をもたらします。腎臓病においても、腎臓で発生する炎症を和らげると期待されます。
食物繊維の摂取
食物繊維は、腸内細菌のバランスを整えて、尿毒素を減らし、腎臓の負担を軽減します。
適切な水分摂取
腎臓の犬は多尿になることがあり、適切な量の水分摂取が必要です。
腎臓ケアをサポートするヒルズの食事
腎臓ケアにおける栄養面のポイントを踏まえ開発されたヒルズの特別療法食「k/d」を紹介します。こちらは、腎臓病を持つ犬の生活の質の向上に役立つことが科学的に証明された食事です。
腎臓の健康と犬本来の筋肉維持をサポート
リンやナトリウムの含有量を調整し、オメガ-3脂肪酸を含有。
変化に対応できる味と食感
腎臓病になった犬は、食欲や食の好みに変化が発生することがあります。ヒルズの「k/d」は、そのような変化に合わせてお選びいただける味と食感を揃えています。
食欲をそそるシチュータイプ
ビーフや野菜など愛犬が好む健康的な食材で作られた、シチュー缶詰タイプの腎臓ケア療法食。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 k/d ケイディー ビーフ&野菜入り シチュー 缶詰
カリッカリのドライタイプ
チキンフレーバーが食欲をそそる、ドライタイプの腎臓ケア療法食。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 k/d ケイディー チキン味 ドライ
腎臓ケアに最適な食事の判断は獣医師に確認
正確な診断と治療の選択肢については、必ず獣医師に相談し、腎臓の健康に最適な食事を処方してもらうようにしましょう。その上で、以下の項目を確認するようにしましょう。
- 腎臓病で避けるべき食事はありますか?
- 人の食事が犬の健康にどう影響するか聞いてみましょう。
- 腎臓の健康にヒルズのプリスクリプション・ダイエットを勧めていますか?
- 愛犬の食事で特に心配なことを聞いてみましょう。
- 処方されたドッグフードの給与量と給与回数について確認しましょう。
- どのようなおやつなら一緒に与えてもいいか聞いてみましょう。
- どのくらいで症状に改善が見られるようになりますか?
- 腎臓病に関するガイドブックやパンフレットはありますか?
- 質問があったらどのように連絡を取るのが一番ですか(メールまたは電話など)?
- 経過観察のための受診が必要か確認しましょう。
- 確認メールや通知を送ってくれるか聞いてみましょう。
犬の腎臓病と療法食のページ で腎臓病だけでなく、ヒルズの療法食を紹介しています。
Contributor Bio
高橋智司
編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター 獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社