
シニア猫との暮らしに必要なモノ~生活グッズや環境を整える
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
愛猫が7歳を過ぎた頃から、そろそろシニアについて意識しはじめてもよい時期になります。猫の老化サインはなかなかわかりづらいものなので、普段から猫の様子をよく観察しておくことが大切です。そして明らかな変化が出る前から、より快適に生活するのに役立つグッズ、たとえば、スロープや居心地の良いベッド、シニア猫向けのトイレ等を準備してあげることで、シニア猫さんには心地よく暮らしてもらえることでしょう。
シニア猫向けの生活グッズ
人間も年齢に応じてライフスタイルに変化が訪れます。猫も同じで、体は歳相応に変化していきます。若い時と同じままのライフスタイルに、猫だって時には不自由に思ったり、しんどく感じたりすることもあるかもしれません。コーネル大学獣医学部 の動物行動学研修医、エミリー・レヴィン獣医師は、「私たちは、投薬は覚えていても、フードや水、トイレの問題に対応するのは忘れてしまいがちです。」と言います。こういった生活グッズについては、意識しなければ、今までと同じものを使用することに疑問を感じることはなかったかもしれませんが、あらためて考えてみるとそれはそうだな・・・と納得できるのではないでしょうか。
猫が高齢になっても心地よく楽しく暮らせるように、年齢に合わせて基本的なニーズが変わっていくことを理解し、必要なことを猫ファーストの目線で考えてみましょう!
猫トイレについて
猫も年齢とともに、骨や関節、筋肉も老化します。関節炎などで足腰に痛みがあると、トイレへの行き来や出入りがしんどくなって、場合によってはトイレを使わなくなってしまうこともあります。排泄の様子に何か変化がみられたら、まずは獣医師の診察を受けて、愛猫がトイレを使おうとしない理由 を確認してもらいましょう。そして、必要な治療を受けるとともに、今のトイレ環境を見直して、シニア猫さんが使いやすいように検討してみてください。
シニア猫に向いているトイレは、壁が低くて入りやすいようになっているものです。市販品でなくても、壁の高いプラスチック製収納ボックスの一部をカットして低い入口を作れば、手作りのシニア猫向けトイレを作ることもできます-猫にとっては広くて砂がほりやすいし、人間にとっては(半)透明で見やすく洗いやすく、比較的お安くすむ良いアイデアです。
猫ちゃんがトイレのためにはるばる歩いて行ったり、階段を昇ったりしなくてもいいように、家の各所、各階にトイレを設置してあげましょう。トイレ砂は深すぎても浅すぎてもいけません。最低1日1回は掃除して、きれいに保ちます。また、定期的に砂を交換し、容器も洗浄するようにしましょう。
猫ちゃんに失禁(尿漏れ)や不適切な場所での排泄 が見られるときは、やむをえず猫用おむつを使うという方法もありますが、「排泄物が付いたままでは通気性が悪くなくなって、皮膚のただれなどの炎症を起こす可能性がある」ため、おむつを1~2時間以上交換せずに着けたままにしてはいけない、とベスト・フレンズ・アニマル・ソサエティ は強調しています。下半身の麻痺など、どうしてもの理由でないかぎり、できればおむつではなく、猫のニーズと好みに合う場所にトイレを設置してトイレで排泄してもらうことが理想です(おしっこシートを敷くこともできます)。排尿に関するトラブルは、猫によく見られるもっと深刻な疾患の徴候である可能性もあるため、気づいたら必ず動物病院を受診しましょう。
シニア猫向けに環境を整える
ちょっとした工夫で、シニア猫さんにとって快適な空間を提供してあげることが可能です。たとえば、ペット用のスロープや踏み台は、人間のベッドや長椅子といった猫がお気に入りの場所に、楽にたどり着けるようになる便利グッズです。また、キャットタワーのハウスの中でくつろぐことや窓の近くで日向ぼっこすることが好きな猫さんにもこういった物は役立ちますが、落下による危険性を考慮して、今までよりも高さを低くしたりするなどの工夫をすることも検討しましょう。
猫は元来、暖かく居心地の良い場所がとても好きな動物ですが、高齢になるとますますその傾向は強くなります。猫の居場所は、家の中でもできるだけ暖かい場所に確保してあげましょう。また、関節炎のように、冷えると症状が悪化する疾患もありますので、状況に応じてペットヒーターや、湯たんぽなどを準備してあげることも検討してください。さらに、猫も高齢になると視力が低下してきますので、夜間の移動に役立つセンサーライト等の設置も検討しましょう。
さらに、タイル張りやフローリングの床のような滑りやすい場所には、関節への負担を考慮して、滑り止め用グッズ(マットやシート、コーティング等)の使用がお勧めです。
日々のケアと栄養
猫も高齢になると、毛づくろいや爪とぎなど今まで自分でやっていたことがだんだんおろそかになっていきます。被毛のブラッシングやコーミングといった普段のお手入れは、今まで以上に頻繁にやってあげたほうがよいですし、爪の様子を観察することを忘れないようにします。爪とぎをしないことによって、本来砥がれるべき爪が残ってしまい、肉球が傷ついてしまうことがあります。可能であれば猫をシャンプーするのも全身をチェックできる良い機会ですが、無理はしないようにしましょう。
どのライフステージの猫にも適切な栄養は重要 ですが、高齢期には特に当てはまります。高齢猫に与えるキャットフードは、健康な脳機能を維持するためのサポートや体重管理といった高齢猫のニーズに必要な栄養素をすべて含んでいるものがベストです。
サイエンス・ダイエット 高齢猫用は、高齢猫に本当に必要なもの(果物、野菜、脂肪酸、抗酸化物質、ビタミン、ミネラル類、アミノ酸)を提供できるように、ペットのエイジングについての科学を考慮して作られています。その栄養バランスは、シニア猫に元気な活力を維持してくれるものになっています。
多くの猫は高齢になっても、猫としての警戒心と敏捷性をもっています。でも、それ故に年齢のことを忘れがちになってしまうかもしれません。まだまだ全然元気かもしれませんが、常に年齢のことは考えておきましょう。生活グッズをシニア向けに調整したり、環境をシニア向けに整えたりすることは、シニア猫さんの心地よい暮らしに大いに役立ちますし、これは飼い主の大事な愛情表現でもあるのです。
筆者紹介

クリスティーン・オブライエン
クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、家の中を取り仕切るロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。