先住猫と新入り子猫を仲良くさせる手順と受け入れのサイン

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先住猫と子猫を仲良くさせるのはなぜ難しい?

家庭に新しい子猫を迎え入れるとき、それは家族全員にとって特別なワクワクする時間になります…でも先住猫にとってはそうではないかもしれません!

先住猫がどんなに温厚でも、やはり猫です。本能的に縄張り意識が非常に強く、厳格な社会的序列の中の自分の地位を認識しています。そんな先住猫の環境内に新たな子猫が入ってきたら、どうなるでしょう。もしかしたら、あらゆる否定的な反応を呼び起こしてしまう可能性があります。例えば、新入り子猫が家族の注意を引きつけてしまうことによる嫉妬、子猫の存在がストレスとなり攻撃的になったり、またトイレを汚されることに対する不快感など、猫はとてもデリケートゆえに、お互いを仲良くさせるには相応の時間とサポートが必要になります。

先住猫と子猫が仲良くなるまでの期間

猫の性格など個体差はもちろんですが、猫が暮らす環境要因によって仲良くなるのに要する時間は変わってきます。よって、断定はできませんが、一般的には先住猫と子猫が仲良くなるまでには、数週間から数ヶ月かかることがあります。

先住猫と子猫を仲良くさせるまでの流れ

数週間から数ヶ月かかることもあると言われている友好関係を築くための期間も、ちょっとした準備と、うまく練った配慮によってうまく乗り越え、仲良くなるまでの期間を短縮できるかもしれません。

新入り子猫を迎え入れる事前準備

1:新入り子猫の匂いになれさせる

可能であれば、子猫が家にやって来る前に、新しいおもちゃや毛布をブリーダーのところやペットショップに持って行って、新しい子猫の匂いを少しすり込みます。それを家の中に放置して、先住猫に慣れてもらいます。そうすれば、新入り子猫に最初に会ったときに、先住猫はその匂いを脅威のないものとして認識してくれるでしょう。

2:新入り子猫専用の部屋を用意する

新入り子猫が2~3日間過ごすための別の部屋(予備の寝室やユーティリティルームなど)を用意して、専用の水飲みボウル、フードボウル、おもちゃ、寝床を備えます。これはほんの短期間の措置なので、ご安心を。

新入り子猫の迎え入れから対面までの手順

ステップ1:お互いの匂いを分からせる

新入り子猫が到着した当日は、先住猫を別の部屋に引き離しておいたまま、その周りにお気に入りのものを置いてあげます。新入り子猫を家の中に入れたら、順応プロセスの手始めとして手早く家の中を巡らせてから、用意しておいた専用の部屋の中に落ち着かせます。

先住猫を部屋から出すのは、新入り子猫が専用部屋に入ってからにしなければなりません(ただし、まだ出合わないように確実に引き離しておいて下さい)。先住猫に子猫の匂いが付いたあなたの手を嗅がせてからおやつを与えて「よしよし」をし、その新しい匂いと「良いことが起こること」の関連付けを行います。

そうやって2~3日かけて子猫の匂いを家の中に持ち込みます。次にフードボウルと寝床を入れ替えます。両者が互いの匂いを嗅いでもくつろいでいられるようになっても、すぐに出合わないように引き離したままにしておきます。個別に相手の縄張りを探検させるようにします。

ステップ2:食事のときに先住猫と引き合わせる

先住猫と子猫を正式に引き合わせる最高のタイミングは、どんなに楽しいことがあっても、食事の時間に勝る瞬間はありません。食事は猫にとってポジティブな経験であり、それと互いの存在を結びつけやすくなり、良い印象構築に役立ちます。

ポイント:威嚇、けんかになった場合の備え

最初の対面なので、多少はうなったり、シャーと鳴いたり威嚇することが予想されます。これは序列の中で個々の地位を確立するための正常な手順の一つです。本格的なけんかに発展したときに備えて、先住猫と子猫を引き離すための毛布を用意しておきましょう。

でもおそらくは、入念な準備によって、この段階までに両者は互いを十分に「認識」し合っているので、数分間くらいは一緒に食事をしてくれるはずです。

ステップ3:平等にかわいがり、徐々に一緒の時間を延ばす

一緒に食事をした後はすぐにまた引き離し、次の食事の時まで別々にしておきます。そうやって、徐々に一緒に過ごす時間を延ばして行きます。一緒にいる間は、好ましい関係性を築くため、そしてえこひいきがないことを示すために、両者を等しく可愛がらなければなりません。

両者の勝敗を決めたり、どちらを「上位猫」として扱わなければならないかを見定めたりするのは、「群れのリーダー」としてのあなたの役割ではありません。猫たちがごく自然に、自分たちで順位を決めてくれます。あなたがしなければならないのは、あらゆる点で公平と公正を保つことだけです。

先住猫が子猫を受け入れたサインの確認

子猫を迎えいれるための事前準備、そして先住猫への対面サポートをしっかりされてきたのなら、ゴールは目前です。先住猫が子猫を受け入れたのかどうか、そのサインをしっかり見極めましょう。一般的なのは、お互いが一緒に寝たり、毛づくろいをする、一緒に遊ぶといった行動です。このような行動が見られたのであれば、それは先住猫が子猫を受け入れたサインです。

可愛い子猫は誰もが大好きです。家族に新しい赤ちゃんが増えたことで巻き起こる大騒ぎは、2匹目の猫を飼う楽しみの一つでもあります。でも、迎え入れのプロセスに落ち着いてゆっくりと取り組み、年長猫と年少猫の間に敬意あるパートナーシップを築いてあげることができ、公平に愛を分け与えることができれば、あなたはそのお返しに、2匹の猫たちからはるかに多くの愛情を手に入れられることでしょう。

それこそが、とても幸せな2匹猫家族になるためのレシピなのです!

新入り猫を先住猫だけでなく、他のペットに対面させる方法も知りたい方はこちらをご覧ください。

Contributor Bio

高橋智司

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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