猫を迎えるときに大切な5つのこと

執筆: クリスティーン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

新しく猫をお迎えすると決めたら、色々な準備や部屋の片づけなど、事前にやっておくべきことがたくさんあります。もちろんそれも大切なのですが、なによりもまずは責任と覚悟、という心の準備ができていることを再確認してくださいね。動物を飼うことは、愛情だけでできることではありません。さまざまな状況があり得ることを想定して、早速準備を始めていきましょう。

1. 必需品を準備する

猫に必要なグッズを準備します。キャリーケースやベッド、食器、水入れ、キャットフードなどが必要です。キャットフードについては、最初の1週間は今まで食べていたものを与えるようにして、その後慣れてきたら少しずつ新しいフードに切り替えていきましょう。犬や猫は、食べ慣れないものを食べることでお腹を壊しやすいため、少しずつ切り替えるようにします。

そのほかに、爪とぎや猫用トイレ、猫砂も必要です。爪とぎとトイレは1+1ルールで、猫1頭あたり1個と余分に1個準備します。爪とぎやトイレを複数用意しておくことで、猫同士のトラブルが起きにくくなりますし、たとえ1頭でも複数の選択肢がある方が猫にとっては理想的です。おしっことウンチを別々のトイレでする猫もいます。猫が色々試せるよう、さまざまな種類の爪とぎを用意しておくといいでしょう。たとえば、トイレの側には縦型、食器の近くには横型の爪とぎがおすすめです。

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2. 猫に優しい環境を作る

猫はよく知らないものを怖がります。猫を迎える際には、1つの部屋に必需品を準備し、最初の1週間から10日はそこで過ごしてもらいましょう。ほかにペットがいる場合は、もう少し長くかかるかもしれません(後述を参照)。そこから少しずつテリトリーを広げていきます。

猫がお家に慣れたら、トイレと爪とぎをそれぞれ他の部屋や別の階にも設置します。他に猫がいる場合は複数準備してあげましょう。必需品を家の複数個所に準備しておくことは、とくに高齢猫や幼い子猫にも大切です。その場で急に必要になったときに対応できるようしておくことは、健康状態の維持のためにも非常に重要です。

猫が来る前に、猫にとって危険なものがないか家中を見直しましょう。洗剤や医薬品類は手が届かないところに保管し、猫に中毒を起こす可能性のある観葉植物も猫が絶対にイタズラできないような場所に移動させるか、あるいは処分するようにしてください。人間のトイレや洗濯機、乾燥機はつねに蓋やドアを閉めておきます。カーテンやブラインドの紐は縛っておきましょう。電気コードも配線を変えるか、露出しないようカバーします。網戸も状態を確認して破れている箇所があれば修理します。好奇心旺盛な猫に壊されないように、割れ物は片付けておきましょう。

3. 家族との対面

はやる気持ちもわかりますが、家族や同居動物に会わせる前に、猫自身が安心安全だと感じられる環境が必要です。ゆっくり、少しずつ慣れてもらいましょう。

他のペットと会わせる

先住動物たちに直接接触しないよう、最初はドアを閉じたままにし、匂いと音やドアを叩く足音から慣れさせます。1週間ほど経ち、シャーッと威嚇しなくなったら、ドアを開け、ペット用のゲート越しに対面させます。安全な環境でお互いの匂いを嗅ぎあうことができるようにします(嗅ぎたくないようだったらそれでもかまいません)。

数日経過したら、場所を交換します。先住動物を新しい猫の部屋に入れ、新しい猫に家の中を探検させます。どちらも落ち着いているようだったら、ゲートを外し、自分たちのペースであいさつする様子を少し離れたところから観察しましょう。

先住動物が犬の場合、最初はリードを付けたままか、猫をキャリーかケージに入れて、無理に対面させないようにしましょう。新入り猫が威嚇を続けるようなら、いったん引き離し、日をあらためてもう一度挑戦します。ポジティブな経験だと思ってもらえるよう、同じ部屋の反対側でそれぞれにおいしいおやつを与えてもいいでしょう。

互いが快適だと思えるようになるまでは、フリーにしているときには目を離さないようにして、留守する際には別々にするようにしてください。

子どもに慣らす

幼い子どものほとんどは、猫と遊ぶことを望んでいると思いますが、前もって猫の扱い方を教えておく必要があります。猫の性格にもよりますが、無理に触ろうとしたりすると、猫が怖がったり、攻撃的になったりするかもしれません。主導権は常に猫にあることを子どもに伝え、追いかけたり触ったりはもちろん、大きな声で呼んだりじっと見つめたりしないように教えます。猫が自ら近寄って来るまでは、静かに座って待つように伝えましょう。猫が近づいてきたら、ゆっくりと手を伸ばして匂いを嗅いでもらうか、おやつをあげて、いい印象が残るようにします。

4. 動物病院に連れて行く

動物病院へ連れて行くタイミングは、新しく迎い入れる猫のそれまでの環境により異なります。外で暮らしていたなど、健康状態がはっきりわからない場合には、できるだけ早めに連れて行った方が良いですが、ブリーダーや預かりさんなどからの場合には、体調で気になることが無ければ、数日様子を見てから連れて行くのが良いでしょう。獣医師に健康状態をチェックしてもらい、必要な予防薬やワクチン、まだ行っていなければ避妊去勢手術についてのアドバイスをもらいます。尚、先住の動物がいる場合には、動物病院で診察してもらうまでは、接触させないように注意しましょう。

爪切りやデンタルケアなどの定期的なお手入れについてもアドバイスをもらいましょう。マイクロチップが装着されていない場合は、マイクロチップについても相談してください。これは個体識別のためのツールで、万一迷子になってしまっても、飼い主がわかるようになっています。

猫で心配なのは、上部呼吸器感染症などの他の猫にうつりやすい感染症です。この上部呼吸器感染では、鼻水やくしゃみ、涙目などがよくみられる症状です。環境の変化がきっかけとなってこういった症状がひどくなることもあります。いずれにしてもこのような症状をはじめ、何か気になる症状があれば、早めに動物病院を受診してください。緊急時に備えて、すぐに分かるところに動物病院の電話番号や夜間の連絡先を保管しておきましょう。

5.焦らず少しずつを心がけましょう

猫にとって、慣れない初めて経験することはすべて恐怖に感じる、ということを認識してください。新しい環境にすっかり慣れるまでには、隠れて出てこない、食事を食べない、夜泣きする、トイレ以外での排泄や爪とぎ以外の場所で爪とぎをする、といったようなことが起こる可能性もあります。排泄や爪とぎはストレス解消のマーキングの意味もあるので、行動範囲を制限し、できるだけ猫が好むようなトイレ環境だったり爪とぎの材質だったりを準備するようにしてください。猫は頬をすり寄せてフェロモンを擦り付けることで安全な場所を認識するため、フェリウェイのような猫フェロモンのスプレーやディフューザーがあれば、スムーズに環境に慣れていくのに役立つ可能性があります。

猫と一緒に遊んだり積極的にコミュニケーションをとることは、猫が環境に慣れて猫との関係を築くことに役立つ場合もありますが、絶対に無理強いしてはいけません。時間が経てば落ちつき、猫自身のペースで信頼を寄せ、近づいてきてくれるでしょう。それまでは、遊び道具として空の段ボール箱や紙袋を与えてみましょう。楽しく遊んでくれると同時に、格好の隠れ場所にもなり、ストレスの軽減に役立ちます。少し慣れてきたら、猫じゃらしなどを使ったインタラクティブな遊びも、猫の狩猟本能を刺激し、猫の満足感を高めます。好みのオモチャは猫によって異なるので、いろいろと試して気に入るものを見つけましょう。なお、遊ぶ際には誤飲・誤食に注意してください。猫では特にひも状物での事故がよく知られています。オモチャは遊んだら必ずその都度片づけるようにしてください。

新しい猫を家に迎えることは、ペットとの豊かな暮らしの始まりです。新しい家族が徐々に時間をかけて本当の家族になっていくことを楽しみましょう!
 

Contributor Bio


クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、ロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。