
愛犬にベストなドッグフードの選び方
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ドッグフードを選ぶといっても、本当に数多くのブランドや種類があって、愛犬にとってどれがベストか決めるのは難しいですよね。何かを選択するときには、直感を優先する、という方もいるかもしれませんが、ドッグフードを選ぶ際には、考慮すべき優先順位やポイントがあります。
「身体は食べたものでできている」という古くからの言い習わしは犬にも当てはまります。健やかな成長や丈夫な体作り、健康な被毛と免疫系の維持、そして元気に遊ぶためのエネルギーを作るために、過不足なく、バランスのとれた栄養が必要です。
ペットフードの表示ラベルを確認しましょう
米国飼料検査官協会 (AAFCO)*¹ は、犬や猫の栄養基準や、ペットフード会社が製品ラベルに記載すべき内容について規制当局向けのガイドラインを設けています。ドッグフードを選ぶときはまず栄養基準を満たしているかどうかの記載があるか、チェックしてください。そして、バランスよく必要な栄養素を摂取できるように、動物性たんぱく質や野菜、全粒穀物、オメガ-3脂肪酸、ビタミンやミネラル類など、使用されている原材料について確認しましょう。
AAFCOでは原材料の表記について95%ルールを定めています。これは、1種類の原材料で作られていると製品に記載されている場合は、水分を除いてこの原材料が重量で95%以上を占めていなければならないということです。たとえば、製品の名称がビーフドッグフードで、ビーフが唯一の原材料のように書かれている場合、牛肉の割合が95%以上でなければいけません。また、フードの種類によって書かれている意味が変わってくることも知っておきたいところです。「ディナー」「プレート」「アントレ」といった表記が名称に使われている場合は、その名称に表記された原材料が25%以上含まれていなければなりません。つまり、「チキンディナー」には実際には鶏肉が25%しか含まれていない可能性があるということです。こういった内容を踏まえながら、表記の仕方とそれぞれの原材料について確認しましょう。
ドッグフードのタイプには、ウェットフードやドライフードのほか、フリーズドライタイプのフードや解凍して与える冷凍タイプなどもあります。主食かトッピングかなどのそれぞれの目的に合わせて栄養基準を確認することと、犬の好みも考慮して選択肢にいれるか決めましょう。保存方法に関して、缶詰のドッグフードを冷凍すると、味や質感が変わり、食べてくれないことがあります。
結局のところ、内容がどんなによくても犬が食べてくれなければ、それはベストとは言えません。最適なフードとは、栄養バランスに優れながら、愛犬が喜んで食べてくれるフードです。
サイズや犬種、年齢、ライフスタイルを考慮しましょう
小型犬から大型犬、長毛種や短毛種、使役犬や愛玩犬などなど、犬は非常にバラエティーに富んだ動物です。それぞれの形態学的、あるいは行動的な特徴が異なるので、栄養ニーズも異なってきます。大きさは一番わかりやすい違いで、たとえばグレート・デーンとチワワとでは必要な栄養素の量も食事の量もまったく異なります。また、犬のサイズ(口の大きさ)に合わせて粒サイズや形状が工夫されていたリ、缶詰のサイズにバリエーションがあったりします。
年齢も食事を選択する上で重要な要素です。子犬はまだ成長期のため、穏やかに暮らしているシニア犬とは必要な栄養が異なります。一般的に、子犬は健やかな成長と発達を促すビタミンやミネラル、そして高カロリーのエネルギーが必要です。一方、シニア犬はそこまで多くのカロリーは必要とせず、年齢とともに弱くなりやすい骨や関節をサポートしてくれるような機能性成分を必要とします。なお、大型犬と小型犬とでは子犬の時期に必要な栄養が異なります。グレート・デーンのような大型犬の子犬は急速に成長する身体に合わせた栄養組成が必要で、小型犬の子犬の栄養ニーズとは異なっています。
妊娠中および授乳中の場合、母犬自身と子犬の両方の栄養ニーズに合う食事が必要です。子犬の成長を支えるには相当な量のエネルギーが必要なので、妊娠中の犬には高カロリーフードが必要になります。高品質なたんぱく質や脂質などの主要な栄養素のほか、DHAなども、子犬の健康的な発達に欠かせません。愛犬が妊娠中や授乳中の場合は、最適な食事について獣医師に相談しましょう。
ライフスタイルも必要な栄養素や食事量に大きく影響します。警察犬や救助犬等の使役犬は活動量が多く、一般的に家庭で飼われているペットよりも多くのエネルギーを必要とします。さまざまな場面で人の指示に従い、作業をこなすためには十分な栄養とエネルギーを補給する必要があります。
運動量が少ないほど、当然ですが必要なカロリーも少なくなることをPetMD*² でも説明しています。犬の生涯を通じて、肥満を予防し、適切な体型を維持するためには、個々の犬の特性に合わせた栄養ニーズに合う食事、そして与え方を考慮することが重要です。
健康トラブルや病気の場合
何らかの健康トラブルや病気の場合には、治療や予防の一環として食事療法が推奨されることがあります。実際に、糖尿病や慢性腎臓病、消化器疾患や尿石症などさまざまな病態に合わせた療法食が販売されています。これらは、それぞれの病態に合わせて栄養調整されており、その疾患からの回復を促したり、管理しやすいように設計されています。療法食の中には、衰弱状態や外科手術からの回復を促すために短期間与えることを想定して設計されているフードもあります。(フードを切り替える際は、一般的に段階的に行います)。食事療法については、獣医師の指示に従って行い、勝手にやめたり、何かと混ぜたりしないようにしましょう。
愛犬にベストのドッグフードとは?
最適な栄養素がバランスよく含まれていること、が重要なのはもちろんですが、その最適な栄養素のバランスは、個々の犬の状況によって異なることをご紹介してきました。つまり、1種類でどんな犬にもぴったりと合うドッグフードはありません。ドッグフードを選ぶときには、表示ラベルを確認して、栄養基準や原材料について確認しましょう。そして、犬のサイズや犬種、年齢、ライフスタイルにあっているかを確認します。もし、食事療法が必要な場合には、獣医師とよく相談します。さらに、最適なドッグフードを選ぶ際に考慮すべき最大のポイントの1つは、フードのメーカーがフードの設計や製造にどれだけ配慮しているか、ということです。もっと言えば、栄養学の研究と進歩に時間をかけ、獣医師やペット栄養士がドッグフードの栄養による健康への影響をきちんと評価しているか、信頼のできる会社から原材料を仕入れ、厳格な品質・安全基準を守っているかどうか、などです。
最後に、真偽のほどが不確かな情報が元になっているような流行やトレンドに惑わされないようにしましょう。人の食のトレンドや、食に対する自分の好みをそのまま愛犬の食事に当てはめないようにすることも大切です。愛犬に与えてみたいフードがあるときには、その栄養組成やコストに対する価値、原材料、品質基準、業界における実績など、事前にリサーチしてみましょう。併せてかかりつけの獣医師に相談してみてください。獣医師は愛犬の健康状態や特性に合わせて、アドバイスしてくれることでしょう。獣医師からのアドバイスと、ご自身で調べた情報を合わせることで、愛犬にベストな選択をすることができることでしょう。
ヒルズの製品について質問があれば、ぜひ私たちのサイトのチャット機能を利用して、サポートスタッフにお問い合わせください。
参照先:
*1 https://www.aafco.org/resources/regulatory/
*2 https://www.petmd.com/dog/centers/nutrition/evr_multi_feed-your-pet-with-love-not-excess-food
Contributor Bio

ケイティ・フィンレイ
ロサンゼルス在住のドッグトレーナー兼ライター。6年以上にわたり犬とかかわる仕事を続けながら、対面でのトレーニングやオンライン記事を通じて飼い主のサポートを行っている。