
猫が夜中に遠吠えのように鳴く理由
夜中に、近所から"アオーン"とか"オーン"とか犬?のような猫の鳴き声を耳にしたことはありませんか。夜中の寝ている最中、突然のこの"アオーン"という鳴き声に起こされた・・なんていう経験は"猫のあるある"かもしれません。
こんなふうに、どうして猫は夜中に大声で鳴くのでしょうか。品種の特徴としてよく鳴く猫もいますが(たとえば、ロシアン・ブルー は大のおしゃべり好きで、ひっきりなしに鳴いていることがあります)、猫が鳴くときはそれなりの理由があることがほとんどです。夜中に遠吠えのように鳴くのも、猫にしてみたら何か言うべきこと、今すぐに伝えたいことがあるからなのです!
なぜ猫は夜中に遠吠えのように鳴くのか
鳴くことは人間の家族との(時には猫同士の)猫のコミュニケーション手段の一つです。猫の意思伝達手段の多くは声を使わない非言語的で、鳴き声を上げることは誰かの注意を引くための効果的な戦略になっています。仕事中にキーボードにちょっかいを出されるくらいは無視することもできますが、夜中の遠吠えを無視することは難しいですよね。
猫は通常、日中はそれほど活発ではありません。飼い主や家族も起きていて相手をしてくれるので、声を出す必要がないのです。でも猫は薄明薄暮性といって、夕暮れ時や明け方に活動が最も活発になります。猫は本来、まだ夜中と思われるような明け方にフル回転するようにプログラムされているのです。それで、根強く残る狩猟本能から何か食べたくなったり、本当にちょっと早めに遊んで欲しくなったりして、大きな鳴き声を上げるのかもしれません。
どんなときに心配するべきか
猫は年を取るとできるだけ人のそばにいたがるようになる、とAnimal Planet は言います。夜間に家族と離れていることは、猫にとっては居心地が悪く、落ち着かないことなのかもしれません。聴力と視力の低下といった加齢に伴う問題が、不安を煽り、欲求不満に陥ることで遠吠えにつながるということも考えられます。
10歳以上の猫に起こることがある認知機能障害のような神経学的疾患も、猫の睡眠周期に影響することがあります。コーネル猫保健センター によると、夜中にいきなり大声で鳴き出すのは認知症の兆候かもしれないとのことです。人と同じように、猫も高齢になると睡眠・覚醒サイクルが変化して、昼に眠って夜に活動するようになることがあります。高齢の猫がぼんやりと壁を見つめていたり、トイレを失敗する、食欲が異常に旺盛になるなど、それまでとは異なる行動を示すようになったときは、できるだけ早く動物病院に相談するようにしてください。
避妊処置を受けていない健康なメス猫も、夜間にしきりに鳴くことがあります。室内飼いの猫は一年中発情する可能性がある、とASPCA は言います。この場合の過剰な鳴き声を減らすベストな方法は避妊手術です。避妊処置 は、子宮や卵巣の病気や性ホルモンに関連した疾患のリスクを減らすことにも役立ちます。
騒音とうまくつきあう
それでは、猫の夜中の遠吠えを抑える方法を考えてみましょう。何か食べたくて騒ぐ猫には、寝る前に食事を与えるようにしましょう。活発な楽しい遊びに没頭させることも効果があります。また、口で言うほど簡単ではないかもしれませんが、猫が夜中におやつやだっこをねだっても、無視するように努めてください。応じてしまうとその行動が強化されて、夜中にたびたび要求するようになり寝られなくなってしまうということもあり得るのです。
多くの場合、猫が夜中に遠吠えしたからといって病的な心配はあまりありません。猫たちは飼い主を夜中に起こすコツを完璧にマスターしています。起こす理由はいろいろ考えられますが、多分一番多いのは、世界で一番大好きな飼い主ともっと一緒に過ごしたい、ということでしょう。