犬を外で安全に飼うための注意点

執筆: エリン・オリラ
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

室内で犬を飼育されている方が多いと思いますが、気候条件や居住環境によっては、犬が一定の時間、屋外で過ごすということもあるかもしれません。犬は外にいることが大好きかもしれませんし、必要な訓練も十分にされているかもしれませんが、外で犬を飼うときには必ず安全面を考えなければいけません。屋外では、気候条件、有毒な植物や化学物質、あるいは他の動物による攻撃など、数々の危険に見舞われる可能性があります。また、寂しさを感じたり退屈に思うこともあるかもしれません。

気候条件

風、雨、雪はもちろんですが、時には日光も犬にとって有害なことがあります。当然のことですが、そういったものから犬を保護することをまず考えなければなりません。気候条件によって、外で飼うために準備したり気を付けたりするポイントは変わってきます。極端に寒いまたは暑いときは、犬がいつでも屋内に避難できるようにして、寒すぎたり暑すぎたりするのを自分で調節できるようにしておく必要があります。犬をしばらく雪の中で遊ばせるのも、いつでも室内に入って暖まれるようになっていれば何も問題はありません。また、日光浴をさせるのであれば、いつでも休める日陰や冷たい水を十分に準備しておく必要があります。屋内に入れないと、犬は熱中症を起こしたり凍えたりして、死に至ることさえあります。

長時間、犬を外に出しておかなければならない状況であれば、気候条件から避難できる犬小屋を必ず準備しましょう。その場合は、断熱性と防水性があって、日光を遮断できる覆いがあるものを選択します。犬小屋は大きすぎる必要はなく、犬が中で快適に動ける程度の大きさがあれば十分です。冬には暖かい毛布、夏には凍らせたペットボトルやアイスノン等を備えてあげましょう。

一晩中などの長時間にわたって犬をひとりで放っておいてはいけません。犬に熱中症や低体温症などが起こった場合、気づかない時間が長いほど事態は悪化してしまいます。常に愛犬の様子をチェックして、飲み水が十分にあることや、いつもと違った様子がないかを確認するようにしてください。

犬を外で安全に飼うためのポイント

暑さ

  1. 愛犬が水をいつでも飲めるようにしておかなければなりません。そのために、水飲みボウルは家の中で使用するタイプよりも頑丈で大きく、こぼれにくいようにしなければなりません。地面に浅い穴を掘り、そこにバケツをはめ込む方法があります。そのバケツに水とアイスキューブを入れておけば、地面が水を保冷してくれますし、こぼれにくく便利です。
  2. 愛犬に日陰を準備しましょう。日光の熱から逃げることができなければ、熱中症を起こして体温調節ができなくなりとても危険です。そして、犬は日焼けしないと思っている方もいるかもしれませんが、犬も主に鼻や耳に日焼けして皮膚炎を起こすことがあります。日陰は日光から皮膚を保護するのにも役立ちます。
  3. 舗道や砂は極端に熱くなることを覚えておいてください。犬は人間のように靴を履いていないのですから、芝生などの比較的温度が高くならない場所に移動させてあげましょう。

寒さ

  1. 犬が寒さや冬の風から回避できるようにしておく必要があります。断熱性のある犬小屋のほか、ヒヨコ用の保温器に使うような加温ランプも犬小屋を暖かく保つのに役立ちますが、犬にとって暑くなりすぎないように気をつけなければなりません。
  2. 短毛の犬には防寒用の服も必要になります。外で着るためのペット用セーターやジャケットを準備してあげましょう。
  3. 降雪地帯や寒冷地では、犬を凍結防止剤や融雪剤から遠ざけておかなければなりません。これらは犬の足や粘膜に強い刺激を与えることがあります。し、さらに心配なのは口にしてしまうと犬とって有害であることです。多量に摂取してしまうと死に至ることもあります。
  4. 犬が歩けないほど雪が高く積もったときは、必ず雪かきをして、トイレや遊びのための通路を確保してあげてください。雪が犬の首に届くほど高く積もっているときは、自由に遊ばせないようにしましょう。犬の姿を見失ったとき、探せなくなってしまう可能性があります。

行動範囲を制限する

  1. 犬が外で長時間過ごすときは、安全な範囲から外にでてしまわないようにするためのフェンスを設置してください。フェンスは野生動物から犬を守るためにも役立ちます。フェンスや柵等は、花壇や池のような場所に犬を立ち入らせないという利点もあります。
  2. 車用の有毒な化学物質、不凍液、ガソリン、鋭利な工具など、犬にとって危険な物が置いてあるガレージの周辺には、犬を絶対に近づかせないようにしなければなりません。
  3. 食べ物と飲み水、そしてくつろげる場所には、犬がいつでも自由に行き来できるようにしておきましょう。
  4. 犬が外に用を足しに行って、用が済めばすぐに戻ってくるようにトレーニングできていれば、犬用のドアを取り付けておくと便利です。ただし、外で過ごす時間を犬任せにして自由に決めさせるのは良くありません。夜間は犬用ドアを必ず閉じておくようにしてください。

危険なサイン

  1. 熱中症:熱中症 の徴候には、嘔吐、下痢、青色または鮮紅色の歯茎や舌、よだれ、速い心拍などがあります。また、犬の動きが鈍くなって、飼い主の指示を聞かなくなった場合には、できるだけ早く日陰に連れて行って、身体を冷やさなければなりません。
  2. 低体温症:アニマル・ヒューメイン・ソサイエティーによると、「低体温症の症状として、脈が弱い、瞳孔散大、心拍数低下、極端な震え、蒼白または青色の粘膜、35度を下回る体温、昏迷、意識不明があり、それらの症状には注意しておく必要があります。極端な低体温は、昏睡などの神経系の問題、心臓の問題、腎不全につながることがあります。」と説明しています。

個々の犬の性格にもよりますが、犬は飼い主の近くにいるのが好きですし、私達も犬といると楽しく過ごすことができます。時には犬を自由にして外で遊ばせたり、探検させてあげるのはいいことですが、その際には安全面に十分注意するようにしましょう。

Contributor Bio

Erin Ollila

エリン・オリラ

メッセージが持つ言葉の力は受け手に伝わり、時に大きな変化をもたらしうると信じる、ペット愛好家のライター。インターネットや出版物と広く活動しています。ツイッターは@ReinventingErin。さらに詳しい情報はホームページのhttp://erinollila.comで入手可能です。

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