犬と花火:知っておきたい対策とNG行為

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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夜空を鮮やかに彩る花火。楽しいひと時を愛犬とも過ごしたい、と思う飼い主さんもいることでしょう。でも、人間にとっては楽しいイベントでも、犬にとってあの大きな音は恐怖に感じることも多く、さまざまなトラブルや事故が起きてしまう可能性があります。花火のほか、犬は雷をすごく怖がることもよく知られています。このように、多くの犬は大きな音が苦手です。恐怖心は、危険を感じる状況から身を守るための行動として、自然界で生きていくために理にかなったものと言えるのかもしれませんね。犬の行動についての記事でも説明していますが、犬の聴覚は人間の約4倍も優れていると言われているため、そう考えれば人間にだって地響きがするほど大きく感じる音が、犬にとって恐怖以外の何者でもないことは容易に想像がつくでしょう。

dog hides under coffee table

興奮させないように心がけ、安全対策をしっかりと

では、自宅の近くで花火大会が開催されるなどどうしても花火を避けられない場合、何かできることはあるでしょうか。もちろん全く恐怖をなくすというのは難しいですが、恐怖心を和らげるためできるだけ犬を興奮させないような状況を事前に作ったり、万一の際の逃走を防ぐための対策をとることはできます。ここでは花火シーズンに向けてやっておきたい対策と、避けるべきことをご紹介します。

やっておきたい対策:

  • Positivelyでは、大きな音を少しでも遮るために、そして視覚的な情報を遮るためにも窓とカーテンを閉め、犬を部屋の中にいれます。クレートトレーニングができていれば、中に入れて上から毛布を被せるなどすれば、さらに安心感を与えることができると、アドバイスしています。花火の音が届かないような防音の部屋や地下室などがあって、犬が安全に過ごせるなら、そこにいてもらうのがベストと言えるでしょう。
  • 体力が有り余っていると、恐怖や不安をより感じやすいため、日中にしっかり運動させるようにしましょう。
  • Dogster*¹は、万一犬が屋外にでてしまっても、敷地の外に出てしまわないように犬が抜け出せる隙間や穴がないか、あらかじめ柵をしっかりチェックしておくことを勧めています。
  • 万が一犬が逃げてしまったときに備えて、必ずマイクロチップの装着と最新の情報を記入したタグを犬につけておきましょう。米国の独立記念日(花火が打ちあがる)には、花火の音で不安になったペットが行方不明になるケースが増えると考えられています。不測の事態に備えて、あらゆる予防策を講じておくことが大切です。
  • お気に入りのおもちゃや大好きなおやつを中に入れたおもちゃなど、楽しみながら気晴らしができるツールを与え、花火の間、犬の注意を逸らすようにしましょう。
  • 花火の音を紛らわすために、テレビやラジオをつける方法もあります。花火の始まる前から穏やかな音楽を流すのも、犬の不安を和らげるのに役立つでしょう。

避けるべきこと:

  • 言うまでもないことですが、犬を花火大会に連れていくことは絶対にやめましょう。
  • 非日常感を楽しみたいかもしれませんが、いつもと同じ平常な態度を心がけます。怖がっている犬をはやしたてたり同調したりしてはいけません。よけいに不安がらせてしまいます。
  • 花火のシーズンには、くれぐれもリードを手放さないように注意します。花火の音に驚いた拍子でパニックとなり思わぬ動きをすることがあるので、注意が必要です。いつもなら呼び戻しができても、このような状況だと、犬自身も訳が分からず走り出してしまい迷子になってしまう可能性があります。
black dog puts paws over eyes

慣れさせる方法:焦らず少しずつがポイント

みんながみんな怖がるというわけでは無く、花火を聞き慣れている子犬は成犬になってもあまり怖がらなくなる、というブリストル大学の研究成果をDo You Believe in Dog?*²は紹介しています。犬の社会化の時期にあたる4週齢から14週齢ぐらいの子犬の場合、安全な方法で花火の音に触れさせることで、成犬になったときに怖がらないようにできる可能性があります。

また、成犬になってからでも、花火の音をできるだけ小さい音量から流して慣らす、という方法もあるとThe Spruce Pets*³では紹介しています。

花火の音に慣れさせる方法: 抱っこやおやつなど、大好きなことに夢中になっているときに小さな音で花火のビデオや音を流します。1日にこれを何度か行いましょう。特に反応せず気にしないでいられるようであればそれを数日続けます。大丈夫そうであればボリュームを徐々に上げていきます。ただし、無理は禁物です。怖がる様子が少しでも見られるようなら、もう一度ボリュームを下げてゆっくりと進めていきましょう。大きな音で流しても恐がらなくなるまで、この方法を続けていきます。

恐怖というストレスを和らげるために

人間でも慣れないこと、知らないことに対しては少なからず恐怖を感じるものです。でも周囲に落ち着いていて頼れる人がいれば安心します。ワンちゃんに対しても同じように考えてみましょう。居心地のよい環境を作り、いつもと変わらず落ち着いた雰囲気を保つように心がけましょう。

恐怖でパニック状態になる場合

犬のもともとの性格や恐怖を感じる程度によっては、上記のような慣れるための刺激の調節やタイミングが難しいケースもあり、かえって逆効果になってしまうこともあります。まずはかかりつけの獣医師に相談し、必要に応じて動物行動学の専門医の診察を受けることも検討しましょう。


参照先:
*1 https://www.dogster.com/dog-training/sounds-that-scare-dogs
*2 https://www.doyoubelieveindog.com/2012/12/fireworks-not-fun-for-everyone-or-every.html
*3 https://www.thesprucepets.com/common-dog-fears-and-phobias-1117897

Author

Jean Marie Bauhaus

ジーン・マリー・バウハウス

オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもありペットブロガー兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいます。

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