犬はスイカを食べてもいいの？

夏の風物詩というと、真っ先にスイカを思い浮かべる方も多いことでしょう。甘くてみずみずしいスイカは、本当においしいですよね。このおいしいスイカ、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。スイカを犬に与えることについて、詳しくご紹介していきます。

犬はスイカを食べてもいいの？

結論から言うと、スイカは犬に与えることのできる食材です。スイカの肉厚でジューシーな果肉には、人間にだけではなく、犬にとっても良い栄養素がたっぷり含まれています。

Dogtimeによると、スイカはカリウムとビタミンCが豊富で、βカロテンから変換されるビタミンA（赤肉種）とB6の宝庫でもあります。適度に食物繊維も含まれており、健康的な消化を助けてくれます。一方でコレステロールはまったく含まれず、塩分や脂肪もほとんどありません。糖分は含まれていますが、フルーツとしては低めで、カロリーも低めといえます。全体の約90%が水分であるため、夏の間はおいしいおやつとして与えつつ、それがちょうどよい水分補給にもなり、体温調節にも役立ちます。

スイカ：犬に与えてもよい部分は？

スイカのいわゆる可食部分（果肉）は犬にも安全で栄養たっぷりのおやつですが、それ以外の部分は犬に食べさせないほうがいいでしょう。アメリカンケネルクラブによると、スイカの種は消化が悪く、犬が飲み込んだ場合、状況によっては消化管の閉塞を起こしてしまう可能性があります。

ある程度体の大きさのある中～大型犬であれば、そこまで気にする必要もないかもしれませんが、小型犬種の場合や、高齢で消化機能が落ちている場合などはより注意が必要です。

スイカの皮（外側の固い緑の部分）も種同様に消化が悪いので与えないようにします。下痢や嘔吐といった胃腸のトラブルを起こす可能性があります。なお、食べられる果肉の部分についても、いくら健康的だからといっても与え過ぎには注意が必要です。食べ過ぎは胃腸に負担をかけ、おなかの調子を崩してしまう可能性もあります。

スイカを犬に与える際におさえておきたいポイント

次に犬にスイカを与える際に守っていただきたいポイントをご紹介します：

• 犬には種なしのスイカ、あるいは種を全部取り除いた状態で与えるようにする。
• 皮の部分が入らないよう注意しながら、メロンボーラー（丸いくり抜き器）でくり抜くか、小さなひと口サイズにカットする。
• ・スイカの加工食品は与えない。スイカ風味のおやつやキャンディにはスイカ以外の原料や砂糖、犬にとって有害である人工甘味料が含まれている可能性があります。

そして、主食以外に与えるおやつは、どんな種類であっても犬の1日のカロリー摂取量の10パーセント以内にとどめるように、Preventive Vetは推奨しています。犬の体重によって、1日の摂取カロリーの目安を計算することができますが、個々の犬によって生活スタイルも運動量も異なりますし、普段の食事量も異なります。愛犬に適切な1日の摂取カロリーについて、獣医師に相談して確認しておくと良いでしょう。スイカについては、さいの目切りにしたスイカ1カップで45.6カロリーになると覚えておきましょう（約150g程度）。なお、愛犬に人間の食べ物を与える際には、必ず獣医師に食べさせても大丈夫か、確認をとるようにしましょう。一般的に健康に良い、とされる食品であっても、体質や特定の疾患によっては制限したり避けたりした方がいい場合もあるからです。愛犬に合った適切にバランスが取れたドッグフードを基本の主食として、ちょっとした楽しみとして上手におやつを利用しましょう。

犬へのスイカの与え方について、マスターできたでしょうか。適度な量を守って、今度の夏は愛犬と一緒にスイカでおいしい水分補給を楽しみましょう。
「愛犬のドッグフード（餌）の選び方についての記事」もご参考ください。