ペットの免疫力の維持に役立つ栄養

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飼い主なら誰でも、飼っているペットにいつまでも元気でいてほしいと思うのは当然のことです。ペットもヒトと同じように、正しく栄養を摂取することは健康維持に大きな役割を果たします。

ヒトだけでなく、犬や猫もそれぞれに特有(一部は共通)なウイルスや細菌等による感染症に罹ってしまう可能性があります。そのため、そういった病気に打ち勝ち、健康を維持するための免疫系の働き(自然免疫の応答)を積極的にサポートするように栄養設計されたドッグフード やキャットフード を選ぶことが大切です。ペットフードを選ぶときに、ペットの本来の免疫力を維持することに役立つ、チェックすべき主な栄養素について見て行きましょう。

抗酸化物質の力

犬や猫の体には-ヒトとほぼ同じく-生命活動から産生する有毒な活性酸素やフリーラジカルを体内から常に取り除こうとする働きが備わっています。これらが処理されないまま放置されると、細胞内に蓄積して酸化ストレスを引き起こします。細胞にかかるストレスが大きくなればなるほど、細胞が本来の機能を発揮したり自身を修復したりすることが難しくなります。

抗酸化物質は、体内の細胞の構造とDNAに影響が現れる前に、フリーラジカルを処理して酸化ストレスに対抗するために身体が用いる重要なツールです。

ペットのための抗酸化物質トップ3

ビタミンE

ビタミンEは、フリーラジカルを不活化する抗酸化作用を持つ化合物群(トコフェロールと呼ばれる)で、血液循環を良好にして組織の治癒を促します。

ヒトの場合はビタミンEオイルを皮膚に直接塗布したり、サプリメントとして服用したりすることでビタミンEを取り入れたりしますが、ペットの場合は多くのペットフードにビタミンEが添加されているので、ペットフードを利用していればあえて与えなくても必要な量を容易に摂ることができます。むしろ、ビタミンEは脂溶性で、体内に蓄積してしまうことがあるということを覚えておきましょう。そのため、バランスの取れたペットフードを選んだ上で、ペットが摂取する適正な量を守れるように、給与量の目安に従って与えるようにしたほうがいいでしょう。

ビタミンC

ビタミンCは、炎症を抑えることやビタミンEを再生産することにも役立つ重要な抗酸化物質です。

犬猫とヒトと大きく異なるのは、犬と猫は体内の必須機能を維持するシステムとして、ビタミンCを自ら合成する能力を備えています。さらにビタミンCを食事に追加して補給することは-他の主要栄養素をバランスよく摂取することと共に-ペット本来の免疫力を維持することに役立ちます。

Orange cat eating from a bowl on wood floor

ビタミンCは水溶性のため、犬や猫はビタミンCを必要な量だけ利用して、残りは体外に排泄します。犬や猫に負担をかけずにビタミンCを必要な量与えるには、ビタミンCも含有している完全バランス栄養食を与えることがベストです。

ベータカロテン

他の抗酸化物質と同様にベータカロテンも、フリーラジカルが蓄積して健康な細胞を障害し様々な病気を引き起こさないように働いています。犬や猫では、この栄養素はビタミンEをサポートして、より強力な免疫応答を促すように働きます。

ペットの免疫系の健康維持に役立つその他の重要な栄養素

一般的な抗酸化物質以外にもタウリン、セレン、必須アミノ酸のメチオニンは、いずれもペットの自然防御システムにおいて非常に重要な役割を果たします。

さらに、オメガ3脂肪酸は体内で抗炎症作用のある物質の材料になったり、他にも様々な働きがあることから人気が高まっています。EPAとDHAは一般に青魚等の魚油に含まれるオメガ3脂肪酸です。アルファ-リノレン酸は必須のオメガ3脂肪酸であり、大豆油や亜麻仁はこの豊富な供給源になります。

このような健康維持にプラスになる栄養素がバランスよく配合されているペットフードを給与することで、ペットの年齢やその体調に合った不足の無いバランスの取れた栄養を補給することができます。

犬や猫が健康に長生きするために必要な栄養を見極めるには、単にパッケージを見て成分や栄養素をチェックするだけではなく、ライフステージ、体格、活動レベル、個々の注意すべき健康問題など、総合的にすべてを考慮する必要があります。ですから、愛犬や愛猫の特有のニーズに合ったドッグフード やキャットフード を選択するには、やはりかかりつけの獣医師に相談するのが一番でしょう。

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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