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散歩中やドッグランなどで、ちょっと目を離した隙に、"あっ!なにか食べてる!?"という経験をお持ちの飼い主さんも多いのではないでしょうか?ワンちゃんの性格や好みもあるとは思いますが、コソコソっと素早く動く虫や小動物に、すごく興味を示すコも多いですよね。そんな中でも、今回は比較的暖かい時期や暖かい地域で出くわしやすいトカゲやカエルなどについてご紹介します。食べないのに越したことはないですが、万一の時のために、学んでおきましょう。
どんな犬でもこのようなことが起こる可能性はあるものの、猟犬などの比較的狩猟本能が高いとされる犬種の犬たちでは、より起こりやすいと言えるかもしれません。犬がカエルやトカゲを仕留めようと追いかける姿は滑稽でかわいらしく見えるものですが、実際に触れたり食べてしまった場合、中毒や感染症などのリスクがあり、決して安全とは言えないため、気づいたら絶対にやめさせましょう。このような爬虫類には、捕食者から身を守るために、皮膚から毒(接触毒・経口毒)を分泌する種類もいれば、咬んで毒(注入性の毒)を注入する種類のトカゲもいるからです。Daily Puppy によると、爬虫類はたとえ毒をもっていないとしても、寄生虫やサルモネラのような細菌をもっていて、それが犬に感染してしまうリスクがあります。
外に出る機会のある猫ちゃんであれば、犬と同じようにトカゲやカエルに遭遇することもあるでしょう。とくに猫はあのように素早く動くものには目がありませんから、遭遇=捕食となるリスクが犬よりも高いと言えるかもしれませんね。The Nest によると、北米で猫が獲物にすることの多い小さなトカゲは、中毒を起こすような毒はもっていないものの、肝吸虫と呼ばれる寄生虫を持っていることがあり、猫がトカゲを介してこれに感染すると、肝臓や胆嚢、胆管に致命的な障害を受ける可能性があります。肝吸虫はそのほかにも、淡水魚やカエルなどにも寄生することが知られています。
Cuteness では、アメリカの南東部でみられる縞模様で青い尾をもつ小さなトカゲについて紹介しています。この青い色は年齢とともに薄れ、途中で尾が切れると色がグレーに戻るという性質があるようです。そして、最近ではこの青い尾をもつ若いトカゲには、猫に中毒を起こす可能性のある毒をもつのではと考えられているようです。また、目にすることの多いヤモリは、大きなグループで考えればトカゲの仲間ですが、ヤモリには毒はありません。ただし、小さなトカゲ類と同様に肝吸虫を持っている可能性があるので注意が必要です。尚、イモリやサンショウウオ、カエルなどの両生類の仲間は、皮膚から毒を分泌する種類が少なからずいるようですし、やはり肝吸虫をはじめとした寄生虫を持っている可能性があります。
BioMed Research International誌 によると、オーストラリアの多くの地域に生息するオオヒキガエルは、元来外来種でしたが、その毒によって生態系に大きな混乱をもたらしています。その毒は飼育動物、特に犬に非常に有毒とされています。オオヒキガエルの毒は卵に高濃度に含まれているので、ペットがカエルを丸呑みしたときには注意が必要です。また、オオヒキガエルには耳下腺にも毒性物質が含まれており、食べると神経系および呼吸器系の合併症が引き起こされることがあるため、万一の際にはすぐに動物病院で治療を受ける必要があります。
最近になって、インドネシア、シンガポール、マレーシアの間にあるスンダ諸島にのみ生息しているコモドオオトカゲ(体長3メートルまで成長することもあるので見逃しようがないはず!)にも、毒があって咬みつくことで毒を注入することが分かったようです。さらに、この地域を含むアジアの広い地域に分布が見られるマレーオオトカゲは、毒は無いものの気性が荒く攻撃してくることもあるようなので、注意が必要です。
ペットがトカゲなど何かわからないものを食べてしまったときには、以下のような症状が起こる可能性があります。
また、Daily Puppy によると、多くの爬虫類は消化管にさまざまな種類のサルモネラ菌を保菌しており、ペットがこれらのサルモネラ菌に感染した場合には、次のような症状がみられることがあります。
ペットがトカゲやカエルを食べてしまった、あるいはその疑いがあるときは、すぐに獣医師に連絡してください。食べてしまったと思われる生き物の状況をできる限りメモして、獣医師に説明します。何を食べたかわからない場合も、まずは獣医師にわかる範囲内の状況を説明して、指示をもらっておくと安心です。様子を見るということになったら、上記のような症状が現れないかペットを注意深く観察して、少しでも普段と違う様子に気づいたときや、ペットが異常な行動を見せたときには獣医師に連絡しましょう。北米のトカゲのほとんどは毒をもっておらず、ほとんどのトカゲを含む爬虫類はたしかにサルモネラ菌を保有していますが、食べてしまったからと言って必ずしも感染するということではありません。それでも、ペットを飼う上ではきちんとした知識をもつことが大切です。
屋外ではできるだけ愛犬から目を離さないようにして、犬が爬虫類に出くわしたときには呼び寄せて引き離すようにしましょう。トカゲが多く生息する地域に住んでいる場合には、たとえ柵で囲まれた庭先であっても、愛犬を外に出すときは必ずリードを付けるようにしたほうが安心です。犬と爬虫類を両方飼育している場合には、飼育環境を分けてしっかりと管理する必要があります。
地域によって爬虫類や両生類の生息状況は異なるでしょうが、一般的に出会う可能性のあるこれらの生物を食べてしまった場合、必ずしも緊急事態になるというわけではありません。ただし、これらの生物は地域によって種類が異なるので、住んでいる地域でよく目にするトカゲやカエルなどの種類を知っておくこと、そしてペットの行動を注意深く観察することが、いざというときに正しく対処できるために重要になります。
ジーン・マリー・バウハウス
作家、フリーランスのライター兼編集者。オクラホマ州タルサの自宅オフィスにて、ペットたちに見守られながらペットやペットの健康について執筆活動に勤しんでいる。