子犬を育てる:知っておきたいこと

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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子犬のかわいさは格別で、迎えた日から幸せな暮らしが始まることを想像するでしょう。しかし現実は飼い主さんがやるべきことがたくさん。体調に気を配り、社会化やしつけを行い、子犬が安全に成長するよう気を配る必要があります。初心者飼い主さんは、これらのやることを知るとくじけてしまい、育犬ノイローゼになってしまうかもしれません。縁があって迎えた子犬が幸せに暮らせるように、成長に合わせて健康に育て、社会に適応する能力を伸ばすヒントを紹介しましょう。

子犬を育てる:事前に知っておくこと

Puppy retriever scratching fleas in the grass
子犬は好奇心旺盛で、小さな体でもエネルギッシュです。子犬との新生活の注意点は、人間の子どもとそれほど違いはありません。いたずらをしないように見守ったり、適切な行動がとれるように教えたり、安全に暮らせるように環境を整えたりすることが重要です。子犬は子どもと違って言葉が通じないため、根気よく接することを心がけましょう。

子犬の睡眠時間は18時間以上ともいわれますが、夜間にずっと寝ているとは限りません。ひとりぼっちの不安でクンクン鳴いたりワンワン吠えたりして、家族を起こしてしまうこともあります。また、口を使って遊んだり確認したりするため、リビングのラグやソファ、お気に入りの靴、家族の手などに噛みつくかもしれません。歯が永久歯に生え変わるころは特に、違和感があって噛むことが増えることも。飼い主としては困ってしまうかもしれませんが、子犬の時期は短く、最初の誕生日を迎えるころには心身ともに成長します。子犬らしいやんちゃな振る舞いから卒業して、落ち着いた成犬へと変わっていくはずです。

子犬を迎えるときにはひとつの命に責任を持つ心がまえが必要です。日常生活の中に子犬を育てる時間を確保し、ニーズを満たしましょう。犬のニーズを満たすこととは、安心できる環境をつくる、毎日2回は散歩に行く、トレーニングを行う、一緒に遊ぶ、総合栄養食を与える、自然の中へ出かけることなどがあります。子犬がひとりぼっちになる留守番の時間を短くするために、連休や長期休暇、在宅勤務の時期に迎えるのも良い方法です。集中してトイレトレーニングをしたり、社会化を進めたりできるうえ、いたずらをさせない環境も整えられます。

子犬の安全対策

元気いっぱいで好奇心旺盛な子犬を常に見守るのは不可能なので、サークルやクレートから部屋へ出す前に危険がないように準備をしておくことが重要です。たとえば感電の危険がある電気コード、有毒な観葉植物や洗剤、殺虫剤などは子犬の手の届かないところへ移動したり囲ったりしてください。子犬の目線の高さにしゃがんだり移動したりして、室内の状態を点検してみましょう。子犬が噛んだり飲み込んだりしそうなものは取り除き、足が滑りにくい床材を敷いておくことも大切です。子犬の安全確保に役立つうえ、飼い主の心配事も減らせるので一石二鳥です。

子犬を家に連れ帰ってきたら、さっそくトイレトレーニングを始めましょう。早く始めたほうがそれだけ早く覚えてくれます。クレートの中で犬が落ち着けるようにハウストレーニングを教えることも大切。災害時に同行避難するときにも役立ちます。クレートを選ぶときは、中で犬が立ち上がったり体の向きを変えたり横になったりできる十分な広さがあるサイズを選びます。クレートの中にマットやベッドを入れて快適に整えてから扉を開けたままにして、子犬が自主的に入るのを待ちましょう。フードや知育玩具を中に入れて誘導する方法もあります。子犬がクレートを気に入るほどハウストレーニングは簡単に進みます。

子犬のために広めのスペースを用意するときはサークルを使います。リビングの一画などにサークルを設置し、クレートとトイレを左右の端に置きましょう。クレートに近いほうに食器や水入れ(給水器)、食べ物を入れた知育玩具1〜2個を用意するのがおすすめです。サークルの中は子犬のとって安全なスペースになり、子どもや他のペットから離れてひとりでゆっくり休める場所になります。犬が苦手な来客のときにも便利です。ペットゲートやフェンスを使って狭い場所を囲い、サークルの代わりにする方法もあります。

必要になるグッズ

子犬の健康ために必要なグッズを用意しましょう。

  • フード用と水用のボウル(陶器やステンレスを選ぶ。ある程度重さがあるほうが子犬がひっくり返さない)
  • 高品質の子犬用フード
  • 新鮮で清潔な水
  • 鑑札と迷子札のついた首輪やハーネス
  • 散歩用のリード
  • クレート
  • キャリーバッグ
  • ベッド
  • ブラシやコーム
  • シャンプー
  • 爪切り
  • 歯ブラシと歯磨きジェルやペースト
  • 安全なおもちゃ
  • ウンチ袋(消臭機能付きが便利)
  • ペットがなめても安全な消臭剤や掃除用スプレー

 

子犬の栄養

子犬に必要な栄養とエネルギー量は成犬とは違います。子犬の発達と成長をサポートするための高品質の子犬用フードを選んでください。フードの給与量は、月齢、大きさ、犬種などによって変わるため、獣医師に愛犬に与える食事の量と回数を相談しましょう。

小型犬種の場合、子犬が十分な栄養を摂れるように、いつでも自由に食べられるようにしておくのも一案です。小型犬種の多くは身体的な成長が大型犬種より早いため、成犬用総合栄養食への切り替えの時期は動物病院で相談しましょう。中型犬種も同様です。

大型犬種は身体的な成長に2年程かかることもあるため、子犬用総合栄養食を長く食べ続けることになります。成犬用に切り替える時期は動物病院に確認しましょう。大型犬種に注意が必要な胃拡張や胃捻転は、フードの一気食いや水のがぶ飲み、食後の運動などが原因になるため、量やタイミングに注意しながら食べさせましょう。股関節形成不全などの関節のトラブルに配慮されたフードを選ぶのも良い方法です。

子犬の食事の回数の目安

  • 6~12週齢:1日4回
  • 3~6か月齢:1日3回
  • 6か月齢以上:1日2回

しつけと社会化

Brown Australian Shepherd puppy peeing on the grass with other puppies in the background
犬は本能的に自分の寝床とその周囲を汚すのを避けようとします。子犬がトイレの場所を覚えるまで、飼い主が目を離すときはサークルに入れておくことがトイレトレーニングの成功の鍵になる、とDog Star Daily は言います。子犬の排泄のサイクルに合わせて2~3時間おきにトイレに誘導して排泄させることを念頭に置いてルーティーンを組んでください。ワクチン接種が済むまでは他の犬との接触することのない庭などで排泄させる方法もあります。トイレや庭で排泄できたら必ずほめて、ごほうびを与えましょう。

しつけやトレーニングの際は、子犬に正しい行動と楽しみを結びつける陽性強化の方法(ほめるしつけ)で行うことが重要です。根気強く教えることもポイント。一般的に望ましくない行動は無視をする、もしくは「ダメ」という言葉と共に制止するのが一番です。子犬を叩いたり叱ったりすると、飼い主に対して不安と恐怖を感じるようになります。子犬が好ましくない行動に夢中になっているときは、別のことに気持ちを向けさせるように努めましょう。たとえば子犬が噛んではいけないものを噛んでいるときは、おもちゃに注意を向けるように誘導してください。パピークラスやしつけ教室に通うことも検討しましょう。子犬に適切な行動を教えてくれるだけでなく社会化の促進にもなり、飼い主も愛犬も幸せに暮らすためのスキルを学べます。

正しい社会化は子犬を育てるための鍵となります。社会に適応して精神的に安定した犬になるよう、初めての人、場所、物事、状況をできる限りたくさん経験することが必要です。子犬を公共の場に連れて行ったり他の犬に近づけたりするのは、すべてのワクチン接種が済むまで待つべきですが、社会化は迎えてすぐに始められます。一緒に遊んだり、初めての人、景色、音、においなどに触れたりするだけでも社会化になります。

子犬の健康

子犬を迎えたら動物病院で健康診断をしてもらいましょう。かかりつけがまだ決まっていない場合、近所の飼い主さんや犬と暮らす友人に尋ねれば、周辺の動物病院の情報を教えてくれるはずです。

初診のときに獣医師は子犬の健康状態や寄生虫の有無などをチェックします。時期によってはノミ、ダニ、フィラリアなどの寄生虫駆除薬を処方してくれます。ワクチン接種のスケジュールや不妊・去勢手術の時期についても相談しましょう。

動物病院では子犬に与えるフードの種類や量、世話に関する質問や相談も受け付けています。子犬の世話に関することで心配事があれば聞いてみましょう。歯磨きや爪切りなどのお手入れについても、獣医師や動物看護師がアドバイスしてくれます。お手本を見せてもらうのも良い方法です。

動物病院で生後6カ月の健康診断を受けることもできます。獣医師が子犬の成長と発達をチェックして、健康面での異常の有無を確認してくれるでしょう。子犬が性成熟を迎える思春期に飼い主が直面することが多い悩み事をうまく乗り切るための心がまえやヒントを教えてもらえることも。子犬が成長して成犬になるまでに注意するべきことを尋ねるいい機会になります。

子犬の遊び

しつけやトレーニング、体調の管理に加えて、子犬には健康を維持するための運動も必要です。一緒に散歩をしたり庭で自由にさせたりするほか、一緒に遊んであげることが大切です。楽しい遊びは飼い主と子犬の絆を強めることにもなります。たとえばおもちゃを使って持ってきて遊びや引っ張りっこ遊び、かくれんぼのようなゲームは室内でも楽しめるので、家族の留守番の時間にたまってしまった子犬のエネルギーを発散させるのに役立ちます。毎日15~30分間は必ず一緒に遊んであげるようにしてください。

お手入れ

トリミングが必要のない犬でも、ブラッシングやシャンプーをはじめとするお手入れが必要です。子犬のころにケアを始めて慣れさせておけば、その後の十数年が楽になります。歯磨きや爪切りも同様です。カットやシャンプーをトリマーに、爪切りを獣医師にお願いするなど、完全にプロに任せてしまうこともできますが、自宅でもお手入れする場合に備えて落ち着いていられるように教えましょう。抜け毛が多い犬や被毛が絡まりやすい犬は特にブラッシングに慣れさせておきましょう。子犬のシャンプー の際は、事前にタオルを多めに用意しておきます。濡れてもよい服装に着替えてから子犬をお風呂場へ連れて行き、ぬるめのシャワーに慣らしながらシャンプーしてあげましょう。子犬が心地よいと思ってくれたら、成長しても楽にシャンプーすることができます。最後に大切な歯磨きについて。犬に歯磨きなんて必要ないと思うかもしれませんが、口の健康が全身の健康に直結するので、歯磨きが長生きにも重要な役割を果たします。愛犬を歯磨きに慣れさせるコツを確認しておきましょう。

子犬を育てるのは簡単なことではありませんが、生涯続く強い絆を結ぶためにも必要な経験で、たくさんの喜びが得られる時間になります。飼い主の努力と根気強さがやんちゃな子犬を明るくて礼儀正しい成犬へと変身させるでしょう。さあ、大切な時期のひとがんばりで心身共に健やかな犬に育てましょう。

Contributor Bio

Jean Marie Bauhaus Contributor Photo

筆者紹介

ジーン・マリー・バウハウス
オクラホマ州タルサ在住のフィクション作家であり、フリーのライター兼編集者。よく書く話題はペットとペットの健康について。自宅の事務所でペットたちに助けられながら執筆活動に勤しんでいます。

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