知っておきたい子犬の食事について

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新しく子犬を迎えることは、これから始まる楽しい毎日にワクワクするものです。でもそれと同時に、犬と暮らすということは、今までの生活習慣を見直したり、新たに加えたりしなければならないこともあります。犬の栄養について考えることは、今後も長く健康的な生活を送るために、最も基本的で重要な事柄のひとつです。子犬はあっという間に成長しますから、その成長段階に応じて適切な栄養が摂取できるように常に食事に気を配る必要があります。

連れてきたばかりの子犬には、新しい環境に慣れやすいように、2~3日間はブリーダーや保護施設等で与えられていたものと同じフードを与えるようにしましょう。新しいフードに切り替えるときはいきなりではなく、少しずつ混ぜながら必ず徐々に行うようにしましょう。初めは新しいフードを少しだけ前のフードに混ぜて、1週間ほどかけて徐々に新しいフードの割合を増やしていきます。こうすることで、子犬の消化管への負担を減らし、新しい風味や食感にも慣れやすくなります。子犬に食事を与える時間は、特に幼い間は、できるだけ規則正しくしたいところです。毎日決まった時間に食事を与えるようにすると、生活リズムが整いやすく、トイレトレーニングが飼い主にとっても子犬にとっても楽なものになります。

保護施設やブリーダーで与えられていたフードから別のフードに切り替えるときには、子犬の最初の受診時に獣医師に尋ねてみましょう。獣医師は、子犬の健康状態や品種、成長速度などに基づいてアドバイスしてくれます。過去に子犬を飼ったことがあって、与えるフードを決めていたとしても、犬によってそれぞれ栄養ニーズは異なるので、獣医師に確認しておくとよいでしょう。

子犬の食事量について

子犬の食事量は、日々成長して理想的な体重を維持するために十分なものでなければなりません。まずは、ドッグフードのラベルに記載されている与え方に従いましょう-ただし、与える量は個体差が大きく、子犬の週齢、体の大きさ、品種、活動レベル、気質、環境、健康状態によって変わってきます。あっという間に食べてしまって、まだお腹がすいていそうに見えても、あるいは「もっとちょうだい」とせがまれても、健康的な体重を維持するため、与え過ぎには注意が必要です。大型犬の子犬の場合、たくさん必要だからといって、いつでも食べられるようにフードを出しておいたり、1日あたり2~3カップ余分に与えたりしてもいいかなと思ってしまうかもしれませんが、それはやめましょう。肥満や骨の発達障害につながるおそれがあります。幼い子犬は消化能力が十分に発達していないため、そのエネルギッシュなライフスタイルに見合う食事量を一気に食べて消化することができません。原則として食事を1日に3~4回に分けて与える必要があります。そして6か月齢を目途に、この回数を1日2回に減らしていきます。

子犬の最初の受診時には、今与えているフードの種類や食事量が適切かどうか獣医師に確認しましょう。ドッグフードと言っても、それぞれ含有している栄養素の組成が異なることもあり、それによって推奨される給与量が異なる場合もあります。

子犬に最適なフードを選ぶ

子犬に最適なフード とは、健康的な発育に必要な高脂肪、高タンパク、高カロリーのフードです。健康維持のためのビタミン類や免疫系をサポートする抗酸化物質が強化されていたり、骨や歯の発育のサポートや、尿路の健康を維持するために適切にミネラル成分のバランスが調整されていたりします。フードのパッケージの説明をよく読んで、そのフードに含まれている成分や特徴を確認しておきましょう。

子犬用フードにはウェットタイプとドライタイプがあり、そのどちらにするかは主に飼い主および子犬の好みで決めて大丈夫です。ドライフードはキブルと呼ばれる小さな粒でできています。ドライフードはウェットフードに比べると経済的で、保存が利き、与えやすいという利点があります。ウェットフードは缶詰などになっていて、水分量がドライフードよりも最高で70%も高いので、水分を多く必要とする子犬に向いています。子犬の食事に変化を付けるのに、この2種類のフードを一緒に混ぜることもできます。健全な発育に必要な成分が過不足なく含まれていて、子犬もよく食べ、その犬の特徴に見合ったフードを選ぶようにしましょう。なお、栄養学的に適切なフードであっても、子犬にも個々の体質によって合う合わないがあるので、気になることがあれば獣医師に相談しましょう。

子犬が成犬になると、必要な栄養素のレベルが幼少時とは違ってきます。子犬用フードから成犬用フードへの切り替えは、体の大きさや品種に応じて一般的に1歳から2歳までの間に行います。大型犬は2歳頃まで成長が続くこともあり、完全に成長して体重が落ち着くまでは子犬用フードを与えます。

子犬の好き嫌い

トレーニングのごほうびなどで少量のおやつを与えることは別として、フードをあまり食べない、あるいは喜ぶからといって、おやつや人の食べ物を頻繁に与えていると、"食べ物にうるさい、わがまま犬"になってしまうことがあります。あまりにも特定のものしか食べない偏食は、将来の行動や健康、体重に悪影響を及ぼす可能性があります。人の食べ物を与えることは避け、おやつを与えるのもトレーニングの時だけ、いいことができた時だけにする等、メリハリをつけて与え過ぎないようにしましょう。

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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