丸みのある猫を見て、「少しくらいぽっちゃりしているほうがかわいい」と感じる飼い主さんもいるでしょう。ただ、見た目の印象とは別に、体重が増えてきたときは健康管理の面から一度体型を確認しておきたいところです。
猫は品種や骨格によって適正体重が異なるため、「◯kgを超えたらデブ猫」と体重だけで判断することはできません。体重に加えて、肋骨の触れ方や腰のくびれなども見ていくと、今の体型を把握しやすくなります。
本記事では、「最近、愛猫が丸くなった気がする」「太りすぎかどうかわからない」という方に向けて、肥満の見分け方や原因、健康への影響、体重管理のポイントを解説します。
猫が太っているかどうかは、体重だけでは判断できません。
BCS、肋骨の触れ方、上や横から見た体型などを組み合わせると、現在の状態を把握しやすくなります。
ボディコンディションスコア(BCS)は、猫の体型や脂肪のつき方を評価するための指標です。5段階で評価する場合は「3」が理想体重、「4」が体重過剰、「5」が肥満の目安となります。
理想的なBCS3では、薄い脂肪に覆われているものの肋骨には容易に触れることができます。一方、BCS4〜5になると脂肪層が厚くなり、肋骨が触りにくくなります。
自宅でも確認できますが、慣れないうちはBCSの判定に迷うことがあり、健康診断などの機会に獣医師にも見てもらい、愛猫の適正な体型を把握しておくと比較しやすくなります。
愛猫が立っている状態で、脇腹から肋骨周辺をやさしく触ってみましょう。
適正な体型であれば、薄い脂肪の下に肋骨の存在を感じ取ることができます。反対に、脂肪が厚く、軽く触れただけでは肋骨の位置がわからない場合は、太り気味である可能性があります。
強く押さえつける必要はありません。愛猫が嫌がる場合は無理をせず、動物病院で確認してもらいましょう。
月1回など頻度を決めて触れておくと、「前より肋骨が触れにくい」などの小さな変化にも気づきやすくなります。
触るだけでなく、立っている愛猫を上や横から見る方法もあります。
上から見たときに肋骨の後ろあたりに適度なくびれがあるか、横から見たときにお腹のラインが大きく垂れ下がっていないかを確認します。腰のくびれがわかりにくく、全体的に丸いシルエットになっている場合は、体重が増えていないか確認するきっかけになります。
ただし、被毛の長さや体格によって見た目だけでは判断しづらい猫もいます。見た目、触った感触、体重の推移を組み合わせて確認しましょう。
見た目の記録には写真も役立ちます。同じ角度から撮っておけば、毎日見ていると気づきにくい変化も比べやすくなります。
その他、猫の適正体重の目安について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
太りやすさには、食事量だけでなく生活環境や年齢、避妊・去勢後の変化も関わります。特に次のような特徴は注視しておきましょう。
避妊・去勢後は、手術前と比べて必要とするエネルギー量が変化することがあります。以前と同じ量のフードを与え続けていると、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、体重が増えていくことがあります。
手術を受けた後は体重を定期的に測り、必要に応じて食事量やフードを見直しましょう。
術後は手術前の体重を基準に記録を続けると、増え始めたタイミングを把握しやすくなります。
室内で安全に暮らしていても、遊ぶ機会が少なければ消費するエネルギーは減ります。
特に、食事やおやつを楽しみにしている猫の場合、欲しがるからとその都度与えているうちに、必要以上のカロリーを摂取してしまうことがあります。食事だけでなく、普段の活動量にも目を向けましょう。
食事場所を少し離して移動を増やす、キャットタワーを使うなど、生活の中で自然に動ける工夫も取り入れられます。
高齢期には、若いころより活動量が減ったり、必要な栄養が変わったりすることがあります。年齢だけでなく、現在の体重や活動量に合わせて食事内容を見直します。
一方、高齢猫では病気などによって体重が減るケースもあるため、「高齢だから太る」「高齢だから痩せる」と単純に考えることはできません。体重が増えた場合も減った場合も、その変化が続くようなら獣医師に相談しましょう。
高齢期は体重だけでなく、筋肉のつき方や食欲、排泄の変化も一緒に見ておくと、体調の変化を捉えやすくなります。
体重が増えるときは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っていることが少なくありません。まずは食事量と活動量などに変化がなかったか振り返ってみましょう。
フードの給与量を目分量で決めていたり、おやつを頻繁に与えていたりすると、知らないうちに摂取エネルギーが増えていることがあります。
家族がそれぞれフードやおやつを与えていると、1日の総量がわかりにくくなります。あらかじめ1日分を分けておくなど、家族間で量を共有できる方法にすると管理しやすくなります。
おやつを与える場合は、その分も1日の摂取量に含めて考えるなどの工夫をしましょう。
関連して、満腹感と体重管理の関係について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
摂取量が変わっていなくても、活動量が減れば必要なエネルギー量も変わります。
以前は活発に遊んでいた猫が寝ている時間が増えた、上下運動をほとんどしなくなったといった変化がある場合は、食事量とのバランスを見直してみましょう。
遊ぶ時間だけでなく、普段の移動量や上下運動の機会も活動量に関わります。室内の環境も合わせて見直してみましょう。
年齢や避妊・去勢などによって必要なエネルギー量が変われば、それまで適切だった給与量が合わなくなることがあります。体重が増えてきた場合は、現在の年齢、活動量、健康状態に合った給与量になっているか確認しましょう。
体重が増え始めた時期と、避妊・去勢や年齢、生活環境の変化を照らし合わせると、見直す点を探しやすくなります。
体重過剰の状態が続くと、代謝や関節など健康面にも影響する可能性があります。見た目だけの変化として捉えず、日々の健康管理の一部として考えてみましょう。
肥満は糖代謝との関連が指摘されているほか、体重の増加によって関節への負担が増える場合があります。
体重が増えて動く機会が減ると、さらに活動量が下がることもあります。以前より遊ばなくなった、ジャンプを避けるようになったといった変化も一緒に見ておきます。
なお、体重だけで病気の有無を判断することはできません。体重増加とあわせて気になる症状がある場合は、動物病院で確認してもらいましょう。
猫の肥満が引き起こす病気について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
肥満による影響は、外見からすぐにわかるものばかりではありません。
見た目に変化が少なくても、体重やBCSが少しずつ上がっていることがあります。「元気だから問題ない」と決めず、定期的な記録を続けることが役立ちます。
定期健診とあわせて体重やBCSを記録しておくと、変化があったときに獣医師へ経過を伝えやすくなります。
猫のダイエットでは、食事を急に減らすより、以下で解説するように健康状態を確かめたうえで食事と活動量を調整する方が安全です。
体重が増えた原因が単純な食べ過ぎや運動不足とは限りません。
まず動物病院で健康状態やBCSを確認してもらい、目標とする体重や減量方法について獣医師と相談しましょう。
目標体重や減量ペースには個体差があります。まず現在の体型を評価してもらい、その猫に合う進め方を決めます。
現在のフードの1日あたりの給与量を確認し、計量カップやキッチンスケールなどを使って毎日の量を管理します。
体重管理用のフードを取り入れる方法もあります。適した製品や給与量は猫によって異なるため、減量幅が大きい場合や持病がある場合は獣医師と相談して決めましょう。
フードを替えるときは一度に全部変更せず、便や食欲を見ながら少しずつ新しいフードの割合を増やす方法が一般的です。
食事を見直す際には、体重管理向けに栄養設計されたフードも選択肢です。ヒルズでは、体重管理に配慮した猫用フードをご用意しています。気になる方はぜひご覧ください。
なお、持病がある猫や、どの程度の減量が必要かわからない猫は、フードを切り替える前に獣医師へ相談しましょう。
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猫じゃらしなどを使って狩りのような動きを取り入れたり、キャットタワーで上下運動ができる環境を整えたりすると、室内でも活動する機会を増やせます。
一度に長く遊ばせるより、短い遊びを1日の中で何回か取り入れる方が続けやすい猫もいます。反応を見ながら、無理のない範囲で続けます。
猫の年齢や関節の状態によって適した運動量は異なるため、無理に動かすのではなく反応を見ながら調整しましょう。
肥満気味の猫のための運動のアイデアについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
また、猫のダイエットを成功させる方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
「何を基準に太っていると判断するのか」「どう減量を始めるのか」など、よくある質問に回答していきます。
体重だけではなく、BCSや肋骨の触れ方、腰のくびれなどを確認します。肋骨が脂肪に覆われて触りにくい場合や、腰のくびれが確認しづらい場合は太り気味の可能性があります。
自宅での判断が難しいときは、体重の記録とあわせて動物病院でBCSを確認してもらうと判断しやすくなります。
食事やおやつの与えすぎ、運動不足などが要因として考えられます。避妊・去勢後や活動量が変化した場合には、以前と同じ給与量でも体重が増えることがあります。
食べる量だけでなく、遊ぶ時間や避妊・去勢後の体重変化も合わせて振り返ると、原因を考える手がかりになります。
まず動物病院で現在の体重やBCS、健康状態を確認しましょう。そのうえで、食事量やフード、運動量を段階的に見直します。自己判断で食事量を大幅に減らすことは避けましょう。
減量幅やペースは猫ごとに異なります。目標体重を決めてから、食事と運動を少しずつ調整していきます。