猫の毛づくろいの意味とは?
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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猫がせっせと足や体を舐めたり噛んだり毛づくろいしているの見て、ずいぶんきれい好きだなぁ・・。と感心している飼い主さんも多いことでしょう。でも、猫がなぜそこまで熱心に毛づくろいをするのか、不思議に思ったことはありませんか。毛づくろいは大半の猫に見られる特徴的な行動で、生後間もない頃から始まります。母猫は子猫を舐めて綺麗にし、排泄や哺乳を促し、安心させ、そして絆を深めていきます。生まれて4週間もすると子猫は自分で毛づくろいを始め、その後すぐに母猫やきょうだいたちの毛づくろいもするようになります。自分の毛づくろいや仲間の毛づくろい(アログルーミングと言います)は、大人になっても引き続き行われます。
毛づくろいするために最適な体の構造
猫のザラザラした舌や、鋭い歯や櫛のような足は、どれも見事に調整された、さながら毛づくろいマシンのようです。おまけに猫は、前足を使っておでこにある小さな皮脂腺も刺激します。この皮脂はいわば猫にとって「香水」の役割を果たしていて、猫は自分のニオイとしてそれを全身に塗っているのです。
猫の毛づくろいの意味とは?
猫が毛づくろいをするのは、清潔に保つため以外にも、次のような意味があるといわれています。:
- 体温調節のため
- 被毛を清潔に保ち、自然の皮脂を行き渡らせて滑らかに保つため
- 血行を促進するため
- 唾液の蒸発により体温を下げるため
- 寄生虫、感染源、アレルギー源を取り除くため
- 毛玉(ヘアボール。毛玉の対応方法に関する詳細は、こちらをクリックしてください)を防ぐため
- 転移行動:気まずさや不安、葛藤を感じると、身体を舐めて気持ちを落ち着かせようとします。
毛づくろいが過剰に感じるときは?
ほとんどの猫は、一日の30%から50%程度を毛づくろいに費やしています。それであれば、見るたびに毛づくろいしてるというのも納得ですね。とはいっても、やっぱり気になるほど毛づくろいが過剰であったり、脱毛している、あるいは皮膚トラブルに気づいたら、早めに動物病院を受診したほうがいいでしょう。
過剰に毛づくろいをするのは、何らかの不調があるのかもしれません。ノミなどの寄生虫が気になっている、ということから、心理的な不安や神経系の疾患などが原因の可能性もあります。引っ越しや家の改築、新しいペットや家族、分離不安、刺激の欠如などが引き金となり、猫が緊張や不安、葛藤や欲求不満といったストレスを感じると、それを落ち着かせようとするためにこの毛づくろい行動が過剰になることがあります。毛づくろいをすると気持ちが落ち着くため、葛藤を感じるたびに猫は毛づくろいをするようになるのです。一時的なことであれば、このような行動も様々な状況に猫が対応するための正常な反応ですが、この状態が解決せず持続すると、常同障害と呼ばれる病態に発展し、身体を傷つけてしまうことがあります。舐め過ぎで脱毛や皮膚炎を起こしてしまう心因性脱毛症がその例です。
毛づくろいが不十分なとき
定期的に毛づくろいをすることで、猫は身綺麗にして心を落ち着かせています。でも、具合が悪くなるとその回数が減ってしまう、あるいはできなくなってしまうことがあります。そのようなときには、関節炎などの何らかの痛みがあるか、口の中にトラブルがあるといった体調不良のサインかもしれません。また、あまりに早く母猫から引き離された場合に、正しい毛づくろいの方法を知らないことがあります。
以下は毛づくろいが不十分なサインです。見逃さないようにしましょう:
- 被毛の手触りがザラザラしたり、べたついたりしている
- 身体や尻尾に毛の塊がある
- 足に尿や汚れが付いている
- 悪臭がする
- 食事をした後、フードが顔や胸元に付いている
毛づくろいを促すように、まずは毎日ブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングは皮膚を刺激して血行を促進し、ノミやダニがいないかも確認できます。自分で毛づくろいをしていたら、邪魔をしないようにします。毛づくろいは猫にとって大切な習慣です。存分に満喫させてあげましょう。
Contributor Bio
高橋智司
編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター 獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社