
犬のインパルス(衝動)コントロールとは
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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犬の衝動的な興奮からくる行動、例えば宅急便などの玄関口にやってくる来客に対して吠える、瞬間的に食べ物を拾い食いする、帰宅後に飼い主に飛びつくなどといった行動は、飼い主を悩ませることが多いものです。そういった行動が出た後に、人間の指示によってそれを止めさせるトレーニングはよく知られているかもしれませんが、そもそも犬の衝動的な感情をコントロールするにはどうしたらいいのでしょうか。
インパルコントロールとは、犬の衝動的な興奮、つまり犬の感情的な部分に着目した考え方で、一般的なしつけトレーニングの前段階に位置するものです。瞬間的に湧き上がる衝動を抑えて落ち着いた行動ができるようになる、理性的に振舞えるようになるためのトレーニングです。
犬のインパルスコントロールのトレーニング
このトレーニングは、何らかのきっかけによって起こる衝動的な興奮を、犬が自らの意思で克服することで落ち着いていられるようになり、それによって犬が自信をつけることにも役立ちます。是非実践してみましょう!
基本姿勢を教える
クリッカートレーニングのカレン・プライアーによると、犬が何をするべきかよく理解できていない時に、犬に基本姿勢をとらせて指示または合図を待つように教えることは、結果的にとるべき好ましい行動を促すことになる、といいます。基本姿勢はさまざまな状況で使うことができますし、人に飛びつく、テーブルの横で食べ物をねだる、他の動物を追いかけるといった多くのよくない行動のクセを直すのにも役立ちます。それでは、犬に基本姿勢をとらせるためのトレーニングの仕方を見ていきましょう。
- まず、シット(お座り)のコマンド(命令)で座ることができるようになるまで、お座りを教えます。
- お座りするように命令します。お座りができたらおやつを投げて、犬がそれを回収する行動をするように仕向けます。
- 犬がおやつを食べたら名前を呼び、犬の意識が飼い主に向くまで待ちます。犬の意識が飼い主に向いたら、もう一度名前を呼んで、おやつのごほうびを与えます。いろいろな場面で犬の注意が散漫になり始めたと感じたら、その都度この動作を繰り返し行います。
- 同じ場所でステップ2と3を5回繰り返します。その後、家の中の別の場所に移動して、さらに5回お座りを練習します。
- 毎日2か所で5回ずつの計10回、お座りを練習します。常に場所を変えるようにして、犬の気が散りやすいような状況を想定しながら、さまざまな状況の中で練習します。最終的に、どんな状況でもじっとお座りしたままで飼い主に意識を向けられるようになるのがゴールです。
ドアに突進する、インターフォンに吠え立てるケース
次に個別の困った状況について考えていきます。まずは、玄関に誰かが来るたびに反応して、狂ったように興奮したり、すごい吠え立ててしまう、といった場合です。このような場合には、Wag! の記事を応用したトレーニングを試してみてください。
- 「しっ(静かに)」とか「待て」のような言葉の合図を取り決めます。
- 玄関ドアに近づきます。犬が興奮しながら後を付いてきたら、決めた言葉の合図を発してドアから離れ、おやつを落とします。
- 再びドアに近づき、ハンドルに触れます。ドアから離れて行きながら合図を与え、それからお座りするように指示します。うまくお座りできたときだけ、おやつを与えます。
- この練習を続け、お座りを指示する前の愛犬とドアの間の距離を徐々に広げて行きます。
- 常にきちんとお座りできるようになったら、ドアに近づいて言葉の合図を発します。犬が命令されなくても自ら自分の場所に行ってお座りするのを待ちます。それができたら、ほめて、おやつを与えます。
- 家の中のさまざまな場所からドアに近づいて、練習を続けます。もし犬がドアに向かって吠えたり突進したりしたときは、命令されなくても自分の場所に行ってお座りするようになるまで、ステップ2から5を繰り返します。
- ステップ6を繰り返しますが、今度は飼い主がドアにたどり着いたらドアを開きます。飼い主がドアに近づいて行ってドアを開くところまで、犬が静かにお座りしていられたら、そのときだけごほうびを与えます。
- 最後に、家族や友人の協力を得て、インターフォンを鳴らすかドアをノックしてもらいます。飼い主がドアで受け答えしている間、犬が自分の場所に行って静かにお座りしているという行動を確実にとれるようになるまで、これまでのステップを必要なだけ繰り返します。
食べ物をひったくるケース
食べ物を見つけると、取られまいとしてひったくるように奪う行動をする場合です。こういった場合には、アメリカンケネルクラブ が提唱するこトレーニングのヒントを活用するといいでしょう。
- ドライフードやおやつを握ったこぶしを犬の目の前にかざします。犬がその手からフードを取り出そうといろいろトライすると思いますが、それらはすべて無視します。
- 犬が手からフードを取り出そうとするのをやめたら、もう一方の手で犬にごほうびを与えます。犬が握りこぶしからフードを取り出そうとするのをやめるまで、これらのステップを繰り返します。
- 犬が握りこぶしから離れたら、ゆっくりとこぶしを開きます。そのときにフードをひったくろうとしたら、すぐにこぶしを握って、犬がフードを取ろうとしなくなるのを待ちます。手が開いていても犬がフードを取ろうとしなくなったら、もう一方の手で犬にごほうびを与えます。
- 手が開いていても、犬がそのフードを奪おうとせずに待てる時間を徐々に延ばしていきます。うまく待つことができたら、ゆっくりと手からフードを取り上げて、犬に与えます。犬がまたひったくろうとしたしたときは、こぶしを握って、中身を犬にに与えないようにします。犬がこぶしの中身を自分から奪うのではなく、与えてもらうまでじっと座って待つことができたら、ごほうびとしてそれを与えるようにします。このすぐに食べたい衝動に打ち勝って、我慢することを学んでくれることがゴールです。
犬の本能的な衝動をコントロールするのは本当に難しいことです。個々の性格にもよりますが、このインパルスコントロールのトレーニングもいわずもがな多大なる時間や忍耐を必要とすることもあります。それでも、毎日少しずつでも実践してみましょう。どんな状況であっても、落ち着いて飼い主に意識が向けられるようになることは、犬にとっても人間にとってもすばらしいメリットになります。
筆者紹介

ジーン・マリー・バウハウス
オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもあるペットブロガー兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいる。