子犬や子猫のしつけを始める時期とその方法

執筆: クリッシー・クリンガー
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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新たに子犬や子猫を迎えることは、ワクワクしてとても楽しみなことですが、一方で、嚙みつきや引っ掻きといった、いわゆるペットの"困りごと"に関して不安を感じない人はいないでしょう。このような、家具やスニーカーをガジガジにされる噛みつきや、壁紙を引っ掻かれるなどの"事件"は、新たにペットを飼い始めた人にとっては遭遇するのが普通の事のように認識されているかもしれませんが、そのまま何もせず放っておいて自然に改善するというものではないのです。適切な対処を行って、問題が長期化しないようにしなければなりません。ペットを初めて飼う飼い主の中には、小さな子犬や子猫に言ったって何もわからないと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ごくごく幼い動物でも、母親、兄弟、人間をよく観察し、それが良いことなのか悪いことなのかを着実に学んでいます。こちらが考えている以上に、動物はよく見ているものです。

子犬のしつけ
夕日を背景に小さな茶色の愛らしい子犬

子犬を迎えてまず行いたいのは、トイレトレーニングで、これは飼い主にできる最初のしつけの一つです。8週齢になると、子犬はほめられていることを理解し始め、首輪を着けることを学べるようになります。犬にトイレの場所を覚えてもらったり、排泄のために庭や外に出たいことを飼い主に知らせるようにトレーニングすることは一朝一夕にはできませんから、8週齢を超えて子犬を迎えたら、早速始めてみましょう。トイレトレーニング以外で子犬のしつけを始めるには、12~16週齢が訓練の最適期です、とアメリカンケネルクラブ は言います。本格的なしつけ(号令などを覚えさせるようなトレーニング)を開始する前に、トイレトレーニングをしながら、触られることに慣れたり、ほめながら意識を飼い主に向けるアイコンタクトの練習をしたりと、しっかりと愛情を注ぎながら信頼関係を結ぶ下地を作るように努めましょう。

トイレトレーニングに取り組みつつ、子犬が新しい環境に慣れたら、次に始めたいのは、犬と人が暮らしていくために必要な基本的なコマンド(合図、号令)を教えることです。この基本的なコマンドには、「sit(シット、お座り)」、「lie down(ライダウン、伏せ)」、「come(カム、おいで)」、「stay(ステイ、待て)」、「heel(ヒール、ついて)」の5つがあります。コマンドは犬が覚えやすいように短い言葉で、さらに家族間でも統一した言葉を使うようにします。そしてコマンドを言うときには、静かにわかりやすく1回だけ言うようにし、犬が興味をもってくれている時間だけ、おそらく5分程度ですがそれで切り上げるようにしましょう。なかなかうまくいかないこともあるかとは思いますが、焦って何回もコマンドを繰り返したり、犬が飽きるまでする、叱るなどはしないようします。

しつけをするにあたっては、犬の好きなおやつのごほうびを上手に利用しましょう。望ましくない、間違った振る舞いに注目して罰を与えるのではなく、正しい振る舞いがうまくできたときに注目し、ポジティブな感情が伝わるようにほめることと、ごほうびをあげることでさらに犬にも理解してもらいやすくなります。このようなトレーニングの時間が、飼い主にとっても犬にとっても楽しいものであればあるほど、お互いの絆が深まっていくことでしょう。

お家でのトイレトレーニングや基本的なコマンドがマスターできたら、今度は周囲に他人や他の動物がいても同じようにできるかどうかが次のステップになります。練習と到達の程度の確認を兼ねて、いつもの家庭の状況に、子犬の気を逸らせるもの(別の人など)を取り入れてみるのもよいでしょう。お家では完璧でも、少し状況が変わるとなかなか同じようにすることは難しいものです。

犬にも、人の青少年期に見られるような反抗期のように見える振る舞いが、ちょうど一通りのしつけが終わったかの様に見える6~8か月齢の時期に見られることがあります。犬によっては、その後も何回か同じような振る舞いが見られることもあるようです。具体的には、自分の優位性を主張しようとしたり、反抗的になったりするといった態度が含まれます。このような状況になっても、飼い主としては毅然と一貫した態度を貫き、ほめるときにはしっかりほめてごほうびをあげ、よい行動を強化すること、無理な要求や望ましくない行動については無視するようにします。

子犬が完全に成犬へと成長するには1~2年かかりますから、成長に応じて、少しずつコマンドトレーニングも追加してみましょう。簡単なコマンドの練習と強化を続けながら、「roll over(ロールオーバー、ごろん)」や「paw(ポー、お手)」といった芸ができるようになると、愛犬とのコミュニケーションの幅もぐっと広がります。

関連記事「子犬のしつけを成功させるトレーニング方法」も是非ご覧ください。

子猫のしつけ

子猫のしつけは犬と比較すると、比較的簡単な部分と、犬とは考え方を変えなければならない難しい部分と両方あります。簡単なのは、トイレトレーニングです。猫は生まれながらにして自身の排泄物を土の中に埋めるという本能があるので、一度場所を覚えれば、たいていは特別なトレーニングをしなくても問題なく家の中の決まったトイレでしてくれます。一方、猫の行動の多くは本能的なものが多いため、爪をといだり、高いところから物を落とす、動くものにイタズラするといった行為そのものをやめさせることは難しいと思いましょう。やめさせるのではなく、猫にそうされては困るものはあらかじめ片付ける、あるいは立ち入らせないようにするといった、そうしたい子猫の気持ちを逸らしたりする必要があります。猫は一般的に犬よりも独立心が強く、トレーニングがしにくいところもありますが、ここは犬と同様に一貫した態度を保ちながら、望ましくない行動にならない、させないようにする工夫が必要です。

明るい背景に本が置かれた棚の上の白い長髪の子猫

子猫は、歯の生え変わりで歯がむずがゆいという生理的な理由のほかに、遊びに夢中になって興奮しすぎて噛んだり、動くものを獲物と勘違いして噛んだりなどいくつかの理由でよく噛みます。でも子猫だからといってそのまま放置していては、人のことは噛んでもよい、攻撃してもよいものと学習してしまいます。また、壁や家具での爪とぎや、登ってほしくないところによじ登るということも、直せないからといって、許していいというわけではありません。家財への影響もさることながら、猫自身の安全にも関わってきます。

子猫にそれらの行動をやめさせるには、その行動をしてもよい対象に猫の気を逸らせることです。例えば、子猫がつま先に嚙みついていたら、代わりに嚙みついてもいいネズミのおもちゃを与えて追いかけさせましょう。遊ぶときには手を使うのではなく、このようなおもちゃを使って、あまりに興奮しすぎたときには遊びを止めてその場を離れる等の対処が必要です。また、子猫がソファで爪とぎをしていたら、猫の気に入る爪とぎポストを用意して誘導します。猫にも好みがありますから、いくつか試してお気に入りを見つけてあげるとよいでしょう。お家に子どもがいる場合、子猫への接し方や遊び方を教えると同時に、子猫が良い行動を学ぶのを彼らにも手伝ってもらいましょう。

子犬と子猫をマナーをわきまえたお行儀のいいデキる子たちに育てるためには、愛情をもって一貫性を保つことと、それぞれの特性にあったしつけが必要です。大人になってからでも、もちろんしつけをすることはできますが、それは子ども時代よりもずっと難しく、多くの時間と手間がかかるでしょうし、プロの手を借りる必要があるかもしれません。初めて子犬や子猫を飼ったときには、子犬(パピー)や子猫(キトン)のしつけ教室について動物病院に尋ねて、積極的に参加してみましょう。このようなしつけ教室は、ペットだけでなく飼い主自身がペットのことをよく知るためにも非常に役に立ちます。

子犬や子猫を迎い入れるときには、いろいろな準備が必要ですが、その中にしつけに関しても加えておきましょう。しつけは人と生活していく上で大切なルールや習慣を身につけてもらうために行うもので、決して人の言うことを聞かせる、従わせるためのものではありません。これからお互いに心地よく楽しく暮らしていくために頑張りましょう!

筆者紹介

クリッシー・クリンガー

クリッシー・クリンガー

クリッシー・クリンガーは、2人の子供、夫、そしてペットと暮らしています。授業中やブログなどの執筆活動中を除いて、家族みんなで過ごす時間を楽しんでいます。飼い主とペットのアクティブで有意義な生活に役立つ記事の執筆に情熱を傾けています。

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