目が見えにくくなった犬のためのケア

執筆: カーラ・マーフィー
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人間と同様、犬も歳をとって目が今までよりも見えづらくなることがあります。高齢で目が不自由な方々には周囲の配慮やサポートが必要なのと同じように、視力を失いつつある(またはすっかり失ってしまった)犬のお世話には、今までもよりも注意深く、より細かい配慮が必要になります。今までのアクティブなペットライフに感謝しながら、次は愛犬により快適に過ごしてもらうことを目標に、目が不自由になった犬たちのために必要なことは何かを学んでいきましょう。適切な配慮がなされれば、決して視力を失うことが生活の質の低下を意味するわけではないことは確かです。

犬に視覚の障害を起こす原因

犬の視覚に障害を起こす原因には、一般的に知られている加齢による白内障や緑内障のほか、進行性網膜萎縮症や SARDS とも呼ばれる突発性後天性網膜変性症候群といった病気など、さまざまなものがあります。

犬種や性別などによっても、こういった病気が起こりやすいかどうかに関係することがあります。たとえば、前触れもなく突然発症して、失明を引き起こす SARDS には、特に中~高齢のメス犬がかかりやすい傾向があります。PetMDが報告した研究によると、ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、およびミックス犬も、この病気になるリスクが平均よりも高いようです。一方、白内障は、プードル(トイ、ミニチュア)、コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザー、ゴールデン・レトリーバー、ボストン・テリア、およびシベリアン・ハスキーなどに比較的多く見られます。

目の健康維持に役立つ栄養素

犬の目の病気にはSARDSのように、治療法や予防法が確立していないものもありますが、良質な栄養は犬の健康全体にとってとても重要で、場合によって健康な視覚を維持する助けになることもあります。

ビタミンEやC、ベータカロテンといった抗酸化成分は、犬の目の健康維持に役立つ可能性があります。Pet360によると、ニンジンやカンタロープメロン(ヨーロッパやアメリカ、タイなどで栽培されている赤肉種のメロン)のような人にも犬にも健康によいとされる野菜や果物を摂取することで、白内障の発症確率が下がったという調査報告もあるようです。ですから、成分表にこういったベータカロテンのような抗酸化成分が含まれている、ヒルズ サイエンス・ダイエット のようなドッグフードを探してみてください。

犬の目の病気にはさまざまなものがあり、中にはあまり一般的でなかったり、専門的な治療が必要になる場合もあります。そのような場合にはかかりつけの獣医師から、眼科専門獣医師の診察も勧められるかもしれません。眼科専門獣医師については、 アメリカ獣医眼科学会(ACVO) のような自国の眼科専門獣医師団体のウェブサイトなどで知ることができます。このような専門病院の受診には、かかりつけの獣医師による紹介状が必要になるケースがほとんどですから、目のことについて気になる場合には、まずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

目が不自由な犬との暮らし

では、犬の目が見えにくくなったときに、どのような事に気を付けたらいいのでしょうか。かかりつけの動物病院の先生やスタッフに尋ねてみたり、シニア犬やハンディキャップのある動物たちを専門に保護している保護団体もありますから、そのようなところにアドバイスを求めるのも一案です。以下は、一般的に知っておきたい注意事項です。

  • 目の見えない愛犬に仲間の居場所が分かるように、同居動物に音の出るタグやベルを取り付けましょう(飼い主や家族も身に付けることを検討してください)。
  • 非営利団体の Best Friends も述べているとおり、犬が障害物に近づきつつあることを知らせる「気を付けて」などのコマンドを教えましょう。前に段差があることを知らせる「段差(階段)」などのコマンドを教えることも検討してください。
  • 愛犬の視線まで下がって家中を見渡し、危険物がないか確認しましょう。たとえば尖ったテーブルの角などは、急いで近づいたときにけがをするおそれがあります。
  • 寝床から食事場所や部屋の出入り口、お気に入りの場所などへのアクセスを含めた、愛犬の日常生活の手助けをしましょう。このようなところに移動しやすいように、これらの経路から犬にとって障害となる物を取り除いてください。外に連れ出すときは、安心させながら犬のお気に入りのトイレスポットまで導く必要があるかもしれません。慣れてくると、家のものの配置や道順も覚えてきますし、犬の感覚も研ぎ澄まされていくので、これらの日常活動も問題なくこなせるようになるでしょう。
  • 愛犬が活発さを維持できるように積極的に手助けをしましょう。視覚に障害があっても、楽しんだり遊んだりできなくなるわけではありません。盲導犬が視覚障害者のためにするのと同じように、飼い主はリードを使って愛犬を導いてあげることができます。進むべき方向が犬に伝わりやすいように、リードは必ず短く持つようにしてください。辺りを嗅ぎ回らせて、匂いを通じて周囲を把握させるのもいいことです。犬が遊ぶのを手助けすることもできます。庭など、犬が走り回ることができる開放された安全な場所を見つけて、音の出るおもちゃを使って「取ってこい」遊びをしましょう。やがて嗅覚と聴覚を通じて、ボールを追いかけることや、呼ばれたときに飼い主のところに持ってくることができるようになるはずです。

確かに、目の不自由な犬との暮らしは、特別な配慮が必要になります。でも、愛情と時間をかけることで、それは飼い主として当然で特別なことではなく、自然な状態と思えるようになります。以前のように物を見ることはできなくなってしまっても、常に変わらぬ愛情と愛着を示し続けていれば、犬の心にはきっとあなたの姿がしっかりと映っていることでしょう。

筆者紹介

カーラ・マーフィー

カーラ・マーフィー

ペンシルベニア州エリー在住のフリーライター。ゴールデンドゥードゥルのマディーと暮らしています。

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