愛犬のお手入れのポイント:ブラッシング、シャンプー、耳、歯、爪編

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子犬の健康を維持するため、そして子犬とお互いに理解し合うためのコミュニケーションの1つとして、日々のお手入れはとても重要です。お手入れをすることは、子犬と触れ合いながら楽しく過ごせる時間であるとともに、ペットの全身に触れることで傷や炎症がないか、痛いところがないかなどもチェックできる非常に有益な方法です。

  • 愛犬の種類の被毛に一番効果的で、犬にとって快適と感じるブラッシングやコーミングの方法を、獣医師やプロのトリマーから教わっておきましょう。
  • お手入れのための場所と手順を決めておきましょう。また、お手入れするときに適した犬の体勢を獣医師やプロのトリマーから教わっておきましょう。犬にとって無理な体勢のまま作業し続けることは、関節などを痛めてしまう可能性もありますし、犬もお手入れに対して嫌悪感を持ってしまうかもしれません。手足や耳を触られても嫌がらないように少しずつ慣らしてトレーニングしていくことも大切です。
  • ブラッシングは基本、生えている毛の流れに沿って行いましょう。プードルの様に立毛するタイプの犬種では、洗った後乾かす際に毛流れに逆らいながら毛を伸ばしてブラッシングすることもあります。
  • 毛が密生している犬や毛が絡まりやすい種類の犬、ロングコートの犬では、毎日お手入れすることが必要な場合もあります。毛が絡まり、それを放置するとやがて毛玉になります。毛玉をほぐしたりとかすのは大変ですし、痛みも伴います。また毛の根元の方で毛玉になると、皮膚炎を起こしたり、犬の動きを制限してしまうこともあります。耳の下、脇や尾、お腹など掻いたりこすれたりする部分が毛玉になりやすい箇所です。
  • スムースコートの犬種ではそのほかの犬種に比べるとそれほど頻繁なお手入れは必要ないことが多いですが、愛犬がお手入れに慣れて期待するようになるくらいに習慣化しておくことに越したことはないでしょう。
  • 犬種によっては、プロによるカットやケアが必要な場合もあります。ハサミやバリカンなど、慣れていない状況で刃物を使用することは非常に危険です。親しみやすいトリミングサロンを見つけて、早めに子犬を慣らしておくことも大切です。

子犬のシャンプー

ヒトと犬では皮膚の厚さや性質が異なります。そのため、シャンプーは犬用のものを選びましょう。犬用シャンプーは犬の皮膚のタイプによく合うように設計されていて、多くの種類が販売されています。愛犬の犬種や被毛タイプに適したものを選ぶのが良いですが、わからない場合には獣医師やトリミングサロンに相談してみましょう。シャンプーするときは、シャンプーが目に入らないように注意しましょう。

子犬にとってツルツルの面は滑ってしまう不安があり怖いと思うことが多いようです。シャンプーする際にシンク等の底が滑る場合には、そういった恐怖感から落ち着かずかえって無理に動くことで怪我をしやすかったり、シャンプーに対して嫌悪感を持ってしまう可能性もあります。滑り止め用のバスマットやゴム製マットを用意して敷いてあげるとよいでしょう。

耳のケア

特別汚れていたリ、気にしていたリすることがなければ、一般的には犬への積極的な耳掃除は必要ありません。目に見える範囲で軽く拭いてあげるだけで十分です。ただ、定期的に耳の様子をチェックする習慣はつけておきましょう。いつもより赤みがある、汚れが多い、臭う等普段と異なる様子がある場合には動物病院を受診しましょう。

犬の耳は犬種や個体によって様々な形状があり、そういった違いによって汚れやすかったり、ムレやすかったりすることがあります。さらに耳の中に毛が生える犬種もいます。こういった犬達には、耳の環境が悪くならないように定期的な耳のケアが必要です。トリミングサロンや動物病院への定期的な訪問のほか、お家でできるケア方法を獣医師に尋ねてみるとよいでしょう。

デンタルケア

子犬の時はみんな歯が白くてお口もきれいなので、忘れてしまいがちなのですが、お口の健康は子犬の全身の健康にとって欠くことのできないものです。ヒトと同じように子犬にも、歯垢が付かないように定期的なデンタルケアが必要です。獣医師は身体検査のたびにお口も調べてくれますし、必要ならば専門的なクリーニングも実施してくれます。

子犬の歯と歯茎の健康維持に役立つように、定期的に歯磨きをするようにしましょう。獣医師に正しいやり方を尋ねておきます。なお、人間用の歯磨き剤には犬に好ましくない成分が含まれていることもあるため、使わないようにします-犬に安全で毎日使用できる犬用のデンタルキットを選びましょう。

最後に、歯が折れてしまったときは必ず、すぐに獣医師に報告してください。

歯のトラブル

犬では、とくに中年齢以降になると、歯のトラブルが起きることがよくあります。ですから、今からでも遅くないので愛犬の口内をよく観察してみましょう。定期的に、少なくとも週に1回はチェックするようにして、次のような症状がないか確認するようにしてください。

  • 口臭
  • 歯ぐきの出血
  • 歯垢と歯石の蓄積

繰り返しになりますが、犬の歯のトラブルを予防するためには、毎日の歯磨きがとても大切です。子犬のうちから始めて、習慣になるようにします。いろいろと使いやすいように工夫された犬用のデンタルケア製品がたくさん販売されています。どれを選んだらよいかわからない時は、獣医師にお勧めのものを紹介してもらうとよいでしょう。

愛犬の歯の磨き方

  • 慣れないうちは、その場を離れないようにリードをつけて行ってもよいでしょう。
    また、歯磨きをする前に口の中に指を入れても嫌がらないようなトレーニングを事前にしておくと、よりスムーズに進めることができます。
  • 子犬の口に触りやすいように、犬のマズルや顎をそっと押さえます。正面から対面すると犬が嫌がる場合が多いので、犬の背後や横から優しく押さえるようにするとよいでしょう。
  • 指に歯磨き剤を少し付けて、それを子犬に舐め取らせます。
  • 今度は少し多めに歯磨き剤を付け直して、歯をやさしくマッサージし始めます。子犬がこれに慣れてくれたら、いよいよ犬用歯ブラシを使い始めることができます。
  • 唇と頬を指でそっとめくって、前臼歯と後臼歯(奥の方の歯)に歯ブラシが届くようにします。
  • 力加減をまずは自分の肌で確認して、強くこすりすぎないように注意します。強すぎると歯茎から出血してしまいます。優しく円を描くように、歯と歯ぐきの境界を念入りに、一番歯石が付きやすい奥歯までブラッシングします。

最初は難しいかもしれませんが、人も手慣れてきてスムーズになるとともに、犬の方もそこまで嫌なものではないと学習するようになります。うまく磨くことができたらご褒美をあげるのも良い方法です。小さいうちから習慣にしておくことは、将来の犬の健康にとって非常に有益なものとなります。

成犬になれば、歯磨きだけでなく、ヒルズ プリスクリプション・ダイエット t/dのような、歯と歯ぐきの健康維持に役立つドッグフードも利用できます。これらの特別に設計されたドライフードは、歯の表面を優しくこすり取り、歯垢の付着を防ぐことができるように作られています。

爪のケア

犬もヒトと同様に爪が伸びます。散歩をするようになれば、その伸び具合は個々の生活スタイルに大きく影響するため、ほとんど切らないでも大丈夫な場合もありますが、散歩に行けない子犬のうちは爪のケアが必要になります。子犬の爪は鋭く、犬に悪気がなくても世話をしている最中にヒトが引っ掻かれたり、誤って布などに引っ掛けてしまったりして危険なことがあるからです。爪を切るときは、指に近いピンク色の部分(クイック)に含まれる血管と神経を避けるようにします。初めての時には、獣医師に子犬の爪の切り方をやって見せてもらいましょう。

犬の爪の色が黒っぽい場合は、血管を含むピンク色の部分が見えないため、少し難しいです。慣れるまでは獣医師かプロのトリマーに爪切りをお願いするのがが良いでしょう、。爪切りの頻度は大体4週間に1回が目安になります。

家で子犬の爪を切るときは、以下の手順に沿ってやってみましょう。

  • 犬用の爪切りを使うようにします。
  • 最初は子犬がおとなしくしているときにやさしく足に触れるだけにして、足先に触れられることに慣れるようにし、そのあとに徐々に爪切り作業に慣らして行きます。
  • 指で子犬の肉球を押さえて足指を広げることに慣れさせます。
  • 最初は週に1回程度にして、1回に全部ではなく2~3本ずつくらいにして爪を切ります。爪切りの回数が多いほど、子犬は爪切りに慣れてきます。
  • 犬によっては前肢や後肢にヒトの親指のような地面につかない爪(狼爪)があるので、忘れずにその爪も切ります。狼爪は、きちんと切っておかないと、伸びて皮膚にくい込んでしまうことがあります。

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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