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犬がずりずりと床にお尻をこすりつけるようにしてお尻歩きしている姿は、なんだかほほえましく可愛らしいですよね。でもこれって、肛門付近に違和感があるサインであることをご存知でしたか?排便直後など、特に異常がなくてたまたまちょっと気になっただけのときもあるかもしれませんが、頻繁にやるような場合は肛門や肛門線に違和感を感じる何かがあるのかもしれません。その中でも犬のお尻歩き問題の原因によくなるのは肛門腺です。

The Spruce*¹ の説明によると、犬のお尻には、肛門の内側の左右の筋肉の壁の中に1つずつ、計2つの小さな嚢(袋状の構造物)があり、これを肛門腺(嚢)といいます。これらの嚢には、その内側にある脂腺(脂を分泌する腺。毛根を包む毛包の脇にある腺と同じ構造)からの分泌物が徐々に溜まります。
犬の肛門腺の役割は、犬同士のコミュニケーションといわれています。犬が互いに挨拶するときに嗅ぎ合うのがこの部分です。肛門腺は、犬が排便をするときには必ずニオイも発しつつ、排便を容易にする働きもしていると考えられています。通常肛門腺の分泌物は、犬が排便するたびに排泄されますが、犬が驚いたときや恐怖を感じたときなどにも出ることがあります。
お尻歩きと肛門腺トラブルにはどんな関係があるのでしょうか?この行動は、肛門腺に分泌物が溜まり、かゆみや不快感を覚えた犬が、それを解消しようとして床にお尻をこすりつけることから起こります。
どんなときに肛門腺にトラブルが起きるのでしょうか。肛門腺の分泌物は犬によって硬めだったり水っぽかったりと個体差があり、通常の排便だけでは十分に排出できないことがあります。そのため、分泌物が溜まりやすい体質の犬もいます。
また、Preventive Vet*² によれば、肛門腺の出口が塞がってしまうことで分泌物が排出されず、腺が張ってしまうケースもあります。これが炎症や感染につながることもあるため、早めの対処が重要です。
Petfinder*³ によると、便秘や下痢のように腸の運動性があまり良くないと、排便時に肛門腺への刺激が伝わりにくかったり、肛門腺の分泌物の正常が変わったりして肛門腺のトラブルを起こしやすくなるといいます。また遺伝による肛門腺の奇形があったりしても原因となることがあります。Preventive Vetは、肛門付近に慢性的な皮膚疾患がある場合でも、慢性的な肛門腺のトラブルにつながることがあると付け加えています。
そのほかには、甲状腺機能の低下や肥満でも肛門腺のトラブルを起こすことがあります。そして、肛門腺が過剰に溜まらないようにすることはとても大切なことですが、反対に気にしすぎて絞りすぎることもよくありません。過度な刺激は自然な排泄機能を妨げたり、組織を痛めてしまう可能性もあります。個体差もあるので個別に獣医師に確認するのが安心ですが、一般的には月に1回程度が目安となるでしょう。
この状態は犬とって不快であるだけではなく、そのままにすると化膿し、さらに袋が破けてしまうこともあります。そのような状態を肛門腺炎といいます。肛門腺炎の場合には、局所の洗浄や外用薬などの処置とともに、抗生物質などによる治療が必要になることもあります。
肛門腺の溜まりやすさには個体差があって、ほとんど溜まらない子もいますが、肛門腺炎を防ぐためには定期的に絞っておくと安心です。コツをつかめば、お家ですることももちろん可能ですが、心配であれば、動物病院やトリミングサロンなどにお願いする方法があります。肛門付近を触るのを嫌がる、肛門付近が赤くなっているなど、気になることがあれば動物病院を受診しましょう。
子犬は生後1年間、ワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成犬は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢犬や特別なケアが必要な犬は、より頻繁な検診が必要になる場合があります。
肛門腺の絞り方をご紹介します。肛門腺は肛門を時計に見立てて、4時と8時に位置しています。しっぽをしっかりと上に持ち上げると分かりやすくなります。肛門に向かって開口部が開いているので、袋から絞り出すように下から上にしごくようなイメージで押し出します。勢いよく飛び出ることがありますので、ティッシュ等で肛門を覆うようにしてから行うようにしましょう。なかなかコツのいる作業ですし、肛門腺の位置も個体によって差があり分かりにくいこともありますので、最初は専門家にやり方を教えてもらうのがベストです。ただし、犬にとっても不快な作業ですから、状況によっては嚙みついたり逃げ出したりするおそれもあります。無理せずに、難しい場合にはプロにお願いしましょう。

犬のお尻歩きは、肛門腺に違和感があるときによく見られる症状であることは、すでにお話しました。もし処置が必要なほどの状態であれば、1〜2回程度の軽い動作では収まらず、何度も繰り返しお尻をこすりつけたり、肛門付近をしきりに舐めたり気にしたりする行動が見られるようになります。
また、肛門の周囲が腫れていたり赤くなっていたりする場合は、炎症を起こしている可能性もあります。犬が座っていた場所に血や膿が付いていて、そこで異常に気づくこともあります。
犬のお尻歩きの頻度が気になる、お尻付近を気にしているときには、動物病院を受診しましょう。腫れたり赤くなったりしているとき、肛門付近にできもののように見えるものがあるときには、尚更早く診てもらう必要があります。このようなできものは肛門腺の化膿のほか、肛門周囲の腫瘍であることもあるからです。
また、肛門腺のトラブルを繰り返すときには、何らかの基礎疾患がある場合もあります。適切な診断のためには獣医師の診察が必要です。
肛門腺のトラブルにいち早く気づくために、日頃からよく観察することはとても大切ですが、そのほかにも肛門腺のトラブルを予防するために、飼い主にできることを考えてみました。
場所が場所だけに、なかなか普段からよく見たり気にしたりしにくいかもしれませんが、注意しておいて悪いことはありません。見えにくいところほど、よく注意してチェックを忘れないようにしましょう。
参照先:
*1 https://www.thesprucepets.com/anal-gland-problems-in-dogs-1117847
*2 https://www.preventivevet.com/dogs/anal-glands-what-to-do-when-they-are-a-problem
*1 https://www.petfinder.com/dogs-and-puppies/health-wellness/grooming/dog-anal-gland-care/
クリッシー・クリンガーは教育者、ライター、そして2人の子供、3匹の犬、3匹の猫の母親です。愛犬のジェイクは、隙あらば彼女の膝の上に乗るのが大好きです!ペンシルベニア州の田舎で、アクティブで環境に優しいライフスタイルを楽しんでいます。
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