
犬の遠吠えの意味とは?遠吠えする理由と心理、やめさせるコツ
※参照リンク先は英語になります。
犬はさまざまな鳴き声を使って、欲しいもの、必要なもの、感情などを表現します。特に遠吠えは強く周りに訴えかけるものです。とはいっても、その理由はたいていはっきりしません。犬が遠吠えをする本当の理由は何か、その秘密を解き明かしていきましょう。
犬はなぜ遠吠えをするのか
遠吠えは本能による行動で、オオカミと同じように長々と続く、悲しげで大きい鳴き声です。短く単発的な普通の鳴き声とは違っています。
犬が遠吠えをする理由のいくつかはオオカミと同じかもしれません。でも、犬は人間と暮らすように進化し、成長してきたため、遠吠えの理由も進化してきたことが考えられます。その考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。
- 群れへの合図:オオカミと同様、犬の遠吠えは群れの仲間に帰り道を教える手段になります、とDogsterは言います。これは実際に群れで暮らす野生の犬だけでなく、人間の家族や自分の世話をしてくれる人を群れの仲間とみなしている場合にも当てはまります。あなたや家族がしばらく留守にしているときにワンちゃんが遠吠えをするのは、これが理由かもしれません。
- 敵の撃退となわばりの主張:犬はライバルの犬になわばりを主張するため、また、なわばりに脅威をもたらしそうなものを遠ざけておくために遠吠えをします。1頭が遠吠えをすると近所の犬たちが一斉に遠吠えをし始めるのは、これが理由かもしれません。互いにそれぞれのなわばりを主張しているのです。
- 騒音に対する反応:犬は近くで鳴ったサイレン、楽器、テレビの音や、あなたの歌声などに反応して遠吠えをすることがあります。その遠吠えは、その音が嫌いだという抗議の意味かもしれませんが、逆にその音が好きで一緒に参加したいという意思表示かもしれません!
- 精神的苦痛の表現:Roverによると、犬は恐怖、不安、悲しみを表現するために、また快適さを求める気持ちを伝えるために遠吠えをすることがあります。とくに分離不安の犬は、世話をしてくれる人が自分から離れたときに遠吠えすることが多い、といいます。
- 身体的苦痛の表現:同様に、身体的に苦痛や不快感を感じている犬も、世話をしてくれる人に注意を向けてもらおうとして遠吠えすることがあります。遠吠えの理由が分からないときは、犬の痛みのサインが現れていないかも確認してみましょう。遠吠えが続いているのに理由が分からないときは、獣医師に相談してください。
犬が遠吠えするときは、空を仰ぎ首を伸ばしますよね。犬が首を伸ばす理由にはいろいろありますが、なぜ「月に向かって遠吠えする」のかはほとんど分かっていません。声帯がまっすぐになってより多くの空気を吐き出せることが遠吠えをするのに適しているから、との推測が大多数のようですが、声を遠くまで届かせて、より多くの犬やその他の生き物に自分の存在を知らしめることができるようにするため、と考えている人もいます。
遠吠えしやすい犬
遠吠えはすべての犬に共通して見られますが、Dogsterによると、遠吠えしやすい品種があるそうです。ダックスフンド、ビーグル、バセットハウンド、ブラッドハウンドなどの猟犬や、ハスキー、アラスカンマラミュート、アメリカンエスキモードッグがそのように言われています。
また、Roverによると、加齢に伴って犬が遠吠えするようになることがあるそうです。これは特に、認知症、および視力や聴力の低下で混乱してしまうシニア犬が当てはまります。
遠吠えさせないトレーニング
犬が遠吠えする理由はいくつかあるため、遠吠えをやめさせるトレーニングもさまざまです。痛みや騒音が直接の原因になっている場合は、トレーニングが必要なほど遠吠えしないでしょう。でも、あなたのワンちゃんがきっかけで、夜に近所中の犬たちが遠吠えしてしまうような場合には、トレーニングをしたほうがいいかもしれません。そうはいっても、遠吠えは本能による行動なので、遠吠えをしないように教え込むのは時間がかかります。無理にやめさせようとして、遠吠えしている犬に罰を与えてはいけません。なぜ叱られているのか、犬にはほとんど理解できないからです。それよりも、良い行動をしたときにほめてください。遠吠えをやめたときに、たっぷりの愛情を注いだり、ときにはおやつを与えたりするようにします。遠吠えを始めたときに、ワンちゃんが好きなことや興味のあることに注意を逸らしてあげるのもいいでしょう。
さて、犬が遠吠えするわけが分かりましたか?結局、理由はさまざまでしたね。でも、はっきりしていることがひとつあります。それは、犬は単にあなたの気を引きたくて遠吠えすることが多い、ということです!