犬のピクピクや震え 心配すべきケースとは?

執筆: クリスティーン・オブライエン
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犬が寝ているときに、体をピクピクとさせるのを目にしたことがある方も多いことでしょう。この寝ているときのピクピクは、いわゆる人間が夢を見ている状態と同じようなことが犬でも起きているもの、と考えられています。犬のこのようなピクピクや震えは多くが犬の正常行動の一部と考えられていますが、何らかの疾患によって起きることもあります。

今回は犬のピクピクや震えについて、一般的なものから、動物病院の受診が勧められるものまでご紹介していきます。

犬のピクピクや震えとは?

犬の寝ているときに見られるピクピクも、覚醒しているときに見られる震えや痙攣も自分の意志とは関係なく起こる不随意な運動です。通常、寝ているときのピクピクは後ろ脚で起きることが多いようです。

犬のピクピクや震え、痙攣が起きる理由:

  • 寝ているときのピクピクは、思いっきり動いている夢を見ているのかもしれません。
  • PetHelpful*¹は、生まれたばかりの子犬は特に体をよくピクピクさせますが、それは子犬の「健康な成長」によるものだと説明します。子犬は寝ている時間が長く特に活発に夢を見ますが、それは筋肉と脳を鍛えている証拠なのです。
  • 不安症で過剰に不安を感じてしまう犬の場合、震えが目立つことがあります。
  • 花火や雷といった大きな音や外部からの刺激、あるいは知らない場所で震えてしまう犬もいます。
  • てんかんや糖尿病などの疾患では、痙攣発作が見られることがあります。
  • シニア犬では筋力の低下によって力が入りづらくなり、ぷるぷると震えやすくなることがあります。
  • 関節炎による痛みで震えることがあります。

Labrador Training HQ*²よると、チョコレートや洗濯洗剤などを摂取してしまった場合に、中毒症状として痙攣が起きることがあります。

睡眠中のピクピクは?

犬にも、徐波睡眠(ノンレム睡眠の一種で深い睡眠)とレム睡眠(急速な眼球運動が見られる、浅い眠り)など、人間と同じ睡眠レベルがあります。犬がピクピクとなるのはこのレム睡眠のときで、脳が活発に動いているとされています。人間ではこのレム睡眠時に夢を見やすいと言われているため、犬でも同じようなことが起きているのでしょう。

Portrait of a sleeping Golden Retriever puppy, lying on a cozy blanket. Close up.

犬は平均して1日に12時間から14時間眠ります。眠っている間、犬が尻尾や体全体をピクピクさせるのはよくあることで、驚くほど大きく動いたり吠えることさえもあります。こういった行動は犬によく見られることで、その多くは健康上の問題はありません。きっと夢の中でコミュニケーションを取っているのでしょう。

犬は悪夢や人の夜驚症(睡眠障害のひとつ。睡眠時に突然恐怖に襲われる)のような症状として体をピクピクさせることがあると、タフツ大学は説明します。見ていて辛いかもしれませんが、明らかに苦しそうな様子がない限りは、犬を起こさないようにとアドバイスしています。もし起こす必要がある場合は、目覚めるまで優しく名前を呼びます。パニック状態になっている場合は、噛まれる恐れがあるので犬に触れないようにし、周囲にぶつかって危ないものがないか確認します。

起きているときのピクピクや震え

犬は起きているときにも時々体をピクピクとさせることがありますが、これは生理的なもので心配ありません。また高齢犬では筋力低下による後肢の震えがよく見られます。さらに、恐怖や不安を感じたときにブルブルと震えることがありますが、その対象物がなくなると収まることがほとんどです。

さらに、人間と同じように神経症的な癖や分離不安のせいで体をピクピクさせる犬もいます。全般性不安障害の場合も、ピクピクしたり震えたりします。愛犬に気になる様子がある場合には、動画を撮影するなどした上で獣医師に相談しましょう。

動物病院に相談したほうがよいケースとは?

全身の震えが長く続いたり、震えながら体をこわばらせたりしているときには、痙攣発作を起こしている可能性があります。様子を動画に収め、すぐに動物病院に相談しましょう。なお、発作の際には次のような症状が見られることが多くあります。

  • 嘔吐
  • 口から泡を吹く
  • 便失禁
  • 尿失禁

発作を起こす前に、犬はそわそわと落ち着きかなくなるかもしれません。また発作を起こしている最中は、目を見開いて意識がないようなことが多い、とPads and Pawsは説明します。そして発作後の犬の多くは、うろたえたり呆然としたりします。さらに発作と言っても常に典型的なタイプであるとは限りません。局所的な震えや痙攣を起こすタイプもあります。上記のような症状があれば病的であることが多いですが、それでも一時的な震えと見分けがつきにくいこともあるため、様子の変化を記録して獣医師に相談しましょう。

このような震えや痙攣は、神経の異常に限ったことではなく、糖尿病や腎臓、肝臓の疾患、何らかの中毒症状である可能性もあるとPet Health Network*³の獣医師Justine A. Leeは警告します。いずにしても獣医師による治療が必要です。犬が摂取する可能性のある毒物には、殺鼠剤や人間の薬品、ペットにとっては有害な人間の食品などがあります。中毒の疑いがある場合も、すぐに動物病院に相談しましょう。

愛犬が寝ているときにピクピクと動いたり、口をパクパクしたりするのはきっと夢を見ているからでしょう。でも、気になる様子がある場合にはすぐに獣医師に相談しましょう。

参照先:
*1 https://pethelpful.com/dogs/Why-do-Puppies-Twitch-in-Their-Sleep
*2 https://www.labradortraininghq.com/labrador-health-and-care/dog-poisoning-symptoms/
*3 https://www.pethealthnetwork.com/dog-health/dog-diseases-conditions-a-z/tremors-dogs-could-my-dog-be-poisoned

Contributor Bio

Christine O'Brien

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・ブロヴェリ・オブライエン博士は、ライターでありSTEAM講師でもある愛猫家です。キャットライター協会(CWA)の専門会員で大手企業や団体に寄稿しています。What to Expect When You’re ExpectingコミュニティやNIU STEM Readで彼女の記事を読むことができます。InstagramやX(旧Twitter、@brovelliobrien)でもフォローすることができます。