
キャットフードを理解しましょう
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
食生活は、元気で健康でいるための基本です。これは人でもペットでも同じで、猫にとって適切な栄養がバランスよく配合された食事を与えることは、猫の健康と幸せな暮らしに欠かせません。キャットフードには多くの種類があり、その中から猫に最適なキャットフードを選んでいくわけですが、そこで必要になるのは表示ラベルの見方や、猫に必要な栄養成分などの基本的な知識です。
ウェットでもドライでも、キャットフードの表示ラベルには、どのような原材料が使用されているかが記載されています。基本的な知識があると、それぞれの原材料がどのように役立つのかを理解することができ、キャットフードを選択しやすくなるでしょう。キャットフードにどういった原材料を使用するかは、各メーカーによって考え方が違っていて、必ずしも同じではありません。栄養に対するヒルズの理念は、高品質の原材料、および「これらの原材料から得られる必須栄養素の適正なバランスこそが、ペットに最適な健康をもたらす秘訣であること、を証明する」研究、そして技術革新を基盤にしています。ヒルズ®が設計したキャットフードのひとつひとつがこの科学的基盤からスタートしています。皆さまの愛猫にとって最適な栄養を提供するために、猫の生物学に関する研究を行うことで、それぞれの成分がどう役に立っているのか理解することができます。さらに、最適なキャットフードの原材料とは、猫に必要な栄養を満たすことはもちろん、素晴らしい味をもたらすものでもあるのです。
キャットフードの表示ラベルを読み解く
ペットフードの表示ラベルは、米国食品医薬品局の動物用医薬品センター (FDA-CVM) および米国飼料検査官協会 (AAFCO)*¹ が定めたガイドラインに従って表記されていなければなりません。AAFCOは市販のペットフードの原材料について定め、基準を設定している機関です。FDA-CVMとAAFCOの規定では、それぞれの原材料の表示方法や表示順序まで非常に明確な条件が設けられています。ペットフードの原材料は、その重量の多い順に記載することになっています(肉の場合は、加工処理する前の重さで)。
さらに、たとえば「肉」についても、AAFCOでは、家畜のどの部分由来なのか、どの部分を含んではいけないか、そして、その処理方法までも定義しています。キャットフードには、低品質な食肉の副産物が使用されている、というようなことが言われたりすることもありますが、それはよくある誤解です。また、キャットフードとしての栄養バランスを取るために、どのような添加物が使用されているかも記載しなければなりません(ビタミンのアスコルビン酸など)。
AAFCO*² は、いわゆる「95%ルール」というものも定めています。ペットフードの名称に原材料名が使われており、その1種類が主な原料であることが暗示されるような場合は、その原材料が加工用の水を除いた重さで95%以上(加工用の水を入れた場合は70%以上)含まれていなければならないと定めています。
キャットフードに含まれるべき栄養成分
コーネル大学獣医学部のCornell Feline Health Center*³ によると、最適なキャットフードを選ぶ際にラベルで確認しなければいけないもっとも重要な栄養素は、たんぱく質、脂肪および炭水化物だと説明しています。猫の食事は、これらの基本的な栄養素の必要量を満たしていなければなりません。猫は完全な肉食動物であるため(つまり、生物学上、生きていくためには必ず肉を食べなくてはいけないということ)、健康をベストな状態で維持するためには肉、つまり動物性のたんぱく質が原材料に含まれていなければいけません。ですが、完全な肉食動物だからといって、野菜や果物、穀物などの肉以外の原材料から栄養が全く摂れない、ということではありません。そして、必要な動物性たんぱく質をきちんと供給できれば、どの種類の肉を選ぶかは、それほど重要なことではありません。鶏肉や牛肉、サーモン、マグロ、珍しい鴨肉や兎肉といった肉が使われているフードもあるでしょう。また、卵やエンドウ豆も健康的なたんぱく質源として使用されることがあります。
VetInfo*⁴ によると、猫の健康にはカルシウムやビタミンA、鉄、マグネシウム、ナトリウムなどの特定のビタミンやミネラルも欠かすことができません。子猫用のキャットフードに含まれる成分として、DHA(脳や目の健康的な発達をサポートする脂肪酸)、タウリン(全ライフステージの猫が必要とするアミノ酸)、葉酸(細胞の増殖に必要)などがあり、いずれも子猫の成長に欠かせない栄養素です。
野生の猫は、骨などを含め獲物を丸ごと食べることで、肉部分だけではなくそのほかの栄養を摂取しています。ネズミのおもちゃを噛みちぎったりするのは、猫が激しい捕食動物としての本能を内に秘めている証拠といえるでしょう。家庭で飼育されている猫には、飼い主さんが適切な原材料を含む食事を与えることが必要なのです。
必要なものと不要なもの
猫にとって最適なキャットフードを選ぶ際には、必要なものが含まれているフードを選びましょう。
特別な事情がない限り、キャットフードを手作りすることは、残念ながらコーネル大学をはじめとした専門家たちは推奨していません。というのも、正しい栄養バランスのキャットフードのレシピを作るのは非常に困難だからです。ヒルズ社では、ライフステージやライフスタイルにあった適切なバランスの栄養成分を、確実に猫に供給できるようなキャットフードを提供していくために、220名以上の獣医師とペットの栄養専門家が日々研究・開発に勤しんでいます。かかりつけの獣医師と一緒に、猫が好むおいしさで、かつ必要な栄養が摂れるキャットフードについて相談してください。
AAFCOのガイドラインによると、「ナチュラル」な原材料とは、「化学合成による製造も化学合成工程も経ておらず、適正な製造基準で起こりうる範囲を超えた量の化学合成添加物や化学合成加工助剤を含んでいないもの」と定義されています。このようなナチュラル、つまり天然由来の原材料は猫にとってベストな選択のように聞こえるかもしれませんが、実際には抗酸化成分やビタミンなどキャットフードに必要な成分の中には、天然由来の原材料には必ずしも含まれていないものもあります。そういったものは必要な成分として加えられていることがあります。原材料に天然由来ではないものが含まれていることにフォーカスするのではなく、猫の健康に必要な栄養素が適切なバランスで含まれているか確認しましょう。ヒルズ サイエンス・ダイエットのキャットフードには、鶏肉などの重要なたんぱく質源、ビタミンやミネラルを補う野菜や穀類、アミノ酸を補う卵などの天然素材を中心に、栄養素が適切なバランスで含まれるように設計されています。
AAFCOによると、栄養目的ではなく風味づけのために、ショウガやカモミール、ローズマリー等の調味料や抽出物が配合されていることがあるようです。そういった場合は、バランスのとれたキャットフードに必須の栄養素とは考えられていません。米国食品医薬品局 (FDA)*⁵ は、猫に有害な成分について定期的な評価を行っています。たとえば、合成食品添加物であるプロピレングリコールは、2017年にキャットフードへの使用が禁止されています。
キャットフードのラベルをチェックすると、意味のわからない長い名称の成分をみかけることがあるかもしれません。たとえば、ブチルヒドロキシアニソール (BHA) やミックストコフェロールなどです。これらはフードの鮮度を保つための酸化防止剤で、前者は合成の、後者は天然由来のものです。The Daily Cat*⁶ によると、ミックストコフェロールはビタミンE誘導体であり、抗酸化成分として働くそうです。そのほかにもいくつか例を挙げると、L-リジン、L-スレオニン、DL-トリプトファンなどアミノ酸を供給する添加物があります。AAFCOの基準では、これらもキャットフードの原材料リストに必ず記載しなければならず、配合できる量も制限されています。
ウェットフードとドライフード
キャットフードを選ぶときに、ウェットとドライとどちらがいいのか、という話はよくあります。総合栄養食であれば、いずれも栄養学的には完全であり、必須栄養素の条件だけでみればどちらかがより優れているということはありません。ウェットフードとドライフードには、その特徴からそれぞれ長所と短所があります。
ウェットフードは、水分を多く含みかさが増えるため、給与量が制限しやすい、といった利点があります。また無理なく水分摂取ができるので、水分を多く摂ることが推奨される尿石症や腎臓病の猫には最適です。ですが、一般的にドライフードよりもコストがかかること、開封後は冷蔵保存しなければならないといった手間がかかります。冷たくなったフードを食べたがらない子もいるので、温めることもできますが、熱くなり過ぎないように注意する必要があります。
一方、ドライフードは適切に密閉すれば長期間の保存が可能なため、比較的まとめて購入でき、費用を抑えることができます。ただし、ドライフードにも賞味期限があるため、期限の切れていない新鮮なうちに与えるようにしてください。
猫は食にこだわりがあることで知られていて、猫の好みがキャットフードの選択肢を左右することもよくあります。特に子猫のうちから、さまざまなウェットフードやドライフードをいろいろと試してみるといいでしょう。子猫の場合、食べやすいようにドライフードに少量の水を加えることもできますが、牛乳は消化不良を起こすことがあるため使わないようにしましょう。
まずは獣医師に相談を
今やペットに関するさまざまな情報があふれています。キャットフードに関しても、インターネットで知らべれば、すぐにいろいろな情報を入手することができます。その中には、さまざまな栄養学的理念(人の栄養でもさまざまな考え方があるように)や、個人的な偏見に基づく根拠のない記事を見つけるかもしれません。インターネットで見知ったことは本当に正しいかどうかがわからないため、これらの意見に惑わされないようにすることが重要です。知人や友人からの意見も同様です。善意でくれたアドバイスなのでしょうが、猫の状況は1頭1頭で異なるため、他の猫に合うフードが自分の猫に合うとは限りません。キャットフードの成分に関して不安がある場合は獣医師に相談し、見聞きした情報の真偽を確認しましょう。
健康上に何か気になることがあって、猫の食事を変えてみたいと思ったときには、まずはかかりつけの獣医師に相談してください。自己判断で食事療法を行うことは、特に特定の原材料が入っていないものを選ぶ場合に問題となります。極端な例ですが、ビーガンやベジタリアンの食事は健康的な選択肢ではありません。前述したように猫の適切な栄養には肉が必要なのです。
かかりつけの獣医師と協力して、猫にとって最適な材料が使われているキャットフードを選びましょう。栄養バランスがとれていることはもちろん、高品質で、猫の好みにも合ったフードがきっと見つかるでしょう。
参照先:
*1 https://www.aafco.org/
*2 https://www.aafco.org/consumers/understanding-pet-food/
*3 https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/feeding-your-cat
*4 https://www.vetinfo.com/cat-vitamins-minerals.html
*5 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfCFR/CFRSearch.cfm?CFRPart=589&showFR=1
*6 https://thedailycat.com/cat-food-reviews/best-cat-food
Contributor Bio

クリスティーン・オブライエン
クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、ロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。