猫とマグロ:猫にマグロを与えても大丈夫?

執筆: クリスティーン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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マグロはそのおいしさに猫も人も惹きつけてやまない魅力を持っていますが、人が食べるようなマグロの刺身やツナ缶は猫に与えても大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、主食にするほど大量に与えることは問題ですが、味付けをしていないものであれば、おやつ程度に与えることは問題になりません。ただし、人間の口に合うように味付けしてあるものについては注意が必要です。

猫はマグロを食べても問題ありません。

猫はマグロの独特な強い香りとしっかりした味が大好きです。猫に薬をうまく飲ませるのには、ほんの一口のマグロが大いに役立ちます。

実際、マグロは猫に有毒な食べ物 の一覧に含まれていません。ですが、人間用に加工されたり調理されたりしたマグロ(ツナ)は、場合によっては猫に健康問題を引き起こす可能性があります。一口だけなら害を及ぼすことはないかもしれませんが、基本的には猫にはそういったものは与えないようにしましょう。

マグロが猫の栄養に与える影響

猫のためのバランスの取れた食事プランには、タンパク質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、その他の栄養素が猫にとって適切なバランスになるように含まれています。特定の栄養素の摂取量が少なすぎたり多すぎたりすると、健康問題につながる可能性があります。

マグロは、それだけでは栄養バランスがいいというものではありません。たとえば、不飽和脂肪酸は豊富に含まれている一方で、ビタミンEやその他の抗酸化物質が十分に含まれているわけではありません。そのため、猫の主要な栄養源を、マグロだけでは賄うことが難しいのです。

マグロに限らず、猫が好きだからとって、主食となるほど1つの食材のみを与えるようなことは避けるようにしましょう。キャットフードは、マグロをはじめ様々な原材料を用いて、猫にとって必要な栄養素がバランスよく含まれるように作られています。外で生活していた猫を保護したなどの場合には、見た目に元気だったとしても、栄養状態や健康状態を把握するために、まずは動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。―深刻な問題が進行していないことを確認できるように、普段の状態(検査値など)を知っておくことは後々役に立ちます。

食事の量に注意しましょう

室内飼いの猫は、一般的にそれほど運動量が多くなく、多くのカロリーを必要としないケースが多いと思われます。つまり、体重が簡単に増えてしまう状況にあるのです。世界小動物獣医師会 が発表した勧告によると、体重11ポンド(約5 kg)の猫が摂取してもよいカロリーは、1日あたり290カロリーにすべきです。

Gray and white cat next to food dish with with fish on it

人間用の食品を猫の摂取カロリーに換算すると、人の食品が猫たちにとってはカロリー的にいかに多すぎるかがすぐに理解できるでしょう。約60~90 g程度のツナ缶1缶(油漬け)でも100カロリー以上含んでいて、これは多くの猫にとって1日の推奨摂取量の3分の1以上、状況によっては2分の1以上に相当します。

何でもそうですが、与え過ぎれば体重増加を招く恐れがあります。人と同じく、猫でも肥満は糖尿病、泌尿器系疾患、関節炎、炎症などの健康問題に寄与している、とタフツ大学カミングス獣医療センター は報告しています。

愛猫の健康管理のために、どのくらい食べているのか、食事の摂取量をきちんと把握しておくことがとても大切です。科学に基づくエビデンスを用いてペットフード基準を策定しているアメリカ飼料検査官協会 によると、現在では多くのメーカーがペットフードのラベルにカロリーの情報を記載していることから、「ペットの1日に与えるべきカロリー量を確認することが、以前よりも比較的簡単にできるようになってきている」ということです。情報が多いほど、納得のいくフードの選択、ひいては猫の健康増進につながる選択が可能になるため、これは猫の飼い主にとって素晴らしいニュースです。

マグロが合わない猫もいる

猫も魚に対してアレルギーを示すことがあります。メルク獣医マニュアル では、魚も猫の食物アレルゲンの一つとして挙げられていて、アレルギー反応の一般的な徴候として、皮膚のかゆみ、脱毛、皮膚の発赤や、発疹などが記載されています。食物アレルギーの猫 が感受性のある成分に遭遇したときには、嘔吐、下痢、ガスの貯留、食欲不振などの消化器症状が見られることもあります。これらの症状に気づいたときは、すぐ動物病院を受診しましょう。その際には症状が出たときの状況や、与えていた食べ物などが説明できるように、日ごろから猫の様子をよく観察するようにしておきましょう。

水産物の水銀の含有量について

マグロ類や、サメなどの魚は、食物連鎖の関係でそのほかの種類の魚よりも水銀を体内に多く蓄積していることがあります。タフツ大学カミングス校獣医学部 の獣医栄養学者、ケイリン・ハインジさんは、こういった特定の水産物ばかりを頻繁に摂取していると、栄養上偏るという健康上の弊害以外にも、体にとって有害な水銀の取りすぎになってしまう可能性がある、と説明しています。水銀中毒の症状には、めまい、協調運動障害、平衡障害などがあります。ハインジさんは、「マグロの中でも大型のビンチョウマグロは、それ以外のマグロ(チャンクライトツナ)のほぼ3倍の水銀含有量」なので、飼い主は、特にビンチョウマグロは猫に与えないようにするべきだ、といいます。 ビンチョウマグロは、缶詰のような加工品として使用されています。

いかがでしたか。結局のところ、マグロは猫に与えてはいけないものではなく、原材料として含んでいるフードは多くありますし、そういったフードを与えることが問題になることは全くありません。ただし、マグロ(あるいは特定の食材)だけを主食として与えることは避けたほうがよいこと、人間用に味付けされたものは避けること、与える場合にも、量や回数は控えめにすることがポイントです。愛猫の栄養ニーズを適切に満たしたキャットフードフードを与えることを基本に、薬を飲ませたり、特別な日のおやつとしてほんの少しマグロを与えることは、猫にとってもうれしいイベントになることでしょう。

筆者紹介

Christine O'Brien

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、家の中を取り仕切るロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。

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