知らない猫を引き取るということ

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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犬の散歩中に偶然見つけてしまった、出勤したら捨てられていた、知り合いの人が譲渡先を探している等々、子猫との出会いにはいろいろなパターンがあると思います。自ら保護する場合を除いて、保護施設等ではないところから、いきさつのわからない猫を引き取ることには様々なリスクが伴います。

そういった状況になったときに、注意しなければならないことを知っておきましょう。

無料で猫を引き取ることには、多くのリスクと費用が隠れています

Kittens sitting on a brown plaid blanket.
捨てられた猫を引き取ることは、困っている猫や人を助けるという意味で、表面的には良い事のように見えるかもしれません。でも、見知らぬ人から無料で子猫を引き取るといった場合、そこには実は多くのリスクと費用が隠れていることがあります。

  • 信用できるかどうかわからない:親しい友人あるいやその紹介といった状況でないかぎり、その子猫のことや譲渡しようとしている人のことは何もわからないということです。聞きたい情報(子猫の経緯や体質、医療歴、その他の関連情報等)についてを尋ねることはできるかもしれませんが、そもそもそこまで面識があるわけではない人で、子猫を手放したいという状況を考えると、必ずしも本当のことを言ってくれるとは限らないからです。
  • 健康面の懸念と費用:引き取った子猫には、ワクチン接種やノミやダニ、お腹の寄生虫等の一連の処置が必要ですし、適齢期になったら避妊や去勢手術を受けさせることも必要になります。Petfinder では、「無料」で引き取ったペットの最初の動物病院の支払い費用が数百ドル(数万円)に上る場合もあることを指摘しています-この金額は、これらの処置をすでに済ませている子猫を、保護施設から引き取るときに支払う典型的な譲渡手数料をはるかに上回っています。子猫を譲った人は、もしかしたらこれらの処置をすでに済ませたと主張するかもしれませんが、それは獣医師に確認してもらわないとわからないことです。
  • 子猫が幼すぎる場合がある:こういった個人間での猫の譲渡では、子猫がきちんと離乳や社会化を終える前に譲渡が行われる場合もあります。これが後に健康上の問題だけではなく、問題行動につながることもあります。
  • よかれと思って協力したことが、かえって事態を悪化させる可能性がある:不幸な猫を救いたいという、純粋な良心からの行動だったとしても、結果的に容易に譲渡先が決まるという事実を作ってしまうことは、避妊手術または去勢手術 をしてからきちんと管理して飼うという必要性の意識を低下させ、かえって状況を悪化させてしまう可能性があります。
  • 知人である個人間の譲渡が、実は保護施設への持ち込み例が最も多いという事実がある:Petfinder では、National Council on Pet Population Study and Policy(全米ペット頭数調査・政策協議会[NCPPSP])による研究において、動物保護施設に引き渡された猫の入手方法別の割合は、なんと友人または家族から無料で譲られた猫が最も高いことが明らかにされたことを紹介しています。何とも無責任な話ではありますが、断りづらいだとか、その場の勢いだったとかで、結局は後悔して、その子を他の誰かに譲ったり、動物保護施設に預けたりしてしまう・・・ということなのでしょうか。
  • 個人間で知らない猫を引き取ることは、総合的に考えてリスクの高いこと:たとえ無料ではなく、いくらかの費用を請求されたからといっても、個人間の譲渡に信用が加わるということはありません。一方、保護施設には常に譲渡を待っている子猫たちがたくさんいますから、インターネット上の個人間での売買のサイトを見に行くよりも、こちらの入手ルートを検討してみてください。純血種の猫を考えているのなら、目当てのブリーダーについて、その評判と、血統や獣医師による健康診断に関するきちんとした書類を交付してくれるかどうかを確認しましょう。

信用と安心を優先順位に

Woman holds a cat over her shoulder as the cat stares straight ahead.
猫を迎える準備が整ったら、信頼できる保護施設や保護団体から譲渡してもらうことをまずは検討してみてください。保護施設の猫 は、所定のワクチン接種を受け、避妊手術または去勢手術も受け、健康診断も定期的に受け、そういった証明書も交付されます。何か健康上に注意すべきことがあれば、併せて情報共有されます。

譲渡手数料にはこれらのサービスのすべてが含まれていて、時間や手間を考えたら自分で個別にするよりもリーズナブルです。また、保護施設のスタッフは、どんな性質の猫がどんな家庭にふさわしいのかよくを考えて、相談に乗ってくれます。これは、ペットを飼うときにはよく考えなければならない大事なことです。そして、言うまでもないことですが、保護施設から猫を引き取るということは、保護施設ではまた別の子猫を救えるようになるということなのです。

子猫を引き取って育てるということは、決して安易に決められるものではなく、必ず事前の調査や準備をしたうえでの慎重な判断が必要です。新たに子猫を迎い入れたいと思った時には、まずは保護施設や保護団体から受け入れることを検討してみてください。子猫たちが未来の家族を待っています!

Contributor Bio

Jean Marie Bauhaus

筆者紹介

ジーン・マリー・バウハウス
オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもあり、ペットブロガー、兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいます。

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