高齢の猫によくある病気を見逃さないための健康診断と血液検査とは?

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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愛猫が年を重ねていても、今までと変わりなく元気そうに見えていると、定期健診をは省いてもいいかな・・。と思ってしまうかもしれません。でも時にその見ための印象があてにならないこともあります。高齢の猫によくある病気を見逃さないためには定期的な血液検査が欠かせません。獣医師に定期的に診てもらうことがいかに大切なことか、確認していきましょう。

シニア猫の健康診断

猫は人間よりもずっと早く年を取ります。その早さは猫の体重やライフスタイルによって多少違いますが、だいたい6歳頃に中年期に入り、10歳頃から老年期に入ります。加齢とともに発症しやすくなる病気やその他の健康問題を調べるため、この中年期から老年期までの間に(たいていは7歳頃に)、半年毎の健康診断や検査を受け始める必要があります。6か月ごとの診察と血液検査は、シニア猫にとって病気を早期発見する最良の機会になります。多くの場合で、疾患の早期発見は治療が難しくなる前に対処できたり、より高い治療の効果を得られます。時には命を救うことさえもあります。

シニア猫に多い病気

病気はどんな年齢の猫にも起こり得ますが、高齢になるほど起こりやすくなる病気もあります。一番多いのは慢性腎臓病で、 Pet Health Network によると、10匹のうち3匹でこの疾患がみられるといいます。高齢の猫に多い病気には、ほかにも次のようなものがあります:

  • 甲状腺機能亢進症
  • 高血圧
  • 肥満
  • 糖尿病
  • がん
  • 臓器不全
  • 関節炎やその他の関節障害
  • 認知症やその他の認知障害

猫の血液検査

Vet taking a blood test while cat lies on table.シニア猫の健康診断には、通常、上記のよくみられる病気をチェックするための血液検査が含まれます。通常実施されるのは、赤血球、白血球、血小板の数を調べるための全血球検査と、臓器の機能状態と糖尿病の有無を調べるための血液生化学検査です。そのほかにも腎機能と尿路感染症、ある種のがん、その他の病気の有無を調べるための尿検査も実施されるでしょう。それとは別に甲状腺機能の検査も行われます。腎臓病の有無を調べるための対称性ジメチルアルギニン(SDMA)検査も実施されるかもしれません。これは比較的新しい検査で、Pet Health Networkによると、従来の腎機能検査よりも数か月から数年早く腎臓病を発見することができる検査です。SDMA検査で腎臓に問題ありと診断されたとしても、適切な治療を始めることによって、今まで考えられていたよりも以後の見通しがずっと良くなる可能性があります。定期健診の際に獣医師に尋ねてみましょう。

猫の腎臓病に関する詳細や療法食についてはこちらから

病気と診断されたら?

愛猫が慢性疾患と診断されたときは、普段のケアを変えていく準備が必要です。病気によっては、治療や経過観察のために頻繁な通院が必要になることがあります。薬の内服だけでなく、治療を補助する猫用療法食 も勧められるかもしれません。また、周囲の環境をシニア猫仕様に整えなくてはならないこともあります。たとえば、関節炎で痛みがあったり動きづらい猫には、またぎやすいように縁が低めのトイレを準備したり、お気に入りの日向ぼっこの場所へ登りやすいように踏み台を用意する等が必要になってきます。健康に問題ありと診断されているかどうかにかかわらず、高齢の猫には常に用心して、体重、気分、行動、排泄習慣になにかしらの変化が見られたら獣医師に報告することが重要です。その変化は病気の兆候かもしれないので、次回の定期健診の期日まで待たずに診察を受けましょう。

世の中には、健康的な問題をほとんどあるいはまったく起こさずに穏やかに年老いていく猫もいます。それでも、定期的な健康診断や各種検査は、病気の早期発見に役立ち、さらには猫の健康寿命を延長しクオリティ・オブ・ライフを高めることにも役立ちます。愛猫に適切なケアを常にしてあげられるように、定期健診を受けるようにしましょう。

また、高齢猫の健康には食事面でのサポートも不可欠です。高齢猫のためのキャットフードに関する記事も是非ご覧ください。

筆者紹介

ジーン・マリー・バウハウス

ジーン・マリー・バウハウス

オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもあり、ペットブロガー、兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいます。

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