子猫がかかりやすい病気とは

執筆:
所要時間:

Young Healthy Kitten

新しく子猫を迎えた飼い主のみなさん、子猫ちゃんの様子はいかがですか?可愛いすぎて仕事にならない・・なんてことになっているかもしれませんね。さて、何事もなくすくすくと順調に健康に育っていってほしいと思うのは皆同じ気持ちですが、子猫にもかかりやすい病気というものがあります。まずは、子猫に注意が必要な6つの病気についてご紹介します。そして、病気にかかりにくい丈夫な体をつくるためには、適切な栄養が不可欠です。子猫に必要な栄養がバランスよく調整された良質な子猫用フードは、幼い子猫の健康な免疫系の発達に役立ち、健康なおとなの猫へと成長することに大きな役割をはたします。

1. 上部気道感染症
猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなどによる上部気道感染症は、いわゆる猫カゼとよばれるもので、トニー・ジョンソン博士(獣医師、米国獣医救急集中治療学会認定専門医、パーデュー大学獣医学部[インディアナ州ウェストラファイエット]救急集中治療学科臨床助教)は、「子猫の命を奪うことがあり、特に生後2~3週間は危険です」と言います。猫の上部気道感染症は通常、他の猫のくしゃみや呼気を通じてうつる細菌やウイルスによって引き起こされます。

症状:
猫の上部気道感染症の主な症状はくしゃみですが、子猫では黄色っぽいネバネバの目やにや鼻水が見られることもあります。呼吸困難が現れたり食べるのを拒むようになった場合、状況はさらに深刻です。呼吸器の症状のほか、結膜炎により目が腫れたり目やにが大量についてたり等、目の症状が顕著だったり、口内炎などの症状が併せて見られることもあります。

治療:
子猫を動物病院に連れていきましょう。ジョンソン博士によると、「子猫が食べたり飲んだりしていて、ゆったりと呼吸ができているなら、おそらく翌日まで様子を見ても大丈夫かもしれませんが、そうでないなら救急で診てもらうのが一番です」とのことです。猫の上部気道感染症は、重症度にもよりますが、なかなか症状が治まらなかったり、治ったと思ってもぶり返すことがあるなど、しつこい病気です。途中で治療をやめずに、根気強く治療を続けましょう。また、症状が落ち着いたら、定期的にワクチンを接種しましょう。

回復期間:
猫の上部気道感染症は5~7日で良くなっていく傾向があります。ですが、もっと長引くこともあり、猫ヘルペスウイルスは体内に潜伏して、ずっと後になって免疫状態が下がったときに再び上部気道感染症を引き起こすこともあります。


2. 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
猫汎白血球減少症は、猫汎白血球症ウイルス(猫パルボウイルス)の感染によって引き起こされる、ひどい腸炎と急激な白血球の減少を特徴とした病気です。子猫では死んでしまうことも多い、猫の病気の中で最も恐ろしい病気のひとつです。このウイルスは汚染された糞便や排泄物、またそういったものがついた容器などからも経口感染します。非常に感染力が高く、屋外での抵抗性も非常に高いといわれています。おとなの猫でも感染することがありますが、移行抗体が失活する生後3~5ヵ月の猫に発症しやすく、症状も急激に重症化します。そのため、猫に必ず接種すべきワクチンとされています。

症状:
この感染症にかかると、通常子猫の容態は急激に悪化します。発熱、食欲・元気消失、嘔吐、食欲廃絶、粘液様白色便のひどい下痢を起こし、脱水症状を呈します。

治療:
基本的には対症療法で、獣医師は脱水症状に対して大量の輸液を行いながら、二次感染を防ぐために抗生物質等を投与します。感染力強いため、このウイルスを他に移さないように、入院させて隔離する必要があります。さらに、入院場所や使用した食器やタオル等にも徹底的な消毒が必要になります。


3. 腸内(内部)寄生虫

腸内(内部)寄生虫とは、消化管の主に腸内に寄生する虫のことで、回虫、鉤虫、鞭虫等多くの種類があります。虫の種類によって腸への寄生の方法が異なり、感染して猫のお腹の中に入ったあと全身を巡ったり、腸の粘膜に潜り込んだり、噛みついて吸血したりします。その結果、下痢(時には血便)、体重減少、発育不全を引き起こします。多数寄生の場合には、嘔吐する場合もあります。

感染経路は虫によって多少異なりますが、一般的には猫は別の猫の糞便や、虫卵に汚染された土壌などから虫卵を摂取することによって感染します。ネズミやミミズ、カエルやヘビなどから感染する虫もいます。これらの虫は、猫だけでなく人にも感染することがあり、虫卵に汚染された土が果物や野菜についていて、よく洗わなかったために感染してしまったということもあります。本来猫に寄生する虫が人間に寄生すると、幼虫が内臓や目、皮膚等に移動する幼虫移行症になることがあり、様々な障害を引き起こすことがあります。

症状:
体重減少や下痢ですが、無症状のことも多くあります。健康診断時の糞便検査や、糞便に虫がでてきて初めて気づくケースが多いでしょう。

治療:
定期的に健康診断を受け、糞便検査をしましょう。状況によっては、獣医師に定期的な駆虫処置を勧められることもあります。猫の駆虫薬には種類があり、市販されているものもありますが、ジョンソン博士は獣医師に推奨された医薬品を使うことを推奨しています。それに、寄生虫の種類によって適する医薬品が異なる場合があるので、獣医師に糞便検査をしてもらって、猫が持っている虫の種類を特定してもらうことが重要です。

治療期間:
寄生虫の種類や使用する薬剤、生活環境によって変わりますが、2週間程度です。ただし、ジョンソン博士は再感染のリスクに言及し、 「猫は2週間前に排泄した虫卵を摂取してしまうことがあります」と付け加えています。つまり、排泄されてからも虫卵は生き続け、感染力を持った状態でまた猫に感染してしまうことがあるのです。


Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司
アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

関連記事