子猫のワクチン注射の時期はいつから?-予防接種の重要性

執筆: エリン・オリラ
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子猫を新たに迎えいれた飼い主にとって最も重要なのは、「猫が健康で幸せな生活を送るために必要なことは何か」を考えることです。しつけ、社会化など、やるべきことはたくさんありますが、中でもワクチン接種は重要です。この記事では、ワクチン接種の時期はもちろん、必要性、種類などについて解説します。

目次

ワクチン接種は室内飼いの猫にも必要なのか?

室内飼いの猫にもワクチン接種は必要です。感染症、ウイルス、細菌が家に持ち込まれた場合、病気にかかる可能性があるからです。また、万が一外に逃げ出し、他の猫と接触することで病気をうつされることもあります。このようなリスクから愛猫を守る為にも、ワクチン接種は重要です。

子猫のワクチン接種の時期

1回目のワクチン

アメリカ動物虐待防止協会 (ASPCA) によると、子猫は病気に対抗する抗体を母猫の母乳から受け取ります。ほとんどの子猫は、生後8週頃までには離乳しますので、最初のワクチン摂取の時期は、生後6~8週頃となるのが一般的です。これにより、母猫から授かった免疫が弱くる前に、子猫自身が免疫を得ることができます。

2~3回目のワクチン

1回目の接種から、3~4週間の間隔で2、3回目のワクチン接種を行うことが一般的です。つまり、最初の接種が生後6~8週頃の場合は、2回目は9~12週頃、3回目は12~16週頃となります。すべての猫がこのスケジュールでワクチンを打つわけでは決してありません。最適な接種スケジュールは獣医師に相談することが重要です。

成猫のワクチン接種の時期

ワクチン効果の持続期間には個体差があります。子猫のときにワクチンを打ったから安心ではなく、1歳を過ぎ成猫になっても、定期的なワクチン接種が必要になる場合もあります。日本では、ワクチンの接種は「1年に1回」が一般的です。特に、ペットホテルのように多くのペットが集まる施設を利用される場合は、「1年以内のワクチン接種証明書」の提示を求められることもあります。接種が必要なワクチン、時期については、猫の年齢や健康状態によって変わりますので、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

 

獣医師によるワクチン接種の子猫

子猫に受けさせるワクチンの種類

猫のワクチンは、致死性・感染性が高いものを予防するコアワクチンと感染リスクなどに応じて摂取するノンコアワクチンに分類されます。

コアワクチン対象

  • 猫カリシウイルス:子猫によく見られる呼吸器疾患の主な原因の一つです。症状としては、くしゃみや鼻水、口内炎、舌の炎症が一般的ですが、重症化すると、全身性の症状や、皮膚の脱毛、かさぶた、潰瘍、肺、膵臓、肝臓などの臓器の損傷も引き起こすことがあります。
  • 猫ヘルペスウイルス1型:猫に結膜炎や上部気道炎症を引き起こすウイルスです。ウイルス性鼻気管炎とも呼ばれ、あらゆる年齢の猫に感染する可能性があります。ただし、猫にしか感染しないウイルスで、ヒトや他のペットに感染することはありません。
  • 猫パルボウイルス感染症:猫ジステンパーとも呼ばれるこの病気は、白血球と腸内細胞を攻撃し、子猫衰弱症候群を引き起こす原因となります。母猫からうつることがあるなど、感染力が非常に高く、死に至ることが多いため、ワクチン接種が推奨されています。

ノンコアワクチン対象

  • ボルデテラ:ケンネルコフとして知られる伝染性の呼吸器疾患。くしゃみや咳で伝染し、特に複数の猫がいる家庭で問題になります。複数飼いでない場合でも、すでに他の猫と接触している可能性があるため、注意が必要です。
  • 猫白血病:ASPCA によると、「飼い猫で多く診断される病気の一つ」とされています。免疫系が弱まり、貧血、腎臓病、リンパ肉腫など様々な病気にかかりやすくなるとされています。
  • 猫クラミジア感染症:他の猫との接触によって感染することが一般的で、欧州猫病学諮問委員会 によると、比較的頻繁に見られる病気とされています。症状には、眼の充血、腫れ、流涙などがあり、抗生物質による治療が必要ですが、致死性はありません。
  • 狂犬病:米国疾病対策センターによると、犬だけでなく猫や他の哺乳動物にも感染するとされている危険な感染症です。犬とは異なり、猫に対するワクチン接種は日本において義務付けられていません。しかし、アメリカでは狂犬病と接触したと報告される頭数は犬よりも猫の方が多いという報告もあり、ヒトにとっても極めて危険なので、心配な場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

ワクチン接種前後の注意

接種前

  • 健康状態:発熱、下痢、嘔吐など猫の健康状態が悪い場合はワクチン接種を避けるべきです。
  • アレルギー:ワクチンに含まれる成分に対してアレルギー反応を起こすことがあります。獣医師にアレルギーの可能性について事前に相談することをお勧めします。

摂取後

  • 副反応:ワクチンはあくまで異物です。よって、ワクチン注射部位の腫れや痛み、発熱、食欲不振などの副反応が起こることがあります。強く症状が出る場合は、獣医師に相談し、適切な処置を行ってください。
  • 運動・外出:ワクチンを接種してすぐの運動、お風呂などは避けてください。また、すぐに抗体ができるわけではないので、感染リスクのある場所への外出は控えましょう。

人間の膝の上に横たわっている白い子猫

摂取させるワクチン、時期については獣医師の意見に従う

結局のところ、どのワクチンが自分の子猫に必要なのかを決めるのは難しいかもしれません。わからないことがあったら、獣医師に相談しましょう。ただし、最適なワクチンを決めていくためには、以下のような獣医師の質問に対して準備をし答えられるようにしておくことが重要です。

  • 子猫をどこから入手しましたか?保護施設やペットショップで見つけたとか、迷い猫だったとか?
  • 新しい飼い主に引き取られるまで、子猫は他の動物と一緒に育てられていましたか?もしそうなら、どんな動物種でしたか?
  • 家でほかにどんな動物を飼っていますか?
  • 旅行するときは、一緒に連れて行くつもりですか、それともどこかに預ける予定ですか?

たとえ確証がなかったとしても、すべての質問に正直に答えるよう心がけてください。提供する情報が多ければ多いほど、接種の必要性はもちろん、どんなワクチンが最適なのか、獣医師の判断に役立てることができます。

筆者紹介

エリン・オリラ

メッセージが持つ言葉の力は受け手に伝わり、時に大きな変化をもたらしうると信じるライター。インターネット、出版物と活動の場は広く、執筆内容はインタビュー、代筆、ブログ、独創的なノンフィクションなど、多岐にわたる。SEO(検索エンジン最適化)、ソーシャルメディア全般にも詳しい。フェアフィールド大学でクリエイティブ・ライティングのMFA(美術学修士)を取得。ツイッターは@ReinventingErin。さらに詳しい情報はホームページのhttp://erinollila.comで入手可能。

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