成犬になってからの社会化のコツとは?

所要時間:

犬の社会化は、12週齢になるまでの子犬のうちに行うのが理想です。この時期にできるだけ多くの新しい経験をさせることが、社会化の第一歩となります。とはいっても、時には成犬を社会化しなければならない状況になることもあります。たとえば、きちんと社会化された経験のないまま成犬になってしまった保護犬を引き取るということがあり得ます。また、やむを得ない事情で子犬のうちに適切に社会化することができなかったケースもあるでしょう。あるいは、長期間にわたって家族以外の人やペットに出会う機会がなかった成犬に、再教育が必要な場合などがそれらのケースにあたります。理由はどうであれ、成犬の社会化は子犬の社会化とはかなり違った面があります。

犬の社会化とは?

犬の社会化とは、家族以外の人やペットに出会ったときに、迷惑をかけないように振る舞えることを目標に、様々な状況に慣れて社会的に生活していく上で必要な感覚や行動パターンを学習していく過程のことを言います。このプロセスにはいろいろな方法があります。第一段階では、子どもを含む初対面の人々や他のペットのグループと共に過ごさせて、そのような状況でも安心してくつろいでいられるように慣らしていきます。

社会化されていない徴候

German shepherd with ears back looking anxious while woman pets him.まず、犬の社会化とは何かということから始めましょう。これは、犬にとって不慣れで不安な環境でも、状況に応じて人にとって好ましい行動ができるようになることが目標です。そのため、社会科とは、見知らぬ人、場所、他のペットに慣れて、社会生活に必要な基本を身につけることです。飼い主であれば、愛犬が人に飛びついたり、子どもに嚙みついたりするようになっては困りますし、大きな犬に出会った時に、怖がって過剰に吠えたり、あるいはすくんでしまい動けなくなってしまうというようなことも望みません。きちんと社会化されていない犬は、慣れないものに不安や恐怖を覚えて、攻撃的になったり神経質になったりといった深刻な問題行動を起こすおそれがあります。Dogsterは、社会化が必要な成犬にみられるいくつかの徴候を挙げています:

  • 人や他の動物を怖がったり攻撃しようとしたりする。
  • 飼い主や他の人が近づいたとき、後ずさりをしたり、逆毛(首の後ろから背中にかけて生えている毛)を立てたりする。
  • 散歩の間中、緊張している。
  • 他の犬や人に対してシャイに振る舞う。
  • 他のペットや人が不安になってしまうほど、過度に興奮してしまう。

成犬の社会化

子犬の社会化は、できるだけ多くの世界-人や動物、物事や環境等-と接する機会を持たせることが大切です。犬は適切な月齢で社会化を行えば、何が普通で何が普通でないかを見分ける感覚が自然に育まれ、新しい経験をその感覚の中に容易に取り入れることができるようになるのです。一方、成長した犬の社会化にはちょっと違った難しいところがあります。大きさや犬種によっては、物や人に対して攻撃的な反応をしてしまうと、危険な状況になる可能性があります。成犬の社会化を安全に進めるための方法をいくつかご紹介しましょう。

  • 口輪を使う:口輪は、特に大型犬の場合、犬が攻撃的になったときに起こり得る不幸な出来事を防止することに役立ちます。また、口輪は飼い主を含む周りの人たちを安心させることにもなる、とCesar's Wayには記されています。犬は人の気持ちを察することができます。相手をしてくれる飼い主や他の人々が落ち着いてリラックスしていると、犬も穏やかな気分のまま、好ましい関係性を築きやすくなります。
  • 散歩に連れ出す:散歩は、初めての光景、音、匂い、人、動物に犬を出会わせてくれるだけでなく、興奮して高ぶったエネルギーを発散させて犬を落ち着かせてくれます。犬が吠えたり好ましくない反応を示したときに、犬をリードで無理に引っ張ったり、叱ることはやめましょう。そんな状況にならないように、犬が何かにおびえ始めたときに、気をそらすためのおやつか、お気に入りのおもちゃをあらかじめ用意しておきましょう。時には、犬の向きを変えて反対方向に進むだけでも、十分に犬を落ち着かせることができることがあります。
  • ドッグランデビューを段階的に進める:ドッグランは愛犬を他の犬や人に慣らすのにぴったりの場所です。でもいきなり中に連れ込むことは危険なことで、それは水泳の初心者をプールの一番深いところに放り込むようなものです。初めの2~3回はドッグランの周りをひたすら歩き回って、離れたところから他の犬たちを眺めるだけにしておきましょう。そして徐々に柵に近づくようにします。次に他の犬の匂いを嗅がせたり、触れ合わせたりします。それらの行動が上手にできたときには必ず、”良いこと”との関連付けを強化するためにおやつを与えます。怖がったり攻撃的になったりしたときは柵から引き離して、もう一度近づいて行くところからやり直します。
  • 一度に一人ずつ友人や家族に引き合わせる:犬をリードにつないだ状態で、初めて会う人にゆっくりと近づいてもらいます。そして低く落ち着いた声で励ましの言葉をかけながら、おやつを差し出してもらいましょう。高い調子の赤ちゃん言葉は犬を怖がらせてしまうことがあります。見知らぬ人からおやつや好きなおもちゃを与えられると、その人と好ましい関係性を築くことができます。後ずさりをしたり萎縮してしまったりするときは、それ以上無理強いしないようにしてください。そのまま進めるとさらに不安にさせるかもしれません。次の機会に犬が楽しそうに機嫌がよい時を選んで試してもらいましょう。
  • 落ち着いて普通どおりに振る舞う:犬が怖じ気づいたり、暴れ出したりしたとき、一番よくない対応は、あなたが犬の行動に注意を向けることです。それは犬の恐怖を強化することにしかなりません。むしろ心穏やかにリラックスしているような素振りで犬の不安行動を無視し、何も恐れるものはない状況だということを理解させてあげましょう。

成犬を社会化するときに覚えておくべきポイントは、時間と幾度もの繰り返しが必要だということです。重要なのはあきらめず辛抱強く接すること。なかなか上達しなくてもくじけないください。愛犬のために落ち着いた思いやりあふれる環境を整えること、そして新しい経験をするたびに好ましい行動に関連付けを行うことは、恐怖を克服して、幸せなバランスの取れた犬へと成長するのに大いに役立ちます。とはいっても、成犬になった愛犬の社会化で困ったり、わからないことがあったら、獣医師や信頼できるプロトレーナーに相談しましょう。

筆者紹介

ジーン・マリー・バウハウス

ジーン・マリー・バウハウス

オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもあり、ペットブロガー、兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいます。

関連記事

関連商品