犬はカボチャを食べても大丈夫?

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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できるだけペットの体に良い食材を与えたいと考えている飼い主さんもきっと多いことでしょう。では、カボチャはどうでしょうか。犬のお腹の調子が悪い時にかぼちゃを少し与えることはあるかもしれませんが、パンプキンパイやパンプキンスパイスは避けたほうがいいなど、同じカボチャといっても、犬に与えてもよいか、となると扱いが異なっています。今回はそんなカボチャについて、栄養面の特徴や犬に与える際の注意点などを解説します。秋の味を愛犬と一緒に楽しみましょう。

犬はカボチャを食べて大丈夫

結論、犬はカボチャを食べても大丈夫です。カボチャはもともと食物繊維に加え、βカロテンやビタミンCなどのビタミン類、カリウムなどのミネラル分も豊富に含まれており、栄養豊富な野菜です。適切な調理方法で適量であれば、食事に取り入れることで健康上のよいメリットを得られることでしょう。

農場でカボチャの前に座っている不精そうなゴールデン・ラブラドゥードル。

アメリカンケネルクラブ (AKC)* によると、「カボチャに含まれる可溶性食物繊維は、水を吸収することで便のカサを増やします」。そして、「食物繊維はプレバイオティイクスとしても作用します。(中略)それらは腸内の善玉菌の成長や活性を促進し、悪玉菌の増殖を抑制します。食物繊維は善玉菌が必要とする栄養素を供給し、腸内のpHを低下させ腸内環境を整えます。」と述べられています。

このように食物繊維を愛犬の食事に取り入れるのは素晴らしいことですが、カボチャだけを高食物繊維食の療法食として使用するには栄養が不十分です。基本的に、犬はバランスの取れた総合栄養食のドッグフードで、必要な栄養を十分に摂取することができます。そのため、カボチャは少量のトッピングやおやつに与える程度に留めておきましょう。なお、犬の体質や体調によってはカボチャを与えない方がよいケースも想定されます。食事の内容に疑問がある、あるいは何か変更したい場合には、獣医師と相談してください。

また、カボチャは犬が下痢しているときに役立つことがあります。獣医師は犬の下痢の際に、カボチャを大さじ1~4杯、食事に加えることを推奨する場合があります。ただしこれは応急的な処置のため、下痢が続く場合には動物病院を受診してください。原因となる別の疾患が潜んでいる場合もあります。

カボチャの与え方

獣医師にカボチャを与えても大丈夫か確認できたら、どういった与え方があるか、見てみましょう。

カボチャそのものの場合は消化の面を考慮して、加熱して与えるようにします。蒸したり、スライスして焼いたり、ピューレにしたりなどのほか、ちょっと手間をかけて安心して与えられる犬用のビスケットを手作りすることもできます。また、一度に使用するには量が多すぎる場合は、冷凍して後日使用することもできます。カボチャの「ワタ」の部分も食べられますが、傷みやすい部分のためカボチャが新鮮であることを確認しましょう。

カボチャの種(パンプキンシード)も食べることができます。脂質が豊富に含まれ、ミネラルも豊富です。食品としては、そのままではなく乾燥させ、硬い殻を外した中の種子を軽くローストします。ペットに与える場合は、もちろん塩分や調味料、スパイスをいっさい加えずにローストし、与えるのも一回にほんの数粒程度にします。

一方で、決してペットに与えてはいけないカボチャの製品もあるため注意してください。たとえば、パンプキンパイの具は絶対に犬に与えてはいけません。カボチャピューレと同等に考えやすいのですが、パンプキンパイの具にはペットにとって非常に有害なキシリトールやそのほかのスパイスが含まれている可能性があります。また、最近はパンプキンスパイス入りクッキーやクリーマー(コーヒーに混ぜてラテのように飲むもの)などのようなパンプキン風味の食品が一般的になりましたが、こういったものもペットに与えないようにしましょう。

犬にとっても人間にとっても健康的な食材のカボチャ。いつものフードにちょっとだけ加えるだけでも、ワンちゃんはきっと喜んでくれるでしょう。犬への与え方や与え過ぎに注意して、食のバラエティーを楽しみましょう。

*参照先:https://www.akc.org/expert-advice/health/can-pumpkin-help-with-dog-diarrhea/

Contributor Bio

エリン・オリラ

エリン・オリラ

ペット愛好家。言葉の力、そして人々に情報を提供し、時には変化させるメッセージの力を信じている。犬と猫の健康および行動について、多くの記事を執筆。犬や猫についてまだまだ学ぶべき多くのことが残されていると感じている。