犬にもルーティーン が必要な理由

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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人はルーティーンを確立することで、生活のリズムが整い、体も心も健康に保つことに役立ちます。そのような視点から考えてみると、犬も習慣性の強い動物だということがわかるでしょう。子犬も成犬にも、いつも決まったルーティーンを行うことによって、肉体的にも精神的にも満たされる、というような仕組みが必要です。ここでは犬のルーティーンについてのヒントをご紹介します。

犬にもルーティーンが必要な理由

Dog lying in bed sniffs at an old-school alarm clock

犬はルーティーンに従って行動する動物です。ですから、変化は犬にとってストレスになる傾向があります。犬に、自分に期待されていることを予測してもらうのに必要なのは一貫性である、とアメリカンケネルクラブ(AKC)は言います。つまり、犬のためにルーティーンを定めることは、習慣を好む性質を満足させるという目的のためだけではなく、犬がその家庭の決まり事を理解して適応していくための手助けにもなり、結果的にそれは犬に関わる人全員のストレスを軽減することにつながります。例えば、子犬の食事や睡眠、遊び、排泄の時間を、家族全員の都合に合わせることなく、子犬がしたいように自由にさせていたら、それはイライラすることの連続になってしまうでしょう。しかも、これはそのままにしていると、そのうちにさらに大きな問題行動につながる可能性もあるのです。

ご紹介した通り、規則正しいルーティーンから恩恵を受けるのは、ペットだけではありません。ルーティーンを決めて、スケジュール通りの予定をこなすことは、子犬の世話をする周囲の人々が、子犬の世話に必要な事柄とそのタイミング、そして、その担当者といった情報を共有するのに非常に役立ちます。そういったルーティーンを習慣化することによって、家族は犬のいる生活にスムーズに移行することができ、子犬も安心してくつろげるようになるのです。

犬のルーティーンを確立する

犬の生活は、毎日繰り返される4つの基本的な柱で成り立っています。これには食事、睡眠、排泄、運動または遊びが含まれます。これらはどれもスケジュールを立てて行うことのできる内容です。

  • 食事 人もそうですが、毎日大体決まった時間に食事を取ることは、体に負担が少なく望ましい生活習慣です。それは犬も同様ですから、自分たちの食事タイミングに気を遣うのと同じように、犬の食事タイミングについても考えてみましょう。典型的な子犬の食事回数は1日に3回以上です。この食事のタイミングは、飼い主の朝食、昼食、夕食の時間に大体合わせるようにするのが良いでしょう。また、成犬に必要な食事回数は、体格や品種に応じて1日に1回または2回です。適切な食事量や回数については、犬種やサイズを含めて個体差がありますから、獣医師に相談するのがよいですが、食事のタイミングについては、上記のように大体同じ時間にできるように習慣化しましょう。併せて、いつも清潔で新鮮な水が飲めるように、毎日のお水チェックも食事のタイミングに合わせてしておくようにしましょう。
  • 排泄について トイレトレーニングは、新たに犬を迎い入れたらまず行うべきことの一つです。すでにトイレトレーニングを終えている成犬でも、新しい環境に慣れて、適切な排泄時間と場所を覚えるための移行期間のようなものが必要かも知れません。生後3か月を超えた子犬や小型犬であれば、2~4時間を目安に排泄のためにトイレや外に連れ出すべきです、とAKCは言います。失敗を避けるためには、まず朝一番に排泄を促し、また、仕事に出かける直前にももう一度トイレをさせることをお勧めします。動物福祉パートナーシップ は、帰宅したらすぐに愛犬をトイレや散歩に連れ出して、さらに就寝までに少なくとも1回は排泄させることを勧めています。トイレトレーニング中は、サークル内に、クレートやベッド、そしてこれらの寝床とは少し離れた場所にトイレを設置できるようなスペースを準備できるのが理想です。できるだけ失敗が少ないような環境を整え、うまくできたらタイミングよくほめるのがポイントです。ある程度排泄が我慢できるようになったら、飼い主の留守中はクレートで過ごせるようにトレーニングするとよいでしょう。クレートは、無理なく立ったり座ったり、体を伸ばしたり、向きを変えたりできるくらいのサイズが好ましいでしょう。そうは言っても、犬だけを残して、丸一日以上の長時間の留守は避けたいところです。そのような場合には、ペットホテルやペットシッター等のサービスを利用する方が犬にとっても飼い主にとっても安心でしょう。

Golden Retriever puppy sleeping on a brown leather loafer.

  • 睡眠 犬は人間よりも多くの睡眠を必要で、AKCも、幼い子犬には1日に18時間もの睡眠が必要だと言っています。子犬には好きな時に安心して休めるようにしてあげることが重要ですが、何よりも人間の生活サイクルに合わせて夜間は静かに寝てもらえるように、睡眠に関しても好ましい習慣づけをすることが大切です。夜に寝てくれない場合は、日中にもっと活動的に遊んだり、いろいろな経験をさせて刺激を与える等の工夫をしてみましょう。最初のうちは早朝に起きてしまったりして大変かもしれませんが、犬は次第にその習慣に慣れてくれます。
  • 遊びの時間 運動と遊びの時間は、犬の身体的な健康にはもちろん、精神的、感情的幸福のためにも必要です。日常的に運動している犬は一般的に穏やかで落ち着いていて、問題行動を起こしにくい傾向があります。そして、遊びは飼い主と犬が絆を深めるための素晴らしい時間となります。飼い主にとって都合の良い時間を、こういった犬との交流の時間に充てるのが合理的ではありますが、その時間が一定でなかったり、あるいはあったりなかったりして、犬の一日のスケジュールを大きく乱さないようにしなければなりません。犬は習慣を好みます。いつも平日は早朝に愛犬を散歩に連れ出しているのであれば、それが週末でもっと寝ていたいと思っていても、犬はいつもと同じことを期待するということを理解しておきましょう。

具体的な犬との遊び方については、犬種によって向き不向きがあるので、事前に獣医師に相談しましょう。多くの専門家が、身体的な負荷の高いランニングや長時間の散歩、レスリングのような激しめの遊びについては1歳になるまでは控えるように推奨しています。また、こういった遊びが全く不向きな犬種もいるので注意が必要です。

「いつものあたりまえのこと」がとても大切

こういった犬のルーティーンはいくつかを組み合わせて行うことができます。例えば、散歩に行くことで、運動とトイレ、そして遊びを一緒にこなすことができます。そして、このようなルーティーンを確立するには、ほめたり、おやつを使ったりして、犬にとってそれは好ましいことと理解してもらうことがポイントです。トイレトレーニング中は、絶好のタイミングでほめて、おやつも上手に利用するのが良いでしょう。一貫した行動とそれを習慣化することで、犬の欲求を満たし、そして飼い主の愛情が伝わっていくようになります。

犬の世話に関連することを習慣化することは、そのうち人間の習慣にもなっていきます。犬がいる生活が、特別なものではなく当たり前になっていくのです。「いつものこと」の繰り返しは、犬が新しい環境で安心して暮らしていくために必要なことなのです。

筆者紹介

Jean Marie Bauhaus

ジーン・マリー・バウハウス

ジーン・マリー・バウハウス オクラホマ州タルサ在住のペットブロガー兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいる。

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